UAFX の エフェクターペダルの中でリバーブに位置付けられているのが、Golden Reverberator です。
選び抜かれたビンテージの名器の中から「スプリングリバーブ」「プレートリバーブ」「デジタルリバーブ」の3種類の残響音を扱えます。どれも実機さながらで、その空間で実際に弾いているような感覚を味わえるでしょう。他のリバーブエフェクターの追随を許しません。
今回は、そんな Golden について、記載していきます。
なお、音色が気になる方は、最下部の「参考動画」および「参考URL」欄に記載のリンクも参照していただけますと幸いです。
筐体
まずは、筐体について、説明していきます。背面は、「入出力端子」「電源端子」「USB端子」があります。上部には、6個のノブと3個のミニトグルスイッチ、2個のフットスイッチが装備されています。
背面 | ![]() |
上部 | ![]() |
入出力端子
入出力はモノラルIN/OUT、ステレオIN/OUTの4つを装備しています。いずれも端子も標準ジャックの通常のシールドの他、TRSも利用可能です。
端子 | 説明 |
1/MONO IN | モノラル入力を行う時に使用します。 |
2/STEREO IN | ステレオ入力を行う時に使用します。 「1/MONO IN」端子に接続していない場合は機能しません。 |
1/MONO OUT | モノラル出力を行う時に使用します。 |
2/STEREO OUT | ステレオ出力を行う時に使用します。 |
なお、これらの端子の接続方法は、様々です。一例ですが、以下のようなパターンで接続ができます。
入力 | 出力 | 接続例 |
1/MONO IN | 1/MONO OUT | 入力:ギター 出力:アンプ |
1/MONO IN | 1/MONO OUT 2/STEREO OUT | 入力:ギター 出力:アンプ A、アンプ B |
1/MONO IN 2/STEREO IN | 1/MONO OUT 2/STEREO OUT | 入力:ステレオ出力のエフェクター 出力:ステレオ入力のエフェクター |
電源
電源は、DC9V、400mA、センターマイナス、2.1 x 5.5 mm バレルコネクタに対応しています。BOSSのアダプターと同じ形状で、流用が可能です。
パワーサプライを使用する場合は、アイソレートされたものを使用することを推奨します。ノイズが乗ってしまう場合があり、性能を発揮できないからです。また、出力電流にも気を付けましょう。300mAまでしか共有できないものも多く存在しています。400mA を超える供給能力があるものを選びましょう。これは、供給能力のうち「エフェクターが欲する400mAまでを使うよ」ということです。そのため、極論500mAでも、1000mAでも、最低400mAを供給できれば問題はありません。
なお、電源が投入されていない場合は、音が切断されることなく、トゥルーバイバス(入力された音をそのまま通過)させるようになります。
USB端子
USB端子は、TYPE-Cの形状です。後述のUAFX専用アプリケーションの「UAFX Control」を使用する際に使うことになります。このUSB TYPE-Cケーブルは、別売りです。
ノブ
Golden には、以下のノブが備わっています。各エフェクトでの詳細な役割は、後述の「使い方」の欄で説明します。
名称 | 説明 |
DECAY | 減衰する時間(残響時間)を設定します。 使用するエフェクトによって、役割が変わるものもあります。 |
PREDELAY | 原音が入力されてから、残響音が鳴り始めるまでの時間を設定します。 使用するエフェクトによって、役割が変わるものもあります。 |
MIX | 原音と残響音のバランスを設定します。 左に回すほど原音の割合が大きくなり、右に回すほど残響音の割合が大きくなります。 |
BASS | 低域成分や減衰時間を設定します。 ノブを左に回すほぼ低域成分が減少し、右に回すと増加します。 使用するエフェクトによって、役割が変わります。 |
TREBLE | 高域成分や減衰時間を設定します。 ノブを左に回すほど高域成分が減少し、右に回すと増加します。 使用するエフェクトによって、役割が変わります。 |
