動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、サードパーティーのエフェクトに頼らなくても良いように、多くのエフェクトが内蔵されています。
今回は、その中でもエフェクトの「ResolveFX」の「JPEGダメージ」「アナログダメージ」について、まとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 19 に基づいた内容になっています。
JPEGダメージ
デジタル圧縮によるアーティファクト(画像のブロックノイズや色ムラ)をシミュレートするエフェクトです。
同じJPRGファイルを何度も上書き保存したり、低品質な見た目にしたい場合に適していると思います。
設定値は以下があります。
基本設定
本エフェクトのベースとなる設定は以下になります。
設定項目 | 説明 |
品質 | 劣化させる度合を調整します。 |
解像度 | 低解像度で生じる四角形(ブロック)で形成される劣化を表現したい場合に調整します。 |
アスペクト比 | 「解像度」を生じた各ブロックのアスペクト比を調整します。 |
周波数スケール | エフェクトのシャープさを調整します。 |
スケール構成 | 処理する際の基準を以下から選択し、見せ方を変更します。
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アナログダメージ(Studioバージョンのみ)
古いビデオテープやテレビ放送の劣化をシミュレートするエフェクトです。
アナログ機器特有の経年劣化を表現することで、映像をレトロな雰囲気にしたい場合に適していると思います。
設定値は以下があります。
基本設定
本エフェクトのベースとなる設定は以下になります。
設定項目 | 説明 |
プリセット | 「19〇〇年代のテレビ」や「VHS」を模した設定から、ベースとする設定を選択することができます。 「カスタム」では、ベースに囚われずに独自の設定を行うことも可能です。 本設定を選択後、さらに微調整をでき、その設定群は後述のものが該当します。 |
テレシネソース
テレシネ(フィルムからビデオへの転送)特有の「レンズのビネット」「フィルムリール利用時の物理的な揺れ(ジッター)」などに関する設定群です。
設定項目 | 説明 |
ビネット | イメージの端を暗くする度合を調整します。 |
ビネットアスペクト | ビネットの横幅を調整します。 |
シャッター揺れ | 映像の細かいの動きの度合を調整します。 |
放送信号
信号を伝達する上で発生するような「ノイズ」や「損失」などの問題に関する設定群です。
設定項目 | 説明 |
ノイズスケール | ノイズの細かさを調整します。 |
信号ノイズ | 輝度信号に含まれるノイズの量を調整します。 このノイズは「スタティックノイズ」と言い、静電気による「サー」という音です。 |
クロマノイズ | クロマ信号に含まれるノイズの量を調整します。 |
ディテールロス | 伝送時に損失する信号の量を調整します。 |
クロマディテールロス | 伝送時に損失するカラー情報の量を調整します。 |
ゴースト | 反射信号のゴーストの強さを調整します。 |
ゴーストオフセット | ゴーストのオフセット量を調整します。 |
色ずれ | カラー信号と明度のオフセットの量を調整します。 |
カラーダイヤル
テレビ信号専用の「カラー調整」に関する設定群です。
設定項目 | 説明 |
明るさ | 明るさの度合を調整します。 |
コントラスト | 黒レベルの度合を調整します。 |
カラー | 鮮やかさ(彩度)のレベルを調整します。 |
ティント | 色相(赤、青、緑などの色み)を調整します。 |
スキャン
テレビのスキャンに関する問題をシミュレートする設定群です。
設定項目 | 説明 |
CRTフレーミングを調整 | 「ブランキング」「アンダースキャン」「オーバースキャン」の表示を有効にします。 本設定が有効の時、他のパラメータが有効になります。 |
イメージアスペクト | メインとなるイメージの横幅を調整します。 |
横シフト | 横方向のオフセット位置を調整します。 |
縦シフト | 縦方向のオフセット位置を調整します。 |
縦ホールド | 信号の更新とテレビの更新のずれを調整します。 |
縦ホールドラッチ | テレビが適切に表示する前に行うスキャンの頻度を調整します。 |
オーバースキャン | イメージ全体のサイズを変更することで、クロップ量を調整します。 |
縦スケール | メインとなるイメージの縦幅を調整します。 |
縦ブランキング | 回転する信号の上下の間隔(ブランク部分)を調整します。 |
走査線
テレビ画面の走査線を視覚的に表現し、映像に縞模様を加える設定群です。
設定項目 | 説明 |
走査線のシャープネス | 走査線の鮮明度合を調整します。 |
走査線の数 | 走査線の本数を調整します。 |
カラーライン | 走査線がカラーになります。 |
テレビ構造
ブラウン管テレビの構造的な特徴を再現し、映像に独特の歪みや色味を加える設定群です。
設定項目 | 説明 |
蛍光体の明度 | フロントスクリーンに因る明るさを調整します。 |
蛍光体のティント | フロントスクリーンに因る色見を調整します。 |
デフォーカス | フロントスクリーンで損失されるディテールの度合を調整します。 |
スクリーンの湾曲 | フロントスクリーンの曲がり具合(曲率)を調整します。 |
エッジマスク | 黒いクロップエリアを、映像のエッジ周辺に追加します。 これにより、ブラウン管テレビの画面を見ているような印象になります。 |
エッジの透明化 | 他のイメージと合成するための透明なクロップエリアを、映像のエッジ周辺に追加します。 |
マスクの湾曲 | クロップ時に表示するイメージとの境界に当たる四隅の曲がり具合(曲率)を調整します。 |
マスクのアスペクト | クロップする量(幅)を調整します。 |
VHS
VHSテープで録画・再生する際に発生するノイズや歪みを再現する設定群です。
設定項目 | 説明 |
テープ揺れ 高さ | テープの揺れの振幅を調整します。 |
テープ揺れ オフセット | テープの揺れのオフセット量を調整します。 |
テープ揺れ ジッター | フレーム毎の揺れ具合を調整します。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「ResolveFX」のうち、「JPEGダメージ」「アナログダメージ」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。