今回は、動画編集ソフト:DaVinci Resolveの各ページの役割と画面構成について紹介します。
情報量が多いので数文書でまとめますが、本記事ではその内、1文書目に当たります。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
役割と画面構成
各ページにおいて、「何をするためのページか?」「どんな画面構成をしているのか?」と言ったことをまとめていこうと思います。
共通部分
まずは、各ページにおける共通部分のヘッダー部とフッター部です。
画面構成は以下です。
①②はヘッダー部、③以降はフッター部に存在するものになります。
番号 | 名称 | 説明 |
① | メニューバー | DaVinci Resolve で利用可能なメニューを利用できます。 |
② | インターフェースツールバー | 各ページごとに存在するパネルの表示/非表示を切り替えます。 なお、表示されるパネルは、ページ毎に変わります。 |
③ | アプリ名 | アプリ名が表示されます。 Sutidio(有償版)でも、「DaVinci Resolve xxx」と表示されます。 |
④ | メディアページ | メディアページへ遷移します。 ショートカットキー:Shift + 2でも表示できます。 |
⑤ | カットページ | カットページへ遷移します。 ショートカットキー:Shift + 3でも表示できます。 |
⑥ | エディットページ | エディットページへ遷移します。 ショートカットキー:Shift + 4でも表示できます。 |
⑦ | Fusionページ | Fusionページへ遷移します。 ショートカットキー:Shift + 5でも表示できます。 |
⑧ | カラーページ | カラーページへ遷移します。 ショートカットキー:Shift + 6でも表示できます。 |
⑨ | Fairlight | Fairlightページへ遷移します。 ショートカットキー:Shift + 7でも表示できます。 |
⑩ | デリバーページ | デリバーページへ遷移します。 ショートカットキー:Shift + 8でも表示できます。 |
⑪ | プロジェクトマネージャー | プロジェクトマネージャーが表示されます。 ショートカットキー:Shift + 1でも表示できます。 |
⑫ | プロジェクト設定 | プロジェクト設定が表示されます。 ショートカットキー:Shift + 9でも表示できます。 |
メディア
素材を DaVinci Resolve に取り込むことができます。プロジェクトで利用する素材に関する管理を行うことが目的となっているページです。
画面構成は以下です。
番号 | 名称 | 説明 |
① | メディアストレージブラウザ | 利用可能な素材が表示されます。素材を探すのにも便利です。 PCに存在しているディレクトリを左側のツリーリストから参照できます。 ツリーリストで選択したディレクトリ(フォルダ)の中身は、右側に表示されます。 |
② | ビューア | ①や④で選択した素材の映像(画像)が表示されます。 表示されているのが動画の場合、再生したり、カーソル(再生ヘッド)を使用して内容を確認することができます。 また、モードを切り替えることで、映像の代わりに音声の波形を表示させることもできます。 |
③ | オーディオパネル | 再生させているオーディオデータの音量を確認するパネルです。 選択している素材に音声が含まれている場合、再生した時の音量をメーターで表示させたり、オーディオデータを波形で表示させたりすることができます。 |
④ | メディアプール | 実際に動画作成で使用するための素材が表示されます。動画編集時は、ここで登録されたデータを扱うことになります。 ①の中で選択したファイルを、D&Dで登録することもできます。 また、動画のサムネイルにカーソルを持っていくと、赤いバーで再生ヘッドが表示され、その時点での映像を確認することができます。 なお、他のページのメディアプールと同期しているので、他のページの管理内容も反映されます。 |
⑤ | メタデータエディタ | 最後に選択したファイルのメタデータが表示されます。 |
カット
このページは DaVinci Resolve 16から搭載されたページで、DaVinci Resolve独自の操作感を有しています。リニア編集によるカット編集から出力までの一連の作業を、スピーディーに行うことができるようになっています。
より短時間で映像編集ができるように、他のページの機能を厳選し、盛り込んだようなイメージが良いかと思います。
また、後述のエディットページとはシームレスに行き来することができます。
画面構成は以下です。
番号 | 名称 | 説明 |
① | メディアプール | 動画作成で使用するための素材の「読み込み」「管理」を行うが表示されます。動画編集時は、ここで登録されたデータを扱うことになります。 メディアページの「メディアストレージ」で追加、もしくは本パネルや④にD&Dすることで登録できます。 また、動画のサムネイルにカーソルを持っていくと、赤いバーで再生ヘッドが表示され、その時点での映像を確認することができます。 なお、他のページのメディアプールと同期しているので、他のページの管理内容も反映されます。 |
② | ビューア | メディアプールに存在している素材を選択すると、ここでプレビューすることができます。 データによっては、トランスポートコントロールの上に、オーディオ波形が表示されることがあります。 |
③ | オーディオメーター | 再生させているオーディオデータ(音声付きの動画を含む)の音量を確認するメーターです。 |
④ | タイムライン | 素材の配置、トリミング、エフェクトの追加などの編集作業を行います。 |
エディット
ノンリニア編集により、Premiere Pro のような他の動画編集ソフトと同様の操作感で編集ができます。カットページでは対応できない少し高度なカット編集や、トラジションの設定などを行うことができます。
また、先述のカットページとはシームレスに行き来することができます。
画面構成は以下です。
番号 | 名称 | 説明 |
