動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、サードパーティーのエフェクトに頼らなくても良いように、多くのエフェクトが内蔵されています。
今回は、その中でもエフェクトの「ResolveFX」の「ビデオコラージュ」の「ドロップシャドウ」の設定までを、まとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 19 に基づいた内容になっています。
ビデオコラージュ
複数の映像クリップを一つの画面上に配置して、コラージュ形式で表示するエフェクトです。
複数の映像を同時に視聴したり、映像を分割して異なる視点やシーンを同時に見せたい場合に適していると思います。
設定値は以下があります。(下図は一例です。)
基本設定
本エフェクトのベースとなる設定は以下になります。
設定項目 | 説明 |
ワークフロー | 以下から、作成対象を選択できます。 詳細は後述します。
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レイアウトをプレビュー | タイルに相当するブランクを自動生成されたタイルで埋め、レイアウトを確認できます。 |
編集対象の切り替えボタン | 以下から、編集対象を切り替えることができます。
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ワークフロー:背景を作成
エフェクトを適用させたイメージを製作物の背景として扱います。
そのため、イメージにブランクのタイルを生成します。
ブランクの箇所には、タイムラインエディターの下段(後ろに配置されているクリップ)が表示されます。
ワークフロー:タイルを作成
エフェクトを適用させたイメージをタイルとして扱います。
そのために、アクティブのタイルにイメージを配置し、背景と非アクティブのタイルを「ブランク」にします。
ブランクの箇所には、タイムラインエディターの下段(後ろに配置されているクリップ)が表示されます。
レイアウト
配置する全タイルの対象に行うタイルのベースとなる設定群です。
「編集対象の切り替えボタン」で「全体」を選択した時に表示されます。
設定項目 | 説明 |
列 | 配置したいタイルの列数を調整します。 |
行 | 配置したいタイルの行数を調整します。 |
横方向のずれ | 配置されているタイルを横方向にせん断するようにずらします。 一番上と一番下を逆方向にずらし、左右が斜めになる平行四辺形の形状にするイメージです。 |
縦方向のずれ | 配置されているタイルを縦方向にせん断するようにずらします。 一番左と一番右を逆方向にずらし、上下が斜めになる平行四辺形の形状にするイメージです。 |
角の丸み | 全タイルを対象に、四隅を丸める度合を調整します。 |
余白&間隔
背景に配置するタイル間の距離に関する設定群です。
「編集対象の切り替えボタン」で「全体」を選択した時に表示されます。
設定項目 | 説明 |
左右の余白 | 「一番左の列のタイルの左側」および「一番右の列のタイルの右側」の余白を調整します。 |
上下の余白 | 「一番上の列のタイルの上側」および「一番下の列のタイルの下側」の余白を調整します。 |
横方向のオフセット | 全グリッドを横方向の位置を調整します。 |
縦方向のオフセット | 全グリッドを縦方向の位置を調整します。 |
横方向の間隔 | 各タイル間の横方向の間隔を調整します。 |
縦方向の間隔 | 横方向および縦方向の間隔を調整します。 |
キーフレーミングの同期
本エフェクトに適用されている全パラメーターのキーフレームに対するオフセットの設定群です。
「編集対象の切り替えボタン」で「全体」を選択した時に表示されます。
設定項目 | 説明 |
オフセットフレーム | 本エフェクトに適用されている全キーフレームを対象に、ずらすフレーム数を設定します。 負の値を設定することで、前(左)のフレームにずラスことが可能です。 |
オフセットを適用 | 「オフセットフレーム」で設定したフレーム数を適用させます。 |
タイルの管理
設定するタイルを選択するための設定群です。
「編集対象の切り替えボタン」で「タイル」を選択した時に表示されます。
設定項目 | 説明 |
アクティブタイル | 設定を変更したいタイルをプルダウンメニューから選択します。 |
タイルを前に移動 | 「アクティブタイル」のプルダウンメニューの並び順を1つ下にします。 |
タイルを後ろに移動 | 「アクティブタイル」のプルダウンメニューの並び順を1つ上にします。 |
タイルを追加 | 新しいタイルを追加します。 「手動タイル管理」が有効な場合に表示されます。 |
