【参考情報】メーカーのコア技術~シャープ~

数多くする家電製品には、各メーカーのコアとなる技術が踏襲されています。

今回は、冬にも需要が高くなる加湿空気清浄機の代表的な国内メーカー:シャープの「コア技術」についてまとめてみます。

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シャープのコア技術

シャープの特性とも言えるコア技術は、「プラズマクラスター」です。

「プラズマクラスター」って何?

「プラズマクラスター」は、シャープ独自の技術(プラズマクラスター技術)により生成される「水素のプラスイオン(H+)」と「酸素のマイナスイオン(O2-)」のことです。2021年時点では、イオン濃度(個/cm3)の値に応じて「7000」「25000」「NEXT(50000)」の3種類があります。

【自然の力を応用した作用抑制メカニズム】

発生したプラズマクラスターイオンは空気中では、「水素のプラスイオン(H+)」と「酸素のマイナスイオン(O2-)」のまま浮遊します。浮遊時に菌などの表面に付着すると、プラスイオン(H+)とマイナスイオン(O2-)が結合し、「OHラジカル」を生成する仕組みです。

「OHラジカル」は、主にたんぱく質で構成されているカビ菌や菌などの表面から水素原子(H)を素早く奪い取ります。もう少し砕いた言い方をすると、「表面のタンパク質を分解」します。これにより、分子の構成を変えてしまい作用を抑制させることができます。この性質は、ニオイの原因となる菌にも作用するため、イヤなニオイ成分を分解・除去にも役立ちます。なお、「OHラジカル」は奪い取った水素原子(H)と結合し、水(H2O)となります。

また、プラズマクラスターの特徴として、「+」と「ー」の電気の性質をもちます。そのため、静電気などの帯電を除去できます。これにより、花粉や微小な粒子が壁などへ付着することも抑制します。

【安全性の確認】

シャープの場合は、顧客の「安心・安全」のために「実証」にこだわり、その内容はHP上でも公表しています。

GLP(優良試験所基準)に適合した試験施設で信頼性の高い安全性のデータを取得し、製品とは桁違いのイオン濃度下において人体(皮膚、眼、遺伝子、身体・器官、母体・胎児及び雌雄2世代繁殖)に対して影響がないことを確認しています。以下は、(株)LSIメディエンスによる試験結果のようです。こういった濃度を表明しているのは、シャープだけのようです。

目的試験名称(略称)イオン濃度設定
皮膚への影響確認急性皮膚刺激性/腐食性試験約1,000,000個/cm3
眼への影響確認急性眼刺激性/腐食性試験約13,000,000個/cm3
吸入による遺伝子への影響確認吸入毒性試験(肺組織の遺伝子影響評価)約7,000,000個/cm3
吸入による身体・器官への影響確認吸入毒性試験約7,000,000個/cm3
吸入による母体・胎児への影響確認吸入毒性試験約7,000,000個/cm3
吸入による雄雌2世代繁殖への影響確認吸入毒性試験約7,000,000個/cm3

なお、GLPとは、化学物質等の安全性評価試験の信頼性を確保するために、試験施設および試験操作の手順書などについて定められた基準です。

多くの試験機関で効果を実証

日本国内だけでなく、アメリカ・ドイツ・イギリス・中国など海外の試験機関で、効果の実証を行なっています。各専門分野のスペシャリストによる第三者機関での実証を重ね、商品の効果の信頼性向上に努めているようです。

実際の試験機関は、こちらを参照ください。

「プラズマクラスター」の作られ方

基本となる生成方法は、以下の手順です。

  1. 水分子(H2O)に対してプラスの電極に電圧をかけ、水素イオン(H+)を生成する
  2. 酸素分子(O2)に対してマイナスの電極に電圧をかけ、酸素イオン(O2-)を生成する

この手順により、自然界にあるのと同じ+(プラス)と-(マイナス)のイオンをプラズマ放電により作り出します。

最終的には、水素イオンと酸素イオンの周りに水分子が集まり、放出されます。

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「プラズマクラスター」の公表している効果

空気浄化やその他の効果については、以下のようになっています。ただし機種によって、対応/非対応もあるので、注意が必要です。

大項目小項目700025000NEXT
空気浄化(浮遊)カビ菌
ウイルス
アレル物質(ダニ)
アレル物質(花粉)
空気浄化(付着)カビ菌
ウイルス
ニオイ原因菌
アレル物質(花粉)
菌(ペット)
消臭タバコの付着臭
汗臭
生乾き臭
排泄物臭
除電静電気
フェイスケアお肌
ストレス
集中力

基本的には、7000からNEXTになるに従って「消臭スピードが速くなる」「効果が及ぶ範囲が広くなる」という傾向があります。

また、いくつか留意点があります。

  • 「付着カビ菌」は、増殖を抑える効果であり、除去する効果ではありません。
  • 「ニオイ原因菌」は、除菌の効果になります。
  • 「タバコの付着臭」「排泄物臭」は、「種類」「強さ」「対象物の素材」などの要因で効果が異なります。
  • 「汗臭」「生乾き臭」は、吹き出し風が当たらない箇所のニオイ・菌には効果が得られないようです。
  • 「ストレス」は、被験者(大人20名、小学校高学年19名)を対象に、脳波測定によるストレス度合いを分析した結果からのものです。標本調査のために個人差があります。ストレスの予防・治療に役立つものではありません。
  • 「集中力」は、被験者(大人20名、小学校高学年19名)を対象に、計算問題(クレペリン検査)を実施した時の脳波測定によるストレス度合いを分析した結果からのものです。標本調査のために個人差があります。

「プラズマクラスター」の導入事例

「プラズマクラスター」は自社製品はもちろんのこと、様々な企業・事業に採用されています。

事業・業界企業
移動空間、交通機関トヨタ自動車、日産自動車、本田技研工業、三菱自動車工業、ダイハツ工業、デンソー、
いすゞ自動車 他
オフィス空間フジテック、清水建設 他
住空間、施設機器、
美容機器
LIXIL、ミサワホーム、リンナイ、東邦ガス、大阪ガス、ダイガス、西部ガス 他

また、プラズマイオン発生器の導入事例は、こちらをご確認ください。

まとめ

今回は、空気清浄機の国内メーカー:シャープの「コア技術」についてまとめてみました。

新規購入や買い替え時のヒントにしていただければ、嬉しいです。

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