【Dorico】【記譜モード】記譜ツールボックスによる記譜記号入力操作②

現在、様々な場面・分野でユーザーに使われている作譜ソフト「Dorico」。

かつてのFinaleに代わり、業界標準の一角を担っています。

今回はそんなDoricoの「記譜モード」の「記譜ツールボックスによる『テンポ』『強弱記号』『装飾音』の入力操作」について、紹介します。

なお、ここでは Dorico pro(ver.6) での内容に基づいた内容となっています。

スポンサーリンク

テンポ

テンポは、記譜ツールボックスの「テンポ」で利用できます。

入力方法は、マウス入力利用した「パネル」入力(リンク)と、キーボードを利用する「ポップオーバー」入力です。

なお、ポップオーバーでしか表現できない表記がある場合があります。

入力手順:パネル

パネルでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。

      • 入力したい位置にキャレットを移動してください。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。

      • 複数の五線譜に対して、同時に選択できます。
  2. 記譜ツールボックスで [パネル] > [テンポ] のボタンを押下する。
  3. 入力したい「テンポ」を選択する。

なお、テンポの設定では、必要に応じて以下が利用できます。

  • タップテンポ

    • 「タップの間隔に応じたテンポ」もしくは「数値で指定したテンポ」を利用できます。
  • 固定テンポ

    • 「Moderato」のような固定値のテンポ記号から選択できます。
  • 段階的テンポ

    • 指定した時間の範囲で、速度変化をするテンポ記号です。
  • 相対テンポ

    • それまでのテンポに対する変化の度合を指定したテンポ記号です。
  • テンポのリセット

    • 「a tempo」のように、速度を戻すテンポ記号です。
  • テンポの等式

    • 「16分音符から全音符までの拍」および「付点」を利用し、テンポの等式を組み立てます。

入力手順:ポップオーバー

ポップオーバーでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。

      • 入力したい位置にキャレットを移動してください。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
  2. 以下のいずれかを実行し、ポップオーバーを表示する。

    • 「Shift + T」を押下する。
    • 記譜ツールボックスで [ポップオーバー] > [テンポ] のボタンを押下する。
  3. 表示されたポップオーバーに、エントリーを入力する。

    • この時、入力内容によっては、予測変換の候補が表示されます。
  4. 「Return(Enter)」キーを押下し、ポップオーバーを閉じる。

ポップオーバーの入力例

以下に、ポップオーバーで記載できるエントリーの入力例を記載します。

パネルでは利用できない「swing」といったテンポに対しても、作成することが可能です。

表記代表的なエントリー
4分音符=100 「q=100」
リタルダンド 「rit」
四分音符 = 八分音符 「q=e」
8分音符の軽いスウィング「light swing 8ths」
「light」の代わりに「midium」「heavy」でスウィングの強さを変えることができます。
16分音符の2:1スウィング (一定) 「2:1 swing 16ths (fixed)」

なお、エントリーに記載する音符の種類については、以下で選択できます。

  • 64分音符:「z」「2」
  • 32分音符:「y」「3」
  • 16分音符:「x」「4」
  • 8分音符:「e」「5」
  • 4分音符:「q」「6」
  • 2分音符:「h」「7」
  • 全音符:「w」「8」
  • 倍全音符:「2w」「9」
  • 付点:. (ピリオド)
スポンサーリンク

強弱記号

強弱記号は、記譜ツールボックスの「強弱記号」で利用できます。

入力方法は、マウス入力利用した「パネル」入力(リンク)と、キーボードを利用する「ポップオーバー」入力です。

なお、ポップオーバーでしか表現できない表記がある場合があります。

入力手順:パネル

パネルでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。

      • 入力したい位置にキャレットを移動してください。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。

      • 複数の五線譜に対して、同時に選択できます。
  2. 記譜ツールボックスで [パネル] > [強弱記号] のボタンを押下する。
  3. 入力したい「強弱記号」を選択する。

入力手順:ポップオーバー

ポップオーバーでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 以下のいずれかを実行する。

    • 「音符入力モード」にする。

      • 入力したい位置にキャレットを移動してください。
    • 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
  2. 以下のいずれかを実行し、ポップオーバーを表示する。

    • 「Shift + D」を押下する。
    • 記譜ツールボックスで [ポップオーバー] > [強弱記号] のボタンを押下する。
  3. 表示されたポップオーバーに、エントリーを入力する。
  4. 「Return(Enter)」キーを押下し、ポップオーバーを閉じる。

ポップオーバーの入力例

以下に、ポップオーバーで記載できるエントリーの入力例を記載します。

表記代表的なエントリー
piano 「p」
fortissimo 「ff」
fortepiano区切りなし:「fp」
区切りあり:「f:p」「f/p」
crescendo 「<」「cresc」「cresc.」
diminuendo 「>」「dim」「dim.」
ヘアピン 「<>」「><」
rinforzando 「rfz」

装飾音

装飾音、アルペジオ記号、グリッサンドライン、ジャズアーティキュレーションは、記譜ツールボックスの「装飾音」で利用できます。

入力方法は、マウス入力利用した「パネル」入力(リンク)と、キーボードを利用する「ポップオーバー」入力です。

なお、ポップオーバーでしか表現できない表記がある場合があります。

入力手順:パネル

パネルでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。

    • 複数の五線譜に対して、同時に選択できます。
    • 「グリッサンド」を付与したい場合は、つなぎたい2つの音符を選択します。
    • 「アルペジオ」は和音に対してのみ付与可能ccです。
  2. 記譜ツールボックスで [パネル] > [装飾音] のボタンを押下する。
  3. 入力したい「装飾音」を選択する。

入力手順:ポップオーバー

ポップオーバーでの入力手順は、以下のようになっています。

音符ツールボックスの「音符入力を開始」のボタン(リンク)が有効な状態を、便宜上「音符入力モード」とします。
  1. 入力したい位置に配置されているアイテムを選択する。
  2. 以下のいずれかを実行し、ポップオーバーを表示する。

    • 「Shift + O」を押下する。
    • 記譜ツールボックスで [ポップオーバー] > [装飾音] のボタンを押下する。
  3. 表示されたポップオーバーに、エントリーを入力する。

    • 「アルペジオ」は和音に対してのみ付与可能です。
  4. 「Return(Enter)」キーを押下し、ポップオーバーを閉じる。

ポップオーバーの入力例

以下に、ポップオーバーで記載できるエントリーの入力例を記載します。

表記代表的なエントリー
トリル(完全5度)「tr p5」「tr per5」「tr perf5」
トリル(メジャー3度)「tr M3」「tr maj3」「tr major3」
ショートトリル「short」「shorttr」
ターン「turn」
ベンド(ジャズ)「brassbend」
フォール (ベンド)「fall」
上向アルペジオ記号「arp」「arpup」
下向アルペジオ記号「arpdown」
グリッサンド (直線)「glissstraight」
グリッサンド (波線)「glisswavy」
ベンド(ギター)「bend」
ハンマリング「hammer」
プリング「pull」
ハンマリング→プリング
プリング→ハンマリング
「hp」「hammerpull」
タッピング(右手のハンマリング)「tap」
タッピング(プリングあり)「tappull」
「ハンマリング」および「プルオフ」は、実施前後に当たる複数の音を選択しておく必要があります。

商品情報

各作業に最適なモードで作譜。出版用に最適。

まとめ

今回は、Doricoの「記譜モード」の「記譜ツールボックスによる『テンポ』『強弱記号』『装飾音』の入力操作」についてまとめてみました。

Doricoを使用する際のヒントになれば幸いです。

スポンサーリンク