MOD | 選択したエフェクト対してのモジュレーションの欠け具合を設定します。 使用するエフェクトによって、役割が変わります。 |
ミニトグルスイッチ
左から「EFFECT TYPE」「STORE」「EFFECT MODE」の3種類があります。
「EFFECT TYPE」と「EFFECT MODE」を組み合わせることで、様々なエフェクトを使用することができます。詳細は、後述の「使い方」の欄で説明します。なお、後述の「プリセットモード」で「EFFECT TYPE」「EFFFECT MODE」を変更すると、変更後のエフェクトにUniversal Audioが設定しているおすすめのデフォルト値に変わります。
また、STOREを用いた設定の保存は、以下の手順で実施できます。
- 「各ノブ」および「EFFECT TYPE」「EFFECT MODE」により保存したい音色を作る
- 後述の「PRESET スイッチ」の上にあるLEDが緑色点滅するまで、STOREボタンを押し続ける
フットスイッチ
エフェクトのON/OFFを制御する「ONスイッチ(左側のフットスイッチ)」と保存した設定を呼び出す「PRESETスイッチ(右側のフットスイッチ)」があります。
モード | フットスイッチの操作 | 動作 |
ライブ | 「ON スイッチ」を押下 ・LED:赤色点灯 ⇒ エフェクト:ON ・LED:無灯 ⇒ エフェクト:OFF | エフェクト:ONでは、現在のノブの設定でエフェクトがかかる |
プリセット | 「PRESET スイッチ」を押下 ・LED:緑色点灯 ⇒ エフェクト:ON ・LED:無灯 ⇒ エフェクト:OFF | エフェクト:ONでは、あらかじめ保存している設定でエフェクトがかかる |
なお、プリセットモードで各種ノブ、スイッチを変更すると、現在のノブの設定でエフェクトがかかります。これは、ライブモードと同様の動作です。
また、エフェクトのオン / オフに限らず、Dry音(入力端子から入ってきた音)は、味付けや加工がされずそのまま出力されます。ただし、エフェクトOFFの際に、バッファードバイパスにすることも可能です。(後述のUAFX Controlを参照)
使い方
このエフェクターは、エフェクト毎に各ノブの役割が変わってきます。
そこで、各エフェクトに対し、「どのような役割が各ノブに割り当てられているか?」という部分についても、記載していきます。
Spring 65
「Spring 65」は、60年代のフェンダーアンプに搭載されていた真空管を利用したスプリングリバーブを忠実に再現しています。
扱えるスプリングリバーブは3種あり、「EFFECT MODE」のミニトグルスイッチで切り替えます。
EFFECT MODE | 音色 |
A(Bright Dlx) | 高音域が目立ち、明るい印象のスプリングリバーブ。 |
B(Smooth Show) | 温かさとスムーズさを含むスプリングリバーブ。 |
C(Ambient Dlx) | 長い残響音で包み込むような印象を受けるスプリングリバーブ。 |
各ノブの役割は、以下を参照してください。
ノブ | 役割 |
DECAY | [Shorter/Stock/Longer]3種のスプリングリバーブのユニットから1つを選択できます。
残響時間は、ユニット毎に固定となっています。 |
PREDELAY | [Predelay]エフェクト音(残響音)が鳴るまでの時間を設定します。 設定可能な時間は、0〜250ミリ秒です。 |
MIX | [Reverb Level]原音とエフェクト音(残響音)のバランスを設定します。 右に回し切ると原音がなくなり、残響音のみになります。 |
BASS | [Bass Shelf]エフェクト音(残響音)に対するローシェルビングフィルターです。 カットオフ周波数 :200 Hzで、±10 dB ゲインになります。 12時の位置がデフォルトのサウンドです。 |
TREBLE | [Treble Shelf]エフェクト音(残響音)に対するハイシェルビングフィルターです。 カットオフ周波数 :5 kHzで、±10 dB ゲインになります。 12時の位置がデフォルトのサウンドです。 |
