何かのアプリケーションを扱う上で、環境設定は初めのうちに知っておいた方が良い事の1つです。
全く設定しない場合、「手戻りの発生」や「作業効率の低下」を招くこともあるかもしれません。
今回は、DaVinci Resolveにおける環境設定のうち、「システム」の「デコードオプション」までをまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
概要
DaVinci Resolve全体に関わる設定を行う「環境設定」ウィンドウは、メニューの[DaVinci Resolve] > [環境設定]から、開くことができます。ショートカットキーでは、「Ctrl+,(カンマ)」で開くことができます。
大きく2つの環境設定から構成され、「システム環境設定」と「ユーザー環境設定」パネルに分かれています。どちらも、右下の「保存」ボタンを押下することで、適用されます。
また、設定を初期化したい場合は、「環境設定」ウィンドウの右上にある「・・・(メニュー)」から「システム環境設定をリセット」もしくは「ユーザー環境設定をリセット」を選んでください。どちらの表示かはパネルに依存し、リセットは各々に機能します。
なお、設定はOSにログインしているユーザー毎に保存されているので、他のログインユーザーに影響を及ぼしません。
システム環境設定
システム設定では、DaVinci Resolveが動作するハードウェアの設定が行えます。
それぞれの設定値について、説明しますが、環境によって表示内容が変わる可能性があります。そのため、要因が分かるものは、その要因も記載しています。
また、気付いていないだけで他にも表示がある場合があるかもしれませんが、ご了承ください。
メモリー&GPU
このパネルでは、「メモリーコンフィギュレーション」と、「GPUコンフィギュレーション」の設定ができます。
メモリーコンフィギュレーション
項目 | 説明 |
システムメモリー | PCが搭載しているメモリーサイズ(使用可能な最大メモリー容量)が表示されます。 |
Resolveのメモリー使用を制限 | DaVinci Resolveが使用可能なメモリーの最大容量を設定できます。 設定可能な最大値はシステムメモリーの75%の値です。 |
Fusionのメモリーキャッシュを制限 | Fusionページの再生のために、どれくらいのメモリーを使用可能にするかを設定できます。 ここで設定可能なメモリー容量は「Resolveのメモリー使用を制限」で設定したメモリー容量と連動しています。 |
GPUコンフィギュレーション
項目 | 説明 |
GPU処理モード | GPUのAPIを選択します。 基本的には、「自動」を設定して置けば、その環境に適切なAPIが使われるようになります。 もし、固定で指定したい場合は、以下を参照して下さい。【Metal】 macOS(Apple製品)を使っている人向け 【OpenCL】 【CUDA】 |
GPU選択 | GPUのうち、処理に使用するGPUを選択します。 「自動」を有効にするか、「自動」のチェックを外して表示されているリストからGPUを選択することができます。 |
メディアストレージ
各種ファイルの保存場所を設定することができます。
動画編集の場合、知らず知らずのうちに容量を使っていることがあります。そのためなるべく空き容量が多く、高速なストレージ内を選択した方が良いでしょう。
メディアストレージロケーション
プロジェクトで利用するGalleryの静止画やキャッシュファイルが保存されるストレージを設定することができます。
「追加」「削除」ボタンにより、任意の場所を設定することができます。
項目 | 説明 |
マッピングマウント | Mac、Linux、Windowsのファイルシステム間で変換可能なメディアパスマッピングを指定できます。 |
ダイレクト入出力 | 有効にすると、マウントしたディレクトリに、直接書き込むことができるようになります。 これにより、ドライブの性能を最大限に活かすことができます。 |
接続されているストレージロケーションを自動的に表示
有効すると、メディアストレージロケーションに追加することなく、PCに接続されている全ストレージ上のメディアにアクセスできます。
デフォルトではオンです。
プロキシの生成場所
作成されたプロキシメディアファイルを保存する場所を、以下の候補から選択します。
- メディアフォルダー内のプロキシサブフォルダー
- プロジェクト設定を使用
- 作成時に確認
デコードオプション
GPUを使用したデコードとディベイヤーに関する設定です。
Blackmagic RAWのデコードにGPUを使用
有効時は、GPUを使用して、Blackmagic RAW(BRAW)のデコードを行います。
H.264/H.265のデコードにハードウェアアクセラレートを使用
有効時は、H.264またはH.265の再生にハードウェアアクセラレートを使用します。
easyDCPデコーダーを使用
有効時は、DCPのデコードにeasyDCPを使用するように切り替えることができます。
内蔵の独自のDCPエンコーダとデコーダのライセンスがインストールされている場合に、利用可能です。
メディアプールに書き込み中のファイルを自動的に更新
有効時は、書き込み中のファイルをメディアプールに読み込む際に、ファイル更新(メディアプール内の属性を含む)は自動的に更新されるようになります。
R3DにGPUを使用
以下から利用の仕方を選択し、利用時はR3DのディベイヤーにGPUを使用します。
- なし
- ディベイヤー
- 復元&ディベイヤー
利用可能な場合にRED Rocketを使用
RED Rocketとは、4kのRAWデータをR3Dファイルから直接レンダリングすることなくリアルタイムで再生可能なボードです。
有効時は、標準的なREDソフトウェアのCPUディベイヤーを強制的に使用させる必要がある場合に、Red Rocketサポートを無効にさせることができます。
R3DメディアをCPUでディベイヤーしたい場合は、無効にしてください。
復元とディベイヤーの設定を選択するための追加オプションが表示されます。
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「環境設定」の中でも「システム」の「デコードオプション」までをまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。