自身の演奏を客観的に確認するのは、上達する上で非常に重要な要素だと思います。
今回は、音源:TD-50Xで練習する際に役立つ「PCと連携する録音・再生関連機能」について触れていこうと思います。
PCとの連携のための環境構築
パソコンと接続すると、「DAW へのマルチ・トラックでオーディオ録音」「MIDIによる録音」を行うことができます。
また、パソコンで再生したオーディオをTD-50X で鳴らすこともできます。
しかし、PCと連携する機能を全て利用するには、PCへのUSBドライバーのインストール、およびTD-50Xでの各種設定が必要になります。
以下に、その設定手順を記載します。以下の2つを実施してください。
ドライバーモードの設定
まず、TD-50Xのドライバーモードを設定行います。
- 「SETUP」ボタンを押下する。
- SETUP MENU 画面が表示されます。
- SETUP MENU 1 画面が表示されていない場合は、PAGE「UP」ボタンを数回押下してください。
- SETUP MENU 画面が表示されます。
- 「F2」ボタン(USB AUDIO)を押下する。
- USB AUDIO SETUP 画面が表示されます。
- USB AUDIO SETUP 画面が表示されます。
- 「Driver Mode」にカーソルを合わせ、設定値を「VENDOR」に変更する。
「Driver Mode」における設定値の違いは、以下です。
設定値 | 説明 |
GENERIC | OS 標準のドライバーを使用します。 MIDI データのやりとりのみに限定されます。 |
VENDOR | ローランドが提供しているTD-50X 専用のドライバーを使用します。 MIDI と オーディオデータのやりとりができます。 |
ドライバーモードの設定
次に、PCにUSBドライバーをインストールします。
- https://www.roland.com/jp/support/ から、TD-50X のドライバーのインストーラー(zipファイル)を取得する。
- 取得したインストーラーを解凍し、「Setup」をダブルクリックする。
- ユーザーアカウント制御に関するダイアログが表示された場合は、「はい」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御に関するダイアログが表示された場合は、「はい」をクリックします。
- 「この操作を正しく終了しました。」と表示されたら、「OK」をクリックする。
- TD-50X をコンピューターと USB ケーブルで接続する。
- 自動的にドライバのインストールが行われます。
- 通常1分以内にインストールが完了します。
- 自動的にドライバのインストールが行われます。
なお、Windowsの場合は、インストールされていれば [Windowsボタン] > [Roland フォルダー] の中に「TD-50X」があるはずです。
もし、何らかの理由でアンインストールしたい場合は、以下を実行して下さい。
- インストーラーのフォルダーにある「Uninstall」をダブルクリックする。
- ユーザーアカウント制御に関するダイアログが表示された場合は、「はい」をクリックします。
- ユーザーアカウント制御に関するダイアログが表示された場合は、「はい」をクリックします。
- 「インストールされている TD-50X Driver をアンインストールします。」と表示されたら、「OK」をクリックする。
- 「アンインストールを完了しました。」と表示されたら、「OK」をクリックする。
環境構築後の各種設定
前述の環境構築を含め、USB AUDIO に関する設定は、基本的にSETUP の中にあります。
USB AUDIOの設定画面は、以下の手順で表示してください。
- 「SETUP」ボタンを押下する。
- SETUP MENU 画面が表示されます。
- SETUP MENU 1 画面が表示されていない場合は、PAGE「UP」ボタンを数回押下してください。
- SETUP MENU 画面が表示されます。
- 「F2」ボタン(USB AUDIO)を押下する。
- USB AUDIO SETUP 画面が表示されます。
なお、USB AUDIO SETUP 画面では、以下の設定を行うことができます。
パラメーター | 設定値 | 説明 |
Driver Mode | GENERIC VENDOR | TD-50X 専用のUSBドライバーと、OS 標準のドライバーを切り替えます。 設定変更後にパソコンとUSB 接続すると、有効になります。 すでにパソコンとUSB 接続している場合は、いったんUSB ケーブルを抜いて接続し直してください。 詳細は、本ページの環境構築を参照してください。 |
Input Gain | -36~+12dB | 入力レベルの調節します。 Input MAIN、SUB で共通の設定になります。 |
[Volume Select] > [Input MAIN]、 [Imput SUB] | OFF SONG CLICK | USB AUDIO(Input MAIN、SUB)の入力音量を調節するノブを設定します。 OFF: SONG: CLICK: |
Output Gain | -24~+24dB | 出力レベルの調節します。 USB COMPUTER 端子から出力される「全てのUSB AUDIO の出力」で共通の設定です。 |