MOD | [Wow & Flutter]残響音に加えていくモジュレーション(ワウフラッター)の量を設定します。 12時より左に回すと、コーラスのようなテープワウが加わります。 12時より右に回すと、テープフラッターが強調され、サウンドはよりランダムなものになります。 |
Plate 140
「Plate 140」は、ドイツのElektro Mess Technik社から1957年に発売されたスタジオ・プレートリバーブ「EMT-140」を忠実に再現しています。カリフォルニア州サウサリートのレコーディングスタジオ “The Plant”で実際に使われていたプレートリバーブです。
扱えるプレートリバーブは3種あり、「EFFECT MODE」のミニトグルスイッチで切り替えます。
EFFECT MODE | 音色 |
A(プレートA) | 明るい印象のプレートリバーブ。 残響時間が短めの古いプレートです。 |
B(プレートB) | 落ち着きがある印象のプレートリバーブ。 残響時間がやや長めの古いプレートです。 |
C(プレートC) | 自然な響きの印象を受けるプレートリバーブ。 残響時間が長めの新しいプレートです。 |
各ノブの役割は、以下を参照してください。
ノブ | 役割 |
DECAY | [Reverb Time]残響音の残響している時間を設定します。 設定可能な時間は、0.5〜5.0秒です。 |
PREDELAY | [Predelay]エフェクト音(残響音)が鳴るまでの時間を設定します。 設定可能な時間は、0〜250ミリ秒です。 |
MIX | [Reverb Level]原音とエフェクト音(残響音)のバランスを設定します。 右に回し切ると原音がなくなり、残響音のみになります。 |
BASS | [Bass Shelf]エフェクト音(残響音)に対するローシェルビングフィルターです。 カットオフ周波数 :150 Hzで、±12 dB ゲインになります。 12時の位置がデフォルトのサウンドです。 |
TREBLE | [Treble Shelf]エフェクト音(残響音)に対するハイシェルビングフィルターです。 カットオフ周波数 :5 kHzで、±12 dB ゲインになります。 12時の位置がデフォルトのサウンドです。 |
MOD | [Mod Depth & Speed]残響音に加えていくモジュレーションの質(Depth・Speed)を設定します。 これにより、音に厚みを変化させることができます。 |
Hall 224
「Hall 224」は、Lexicon の「224」を再現しています。
扱えるスプリングリバーブは3種あり、「EFFECT MODE」のミニトグルスイッチで切り替えます。
EFFECT MODE | 音色 |
A(ルームA) | 初期密度は中~高程度、色付けは低~中程度空間を再現しています。 |
B(スモールホールA) | 初期密度は中程度の空間を再現し、適度に不均一な残響です。 |
C(ラージホールB) | 初期密度は低の空間を再現し、色付けは少なめです。 |
各ノブの役割は、以下を参照してください。
ノブ | 役割 |
DECAY | [Mid Decay]リバーブの基本的な遅延時間を設定します。 「Bass」「Treble」の設定は、このコントロールに依存します。 |
PREDELAY | [Predelay]エフェクト音(残響音)が鳴るまでの時間を設定します。 設定可能な時間は、使用する「EFFECT MODE」によって異なります。
|
MIX | [Reverb Level]原音とエフェクト音(残響音)のバランスを設定します。 右に回し切ると原音がなくなり、残響音のみになります。 |
BASS | [Bass Decay]540 Hz 以下の低域の残響時間を設定します。 設定できる時間は、0.6秒〜70秒です。 |
TREBLE | [Treble Decay]残響時間が短くするための周波数を設定します。 この周波数よりも高い周波数帯を対象に残響時間が短くなります。 高周波数域の調整なので、値を小さくすれば暗い印象の、大きくすれば明るい印象で長めの残響音になります。 設定できる周波数域は、100 Hz〜 10.9 kHz です。 |
MOD | [Mod Shift]残響音に加えていくモジュレーションの質(Depth・Speed)を設定します。 これにより、音に厚みを変化させることができます。 |
