動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも素材管理に関わるメディアページの「UI」「メディアストレージブラウザ」の使い方をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、バージョン18のDaVinci Resolve に基づいた内容になっています。
メディアページの概要
DaVinci Resolveにメディア(素材となる動画・オーディオ・画像のデータ)を読み込み、管理するページです。タイムラインについても、管理します。
つまり、素材自体に対する操作が必要であれば、このページで対応することになります。
UI
メディアページは5つのエリアで構成されています。(詳細はこちら)
「5つのエリアに何を表示するか?」は、インターフェースツールバーで切り替えることが可能です。
それぞれの表示内容については、以下にまとめます。
ボタン | 説明 |
拡大/縮小 | メディアストレージの表示エリアの高さをディスプレイに合わせる(拡大)か、縮める(縮小)かを切り替えます。 |
メディアストレージ | メディアストレージの表示/非表示を行います。利用可能なストレージと素材が表示されます。 |
クローンツール | カメラのカードやハードドライブからメディアをクローンする「クローンツール」の表示/非表示を行います。 |
オーディオ | オーディオパネルの表示/非表示を行います。再生させているオーディオデータの音量を確認できます。 |
メタデータ | メタデータの表示/非表示を行います。最後に選択したファイルのメタデータが表示されます。 |
インスペクタ | インスペクタパネルの表示/非表示を行います。選択した素材に対して「変形」「クロップ」などの設定を行うことができます。 |
キャプチャー | ビューアとオーディオパネルをキャプチャーモードに切り替えます。デッキからのキャプチャーに関する設定や、テープからのバッチキャプチャーに使用するコントロールが表示されます。 |
拡大/縮小 | 「オーディオ」「メタデータ」「インスペクタ」「キャプチャー」の表示エリア高さをディスプレイに合わせる(拡大)か、縮める(縮小)かを切り替えます。 |
基本的な操作は、上記のうち「メディアストレージブラウザ」または「メディアプール」の開くコンテクストメニューから行うことになるでしょう。
メディアストレージブラウザ
メディアストレージブラウザには、左右に分かれた2つのエリアから成っています。(下図の赤枠)
左側には、DaVinci Resolveで利用可能なすべてのドライブ(ボリューム、ストレージ)を閲覧するツリーリストやお気に入りが表示されます。
右側には、ツリーリストで選択したディレクトリに含まれるフォルダーと素材として利用できるファイル(コンテンツ)が表示されます。
ツリーリスト
ツリーリストには、DaVinci Resolveで利用できるすべてのストレージ(ボリューム)が表示されます。
このツリーリストを開閉しながら各ディレクトリを参照し、動画編集に使用する素材をD&Dなどで取り込んでいくことになります。
また、ボリュームには以下の2種類があります。
種類 | 説明 |
スクラッチボリューム | 任意で追加できるボリューム(ディレクトリ)で、ディレクトリパスが表示されます。 環境設定の「メディアストレージ」で「メディアストレージロケーション」に追加したディスクです。 リストの削除については、ツリーリストで直接行うことはできず、上記の環境設定の中で行います。 なお、一番上のスクラッチディスクは、ギャラリースチルとキャッシュファイルの保存に使用されます。 |
使用可能なボリューム | 利用可能なストレージ(ボリューム)で、PCで表示されるドライブ名が表示されます。 環境設定の「メディアストレージ」で「接続されているストレージロケーションを自動的に表示」のチェックボックスがオンになっている場合は、接続された新しいボリュームを自動で認識して表示します。 |
なお、リストに表示されていないボリュームを以下の方法で追加することもできます。
- ツリーリスト内のボリューム名ではない場所を右クリックする。
- 表示されたコンテキストメニューから「新しいロケーションを追加」を選択する。
- 以降は、ダイアログの指示に従って操作してください。
お気に入り
ツリーリストの下に、表示されているエリアです。
簡単に言えば、Windowsのクイックアクセスのようなものです。
ツリーリストが増えてきたり、深いディレクトリによくアクセスするような場合、「お気に入り」を利用すると便利です。
「お気に入り」の管理
管理で実施しそうな内容を以下にまとめます。
操作 | 手順 | 結果 |
「お気に入り」の追加 |
| 「お気に入り」に追加されたディレクトリが表示される |
「お気に入り」へのアクセス |
| メディアストレージブラウザの右側のエリアに選択したフォルダーの内容が表示される |
「お気に入り」の削除 |
| 「お気に入り」から削除されたディレクトリが消える |
コンテンツ表示エリア
ツリーリストでボリューム(ディレクトリ)を選択すると、選択したディレクトリに存在しているコンテンツが表示されます。