① | メディアプール | 動画作成で使用するための素材の「読み込み」「管理」を行うが表示されます。動画編集時は、ここで登録されたデータを扱うことになります。 メディアページの「メディアストレージ」で追加、もしくは本パネルや④にD&Dすることで登録できます。 また、動画のサムネイルにカーソルを持っていくと、赤いバーで再生ヘッドが表示され、その時点での映像を確認することができます。 なお、他のページのメディアプールと同期しているので、他のページの管理内容も反映されます。 |
② | ソースビューア | メディアプールで選択した素材のプレビューが確認できます。 |
③ | タイムラインビューア | タイムラインで再生ヘッドの位置の映像のプレビューが確認できます。 |
④ | タイムライン | 素材の配置、トリミング、エフェクトの追加などの編集作業を行います。 |
Fusion
VFXを設定することができます。VFXにより、映像の合成、エフェクトの追加、テロップ作成などを行うことができます。
Adobeソフトで言うと、After Effects の役割を担っているページと言えるでしょう。
画面構成は以下です。
番号 | 名称 | 説明 |
① | メディアプール | 動画作成で使用するための素材の「読み込み」「管理」を行うが表示されます。動画編集時は、ここで登録されたデータを扱うことになります。 メディアページの「メディアストレージ」で追加、もしくは本パネルにD&Dすることで登録できます。 なお、他のページのメディアプールと同期しているので、他のページの管理内容も反映されます。 |
② | ビューア | ③で選択したノード以前のエフェクトの適用結果が表示されます。 |
③ | ノードエディター | ノードを使用して、エフェクトを適用することができます。 エフェクトは、ノードをつなげていくことで多重適用をすることができます。 |
④ | インスペクタ | 選択したノード(エフェクト)のパラメータを変更することができます。 |
カラー
カラー編集として、カラーコレクションやカラーグレーディングを行うことができます。
DaVinci Resolveは、色補正用のソフトウェアとして開発されたのが始まりです。その後、動画編集機能を搭載したという流れです。そのため、カラー編集に関する機能は非常に優秀です。Premiere Proなどを利用している人でも、カラー編集だけはDaVinci Resolveで行うという人もいます。また、フラッシュバックジャパンのHP(リンク)を見ても、対応しているプラグインは「Magic Bullet Suite」などカラー補正を行うようなものが目立ちます。
画面構成は以下です。
番号 | 名称 | 説明 |
① | ギャラリー | スチル(特定のノードの情報を登録したもの)が表示されます。 スチルを活用する時に利用します。 |
② | ビューア | 編集中の映像のプレビューを確認できます。 |
③ | ノードエディター | ノードを使用して、エフェクトを適用することができます。 エフェクトは、ノードをつなげていくことで多重適用をすることができます。 |
④ | クリップ/タイムライン | エディットページでのタイムラインが表示されます。 なお、ここでは「素材毎(クリップ)」と「時間軸(タイムライン)」の2通りの表示がされます。 |
⑤ | レフトパレット | カラーマッチ、カラーホイール、モーションエフェクトなどの設定を行うことができます。 |
⑥ | センターパレット | カーブ、カラーワーパー、トラッカー、ブラーなどの設定を行うことができます。 |
⑦ | キーフレーム | 選択している素材に対応するキーフレームが表示されます。 |
Fairlight
オーディオ関連の編集を行うページです。
ここでは、標準搭載されているプラグイン:FairlightFX の他、DAW用のVSTプラグインを使うこともできます。つまり、「iZotope の Ozone」や「WAVESのプラグイン」も利用可能になります。
そのため、DTMもやられている方は、各々が使い慣れたプラグインを使って、ミキシング、マスタリング、を初めとする様々なオーディオ編集が可能になります。
画面構成は以下です。
番号 | 名称 | 説明 |
① | メディアプール | 動画作成で使用するための素材の「読み込み」「管理」を行うが表示されます。動画編集時は、ここで登録されたデータを扱うことになります。 メディアページの「メディアストレージ」で追加、もしくは本パネルや③にD&Dすることで登録できます。 なお、他のページのメディアプールと同期しているので、他のページの管理内容も反映されます。ただし、画像ファイルは表示されません。 |
② | メーター | 各トラックとバスの音量を確認できます。 最終的に出力される音量は、「スタジオ」で確認できます。 |
③ | タイムライン | オーディオトラックの編集を行うことができるエリアです。 ここで、各種エフェクトの適用、レベル調整などを行うことに鳴ります。 |
④ | インスペクタ | 選択したクリップに適用したエフェクトのパラメータ変更などを行うことができます。 |
デリバー
編集が終わった最終的な成果物の出力を行うページです。
任意の解像度やファイル形式を指定して出力できる他、環境設定でアカウント連携をしていれば、YouTubeなどにアップロードすることも可能です
画面構成は以下です。
番号 | 名称 | 説明 |
① | レンダー設定 | 出力する動画ファイルの設定を行います。 |
② | ビューア | タイムラインの再生ヘッドの位置の映像をプレビューで確認できます。 ここに表示される映像が、動画ファイルとして出力されることになります。 |
③ | レンダーキュー | レンダリングする対象のリストです。 レンダー設定で、「レンダーキューに追加」を行うと、こちらに追加されます。 |
④ | サムネイルタイムライン | レンダリングする動画で使用されている素材のサムネイルが表示されます。 |
⑤ | タイムライン | 再生ヘッドの位置の映像を確認することができます。 編集はできませんが、内容はエディットページと連動しています。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、動画編集ソフト:DaVinci Resolveの各ページの役割と画面構成について紹介しました。
DaVinci Resolveを扱う上で、最も基本となる内容だと思います。
ぜひ参考にしてみてください。