エフェクターと一言で言っても種類は多数あり、うまくなりたい!こういう音が欲しい!といった欲が出てくると必然的に複数持つことになってくると思います。ギターを弾く人にとっては、音作りは楽しみの1つかもしれません。そういった時に「どの順番が一般的なのか?」「どういう意図の下、このつなぎ方をするのか?」といったことが疑問点として挙がってくるかもしれません。
ここでは、数あるエフェクターのつなぎ方や効果について話していこうと思います。
複数のエフェクター利用時の必需品
まず初めに、一般的にエフェクターをつなぐ際の必需品を記載します。
ケーブル
標準ジャックタイプのものです。楽器とエフェクター、エフェクターとアンプをつなぎます。3m~5mのものが主流です。アンプは、オーディオインターフェースやミキサーの場合もあります。
パッチケーブル
エフェクターとエフェクターをつなぎます。10cmから1m以上など幅広く存在します。用途に応じて必要な長さを選ぶようにしましょう。大は小を兼ねると言いますが、楽器の機材に関しては、短いものを用いた方が良い効果を得る傾向があります。かといって短すぎると、エフェクターを操作する時に隣のエフェクターやスイッチも押してしまう恐れがあります。
電源ユニット
エフェクターの電源供給用で、9V電池も含みます。エフェクターの数が多ければ、パワーサプライの利用を考えるといいと思います。
つなぎ順に正解はある?
エフェクターのつなぎ方に正解はあるのか?答えは「No」です。個々の得たい音が得られるようにつないでしまいば良いです。
ただし、つなぎ方を間違えると「ただ音を劣化させるだけ」であったり、効果がほとんど得られず「つないでもつながなくても同じ」といった状態になってしまうこともあります。そのため、「正解がない」=「適当でよい」ということではありません。正解はなくとも、「定石となるつなぎ方」はあるのです。この定石となるつなぎ方は、数あるエフェクターの特徴を一番得やすいつなぎ方です。その定石を基準にし、組み合わせていくのが良いでしょう。
基準となるつなぎ順
定石はコレ
つなぎ方の定石は、以下のような順番になります。
順番 | グループ | 具体例 |
1 | 楽器 | ギター |
2 | フィルター・ダイナミクス系 | ワウ コンプレッサー ピッチシフター |
3 | 歪み系 | オーバードライブ ディストーション ファズ |
4 | モジュレーション系 | コーラス フランジャー フェイザー |
5 | 残響系 | ディレイ リバーブ |
6 | 出力機材 | アンプ |
※モジュレーション系と残響系は逆順でも問題はありません。それゆえ、同一の括りで「空間系」と表されることが多いです。
※各エフェクターの説明は、以下を参照ください
この順番を見てみると分かると思いますが、初めの段階(1~3)で骨格となる楽器の音色を作り、後段(4~6)で空間的な効果を足しています。楽器の音が反響して聴こえてくるようなイメージです。逆の場合はどうでしょうか?空間的な効果の後に骨格となる音色を作ろうとすると、反響した音も含めて音色が作られるので、非常に耳障りな音になる可能性があります。
同じグループ内の並びは?
同じ歪み系の中での順番、モジュレーション系・空間系の中での順番では前述だけのイメージだと理解できないかもしれません。この場合は、後段の方が効果がはっきり出ると考えましょう。
例を以下に記載します。
前段 | 後段 | 音の特徴 |
オーバードライブ | ディストーション | トゲトゲしい音 |
ディストーション | オーバードライブ | トゲトゲしさが少ない マイルドな歪み |
また、ダイナミクス系・歪みに含まれる音量を上げる「ブースター」に括られるエフェクターは歪み系の前か後かで用途が変わります。
前段 | 後段 | 音の特徴 |
ブースター | 歪み | 歪み量の増加 ≒GAIN増加 |
歪み | ブースター | 音量アップ |
イコライザーも同様で、以下のようになります。
前段 | 後段 | 音の特徴 |
イコライザー | 歪み | 歪ませる周波数帯の調整 |
歪み | イコライザー | 歪みの音色補正 |
このように、順番によって、様々な効果の変化を得ることができます。自身で順番を考えていく際は「エフェクターの効果は、それ以前の音に対してかかる」「後の方のエフェクターの効果が強くかかる」。この点を理解して、色々試してみましょう。
電池使用時の注意点
エフェクターの構造上、エフェクターのインプット端子もしくはアウトプット端子にケーブルを差したままにしておくと、それだけで電力を消費します。そのため、電源ユニットを使う場合は良いとしても、電池で動作させている場合は注意が必要です。エフェクターを使用しないときはインプット端子から抜いておくことをお勧めします。いざ使うという時に電池切れ…なんてことを起きないようにするためです。
さらに言えば、電池を抜いておくことがベストです。乾電池を使用する機器の電池を久しぶりに見たら、端子に白い粉が付いていたなんて経験はありませんか?まさにこれがエフェクターの中で起きうるかもしれないからです。最悪、エフェクターの故障につながります。
まとめ
定石となる部分について記載していきました。極論を行ってしまえば、つなぎ方は個々の自由です。定石ではないつなぎ方をすることでエフェクターが壊れることもほぼないでしょう。そのため「後の方のエフェクターの効果が強くかかる」ことを念頭に、色々試して好みの音を見つけてみて下さい。それが「自分だけの音」になり、思わぬ発見があるかもしれませんよ。