また、メディアストレージブラウザの右上にあるボタン(下図参照)により、表示形式の切り替え(「リストビュー」と「サムネイルビュー」)、およびコンテンツの検索ができます。
リストビュー
リストビューでは、素材のファイル名と併せて以下の情報(メタデータ)が表示されます。
メタデータ名 | 説明 |
ファイル名 | ファイルの名前です。 |
リール名 | プロジェクト設定の一般オプションの「コンフォームオプション」で選択された設定に基づいて生成されます。 |
開始タイムコード | 素材の最初のタイムコードの値です。 |
開始 | 素材の最初のフレーム番号です。 |
終了 | 素材の最後のフレーム番号です。 |
フレーム | クリップの長さをフレームで表示します。 |
解像度 | 素材のフレームサイズです。 |
ビット深度 | 素材のビット深度です。 |
ビデオコーデック | 素材のビデオトラックに使用されているコーデックです。 |
オーディオコーデック | 素材のオーディオトラックに使用されているコーデックです。 |
FPS | 素材のフレームレートです。 |
オーディオチャンネル | 素材のオーディオチャンネル数です。 |
作成日 | 素材が作成された日付です |
変更日 | 素材を最後に変更した日付です。 |
ショット | 対応するメディアフォーマットからの追加メタデータです。 |
シーン | 対応するメディアフォーマットからの追加メタデータです。 |
テイク | 対応するメディアフォーマットからの追加メタデータです。 |
アングル | 対応するメディアフォーマットからの追加メタデータです。 |
グッドテイク | 対応するメディアフォーマットからの追加メタデータです。 |
また、リストビューでは、メタデータの列に対して以下のようなカスタマイズが可能です。
操作 | 説明 |
列の表示/非表示を切り替える | いずれかの列の上で右クリックして、表示/非表示を切り替えたいアイテムを選択します。 |
列順を並べ替える | 並び替えたい列名を左右にドラッグします。 |
列のサイズを調整する | 列の境界線を左右にドラッグします。 |
列でソートする | 並べ替えたい列名を左クリックします。 |
昇順/降順の切り替える | ソートの対象となっている列を再度左クリックします。 |
※リストビューのメタデータのカラムに対するカスタマイズも上記に従って行うことが可能です。
なお、カスタマイズした列のレイアウトは、保存しておくことが可能です。以下に手順を記載します。
操作 | 手順 |
列のレイアウトを作成・保存する |
|
列のレイアウトを呼び出す |
|
列のレイアウトを編集する |
|
列のレイアウトを削除する |
|
サムネイルビュー
サムネイルビューでは、サムネイル上のカーソルを移動(スクラブ)することで、動画内容を確認することもできます。
また、サムネイル上にマウスを持っていくと右下に表示されるメニューボタン(三点リーダ)をクリックすることで、以下の情報が表示されます。
項目 | 説明 |
ファイル名 | ファイルの名前 |
イン | ソースメディアの最初のフレーム |
アウト | ソースメディアの最後のフレーム |
DUR | ソースメディアのフレーム数 |
解像度 | ソースメディアのフレームサイズ |
フレームレート | ソースメディアのフレームレート(fps) |
ピクセルアスペクト比 | ソースメディアのアスペクト比 |
ビデオコーデック | ソースメディアの映像コーデック |
オーディオコーデック | ソースメディアの音声コーデック |
作成日 | ソースメディアファイルが作成された日時 |
フラグ | メディアを収録したカメラ、またはメタデータエディターやカラーページのタイムラインで適用したフラグ |
また、サムネイルビューで表示している際は、以下の「並べ替え」のボタンからソートをすることができます。
表示されるメニューからソートする基準のデータと昇順/降順を選択できます。
メタデータビュー
メタデータビューについては、メディアページにあるメディアストレージブラウザでは利用できません。
しかし、他のページのメディアストレージブラウザや、DaVinci Resolveで扱えるように取り込んだ素材を表示する「メディアプール」で利用できるので、ここでも記載します。
なお、メタデータビューは、以下のボタンで利用可能です。
このビューでは、サムネイルとリストを併せた以下のように表示されます。
表示されるメタデータは一部となっており、以下の内容になります。
項目 | 説明 |
サムネイル | スクラブが可能になっています。 |
1行目 | メインとなるフィールドで、表示内容は固定ではありません。ソートの基準とする項目によって変わってきます。 |
2行目 | 左から「開始タイムコード」「作成日」「カメラ番号」が表示されます。 |
3行目 | 左から「シーン」「ショット」「テイク」が表示されます。 |
4行目 | 左から「クリップネーム」「コメント」が表示されます。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveのページのうち、「メディアページ」の「UI」「メディアストレージブラウザ」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。