Audio Routing | NORMAL、 PAD DIRECT IN、 LOOPBACK | USB AUDIO の入出力経路を設定します。詳細は、後述します。 NORMAL: PAD DIRECT IN: LOOPBACK: |
また、USB AUDIO SETUP 画面では、「F3」ボタン(ROUTING)を押すことでルーティングを、「F4」ボタン(MONITOR)を押すことでレベルメーターを表示することができます。
以下では、上記の設定内容に補足があるものを記載まとめます。
USB AUDIO の出力先について
USB 端子から出力される、USB AUDIOデータの出力先についての補足です。
USB AUDIOの出力音は、マルチ・トラック(32ch)でパソコン上のDAW に録音することができます。
なお、USB AUDIOの出力は、「LO CUT」と「ATT」の効果は適用されていないものになります。
USB AUDIO において設定できる出力先は、以下になります。
ch | 出力先 | ch | 出力先 |
Ch1-2 | MASTER | Ch13-14 | SNARE |
Ch3 | DIRECT 1 | Ch15-16 | TOM1 |
Ch4 | DIRECT 2 | Ch17-18 | TOM2 |
Ch5 | DIRECT 3 | Ch19-20 | TOM3 |
Ch6 | DIRECT 4 | Ch21-22 | TOM4 |
Ch7 | DIRECT 5 | Ch23-24 | HI-HAT |
Ch8 | DIRECT 6 | Ch25-26 | CRASH1 |
Ch9 | DIRECT 7 | Ch27-28 | CRASH2 |
Ch10 | DIRECT 8 | Ch29-30 | RIDE |
Ch11-12 | KICK | Ch31-32 | AUX 1/2/3/4 |
なお、WindowsOSの場合は、各パッドの出力は ASIO のみ対応しているようです。
また、実際に出力先を設定する方法については、別記事でまとめます。
USB AUDIO の入力先について
USB 端子に入力される USB AUDIOの入力先についての補足です。
パソコンで再生したオーディオを、TD-50Xで鳴らすことができます。
USB AUDIO において設定できる入力先は、以下になります。
ch | 入力先 | ch | 入力先 |
Ch1-2 | MAIN | Ch17-18 | HI-HAT |
Ch3-4 | SUB | Ch19-20 | CRASH1 |
Ch5-6 | KICK | Ch21-22 | CRASH2 |
Ch7-8 | SNARE | Ch23-24 | RIDE |
Ch9-10 | TOM1 | Ch25-26 | AUX1 |
Ch11-12 | TOM2 | Ch27-28 | AUX2 |
Ch13-14 | TOM3 | Ch29-30 | AUX3 |
Ch15-16 | TOM4 | Ch31-32 | AUX4 |
なお、WindowsOSの場合は、各パッドの入力は ASIO のみ対応しているようです。
USB AUDIO の入出力経路(Audio Routing)について
PCからTD-50Xのパッドの入力に直接音を入れたり、TD-50Xからパソコンに送る音を制限したりすることができます。
これを行うのが、USB AUDIO SETUP 画面にある「Audio Routing」の設定です。
ただし、この設定は、Driver Mode:VENDOR の場合に有効になる仕様です。
以下にそれぞれの設定における動作をまとめます。
設定内容 | 動作 |
NORMAL | TD-50X ⇒ PC: MASTER OUT、DIRECT OUT 1 ~ 8、各パッドのダイレクト出力 PC ⇒ TD-50X:MAIN、SUB |
PAD DIRECT IN | TD-50X ⇒ PC: TD-50X からのUSB オーディオの出力はすべてミュート(消音) PC ⇒ TD-50X:MAIN、SUB、各パッドへの直接の入力 |
LOOPBACK | ※設定によっては意図せず発振による大音量が鳴る場合があるため、注意が必要です。 TD-50X ⇒ PC: MASTER OUT、DIRECT OUT 1 ~ 8、各パッドのダイレクト出力 PC ⇒ TD-50X:MAIN、SUB、各パッドへの直接の入力 |
以下では、マトリクスでまとめてみます。
ーー | NORMAL | PAD DIRECT IN | LOOPBACK |
TD-50X → PC | |||
MASTER OUT | ○ | ミュート | ○ |
DIRECT OUT | ○ | ミュート | |
各パッドのダイレクト出力 | ○ | ミュート | ○ |
PC → TD-50X | |||
INPUT MAIN/SUB | ○ | ○ | ○ |
PAD DIRECT IN | ミュート | ○ | ○ |
商品情報
TD-50Xの音源を採用されている中、最もコスパが良いと考えている機種です。
まとめ
今回は、音源:TD-50Xに搭載されている「PCと連携する録音・再生関連機能」について触れてみました。
ドラムの練習する時だけでなく、DAWでの録音する場合などにも役立つ内容です。
ROLANDの音源モジュールであれば、操作感は似ていると思うので、参考にしてみて下さい。