Chamber & Plate 224
また、製品登録をすることで、追加できるエフェクトです。なお、このエフェクトは裏メニューのようなもので、筐体に印字されていません。「EFFECT TYPE」のスイッチを切り替え、「Spring 65」のLEDが緑色点灯すれば、このエフェクトが有効の状態になっています。
扱えるリバーブは3種(Chamber:1種類、Plate:2種類)あり、「EFFECT MODE」のミニトグルスイッチで切り替えます。
EFFECT MODE | 音色 |
A(Percussion Plate A) | ⾼い初期密度と⾊付けが特徴のプレートリバーブです。 パーカッシブなサウンド向けです。 |
B(Constant Density Plate A) | 高い初期密度と色付けが特徴のプレートリバーブです。 時間経過による密度の変化はなく、一定になります。 |
C(Acoustic Chamber) | 初期密度の低い特徴のチャンバーリバーブです。 残響時間が短いほど良いサウンドになる傾向があります。 |
各ノブの役割は、以下を参照してください。基本的には、前述の「Hall 224」と同じです。
ノブ | 役割 |
DECAY | [Mid Decay]リバーブの基本的な遅延時間を設定します。 「Bass」「Treble」の設定は、このコントロールに依存します。 |
PREDELAY | [Predelay]エフェクト音(残響音)が鳴るまでの時間を設定します。 設定可能な時間は、使用する「EFFECT MODE」によって異なります。
|
MIX | [Reverb Level]原音とエフェクト音(残響音)のバランスを設定します。 右に回し切ると原音がなくなり、残響音のみになります。 |
BASS | [Bass Decay]540 Hz 以下の低域の残響時間を設定します。 設定できる時間は、0.6秒〜70秒です。 |
TREBLE | [Treble Decay]残響時間が短くするための周波数を設定します。 この周波数よりも高い周波数帯を対象に残響時間が短くなります。 高周波数域の調整なので、値を小さくすれば暗い印象の、大きくすれば明るい印象で長めの残響音になります。 設定できる周波数域は、100 Hz〜 10.9 kHz です。 |
MOD | [Mod Shift]残響音に加えていくモジュレーションの質(Depth・Speed)を設定します。 これにより、音に厚みを変化させることができます。 |
UAFX Control
以下から入手するUAFXの専用ツール:UAFX Control では、ペダルの製品登録とファームウェアのアップデートを行うことができます。
製品登録の手順は以下を参考にして下さい。
- PCにアプリをインストールし、起動する
- uaudio.comのアカウントでログインする(アカウントがない場合は、新規で作成してください。)
- エフェクターに電源(電源アダプターなど)を接続する
- USB TYPE-Cケーブルで、PCとエフェクターを接続する
- 認識したエフェクターの「REGISTER PEDAL」ボタンを押下する
ファームウェアアップデートの手順は、上記の製品登録手順の手順5で、「UPDATE」を押下して下さい。
また、モバイル版(iOS版/Android版)もあります。
モバイル版では、「フットスイッチの役割の変更」「プリセットの管理」「エフェクトの調整」が可能です。
まとめ
今回は、UAFX の エフェクターペダルの中でリバーブに位置付けられている Golden Reverberator について、紹介しました。
他の追随を許さない、奥行きが素晴らしいビンテージのリバーブエフェクターの音を使うことができます。リバーブエフェクターについては、これ以上のものはない最高峰と言い切れるものでしょう。エフェクターを通しているのに、不自然なほど自然に聴こえます。その感覚は感動すら覚えると思います。
機会があれば、ぜひ試奏してみて下さい。
参考動画
参考URL
UAFXシリーズ全般に関わる内容は、以下を参照ください。
その他のUAFXシリーズの使い方は、以下を参照ください。
【おすすめのディレイ】UAFX PEDAL:Starlight Echo Station の使い方