タイルを削除 | 「アクティブタイル」で設定しているタイルを削除します。 「手動タイル管理」が有効な場合に表示されます。 |
手動タイル管理 | 手動でタイルの追加や削除ができるようになります。 |
タイルのミュート
「アクティブタイル」で設定しているタイルを有効なものにするかどうかを設定します。
「編集対象の切り替えボタン」で「タイル」を選択した時に表示されます。
設定項目 | 説明 |
タイルをミュート | 「アクティブタイル」で設定しているタイルを非表示にします。 ミュート時は、以降の設定(「カスタムサイズ&形状」など)は非表示になります。 |
カスタムサイズ&形状
「アクティブタイル」で設定しているタイルに対し、サイズ(形状)の設定を行います。
「編集対象の切り替えボタン」で「タイル」を選択した時に表示されます。
設定項目 | 説明 |
開始列 | 「アクティブタイル」で設定しているタイルの開始する列を設定します。 |
終了列 | 「アクティブタイル」で設定しているタイルの終了する列を設定します。 例えば、開始列より大きい数値の場合、横に長くなります。 逆に、開始列より小さい数値の場合、開始列と連動して左の列にずれます。 |
開始行 | 「アクティブタイル」で設定しているタイルの開始する行を設定します。 |
終了行 | 「アクティブタイル」で設定しているタイルの終了する行を設定します。 例えば、開始行より大きい数値の場合、縦に長くなります。 逆に、開始行より小さい数値の場合、開始列と連動して上の列にずれます。 |
カスタムサイズ&形状 | スライダーを使用した、サイズと四隅の丸みの調整を行えるようにします。 他のタイルに影響を及ぼさないため、特定のタイルに対して調整するのに便利です。 |
カスタムスケール | 「アクティブタイル」で設定しているタイルのスケールを調整します。 |
カスタムラウンディング | 「アクティブタイル」で設定しているタイルの四隅の丸みを調整します。 |
コンテンツのリサイズ
各タイルに表示するイメージのリサイズに関する設定群です。
「ワークフロー」で「タイルを作成」を選択し、かつ「編集対象の切り替えボタン」で「タイル」を選択した時に表示されます。
設定項目 | 説明 |
全タイルに適用 | 本セクションの設定を全タイルに適用することができます。 |
パン | タイルに表示するイメージの横方向の位置を調整します。 |
ティルト | タイルに表示するイメージの縦方向の位置を調整します。 |
ズーム | タイルに表示するイメージのスケールを調整します。 |
エッジの処理 | 「パン」「ティルト」「ズーム」により生じるタイル内の余白に対する処理の方法を以下から選択します。
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タイルと併せて移動 | タイルと併せて移動するパラメータを以下から選択します。
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タイルのスタイル
各タイルの余白部分に関する設定群です。
「ワークフロー」で「タイルを作成」を選択した時に表示されます。
設定項目 | 説明 |
全タイルに適用 | 本セクションの設定を全タイルに適用することができます。 |
タイルの境界 | タイルに配置する余白の幅を調整します。 |
タイルの色 | タイルの空白部(背景色とボーダー)の色を選択できます。 |
タイルの不透明度 | 配置するイメージを除くタイルの箇所(余白など)の不透明度を調整します。 |
ドロップシャドウ
タイルが背景部分に落とすドロップシャドウに関する設定群です。
「ワークフロー」で「タイルを作成」を選択した時に表示されます。
設定項目 | 説明 |
全タイルに適用 | 本セクションの設定を全タイルに適用することができます。 |
強度 | 適用するシャドウの量を調整します。 |
カラー | 適用するシャドウの色を設定します。 |
ドロップの角度 | 対象のオブジェクトから落とすシャドウの角度を調整します。 |
ドロップの距離 | 対象のオブジェクトと適用するシャドウとの距離を調整します。 |
拡大 | シャドウのスケールを調整します。 |
ブラー | 適用するシャドウに付与する「ぼかし」の量を調整します。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「ResolveFX」のうち、「ビデオコラージュ」の「ドロップシャドウ」の設定までを、まとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。