3DCGソフトの中でもフリーソフトで高機能なBlender。
今回は、そんなBlenderでメインで使用するであろう画面:3Dビューポートにおける「編集モードの基本操作」について記載していきます。なお、本記事では編集モードの中でも、「モデリングツール」に絞って記載していきます。
ちなみに、3Dビューポートとは、以下の茶色で囲まれた部分になります。
基本操作
以下では、3Dビューポートにおける「モデリングツール」について説明していきます。なお、説明はV2.92時点のものです。
モデリングツールは、3Dビューポート左側に表示されるツールバーの中に存在しています。下図の5段目以下のものが該当します。もしツールバーが表示されていない場合は、「T」を押してみて下さい。ツールバーが表示されます。左下に▲があるものは、長押しすることでサブメニューが表示され、さらに細かい操作を選べます。
押し出し
「押し出し」は、指定した頂点、辺、面を押し出すことができるツールです。5つの種類の押し出しがあります。
基本的には、「+」マークをドラッグで動かすことで特定の軸上で「頂点」「辺」「面」のいずれかを押し出す(引っ込ます)ことが可能です。「+」は、「頂点」「辺」「面」のいずれかを選択することで表示されます。
その他には、ドラッグ中に「X」「Y」「Z」のいずれかを押すことで、押した軸に限定させた押し出しが可能になります。なお、「X」「Y」「Z」は2回押すと軸固定を解除でき、3回押すと軸にとらわれない自由な方向への押し出しが可能になります。「自由な方向への押し出し」は、表示されるサークルの中で「+」ではない箇所をドラッグすることでも実施可能です。
また、表示される「+」は通常は1つです。しかし、「N」を押すことで表示される「サイドバー」の[ツール] > [アクティブツール] > [Axis Type]を「ノーマル」から「XYZ」にすることで、3つの軸(XYZ軸)で表示されるようになります。これは、画面上部にある以下の箇所でも切り替えが可能です。
以下では、実際に使用した時の変化を記載しています。
面を差し込む
「面を差し込む」は、面の内側に新しく面を作成するツールです。
1つの面だけでなく、複数の面を選択した時でも有効です。隣接する面では、1枚の平面として考えられて追加される面も1つです。個別の場合は、それぞれの面に対して面が差し込まれます。
ベベル
「ベベル」は、頂点、辺、面の端を切り落としたり、丸みを付けたりするツールです。
「セグメント」の値を増やすと、丸みを付けられます。また、シェイプの値を小さくすると凹むようになり、大きくすると出っ張るようになります。この設定は、ベベルを行った直後左下に表示されるパネルから行う方法と、「サイドバー」の[ツール] > [アクティブツール] > [Bevel]で行う方法があります。
ループカット
「ループカット」は、オブジェクトにマウスを合わせた時に表示される黄色いラインで分割するツールです。2種類のループカットがあります。
基本的には、面の中央のライン(辺の垂直二等分線のライン)で2分割されます。「サイドバー」の[ツール] > [アクティブツール] > [Loop Cut]の分割数の設定により、等分割する数を設定することもできます。ループカットを行った直後左下に表示されるパネルから行う方法もあります。
パネルからでは、「スムーズ」により分割するラインを凹ませたり、出っ張らせたりすることもできます。また、「係数」により分割するラインの場所をどちらかの端に寄らせることも可能です。
なお、「オフセット辺ループカット」の方は、選択した辺の両側に分割するラインをいれることができるものです。
ナイフ
「ナイフ」は、指定したラインで線を入れることができるツールです。2種類のスピンがあります。
基本的には、始点と終点をマウスで指定して、「Enter」を押すことで引いたラインを決定します。キャンセル操作は「右クリック」もしくは「Esc」を押下することでできますが、「一つ戻る」ではなく、「未決定のラインをキャンセル」になります。そのため、始点からEnterを押すまでに指定していた全ての点がキャンセルされます。
線を引く際に「Ctrl」を押下した状態で辺をの上をマウスカーソルが通過すると、自動的に通過した辺の中点に点が置かれます。
「二等分」の方は、選択した面をカットします。分割したいところを選択し、ドラッグすることラインを引くことができます。引かれたラインは、再びドラッグすることで位置と角度の調整を行うことが可能です。
ポリビルド
ポリビルドは、頂点、辺、面をドラッグすることで生成したり、クリックすることで削除することができるツールです。
例えば、辺にカーソルを合わすと青色になります。その状態でドラッグするとその辺を基準として、四角形ができます。また、Ctrlを押しながらドラッグすると、作成できるのは三角形になります。点に対して行う場合は、ドラッグする点を動かすことができます。新規で何かが作られるわけではありません。Ctrlを押下しながらのドラッグだと、一定の角度(おそらく45度ずつ)で動かすことができます。Shiftを押しながらクリックした場合は、対象の点、辺、面が、削除されます。この時の対象の点、辺、面の色は赤になっています。
スピン
「スピン」は、3Dカーソルを中心に回転させるようにメッシュを押し出すことができるツールです。2種類あります。
「スピン」は、ラインをドラッグすることで、X軸、Y軸、Z軸の3つの方向に回転させて押し出すことが可能です。「+」マークを押した際は、押した「+」マークの方向に1回転させるようにメッシュが複製されます。
「サイドバー」の[ツール] > [アクティブツール] > [Spin]では、「ステップ」、「座標軸」の設定が可能です。「ステップ数」では押し出す面の数、「座標軸」はメインの回転軸(「+」マークが記載される軸)を設定できます。
また、「スピン」の他にも、「スピン複製」があります。「スピン複製」の場合は、押し出した面の側面を加えるかどうか?の違いが出てきます。下図を参照してください。
スムーズ
「スムーズ」は、メッシュを滑らかな表面にします。2種類のスムーズがあります。
「スムーズ」では、一定の規則性の下、表面を滑らかにします。設定できる値は、「スムージング」と「リピート」です。前者はスムーズを行った直後左下に表示されるパネルからのみ行え、後者は前述のパネルから行う方法と、「サイドバー」の[ツール] > [アクティブツール] > [Smooth]で行う方法があります。
「スムージング」は「影響度合い」、「リピート」は「影響範囲」を調整するための値です。
「ランダム化」については、滑らかというよりは、ごつごつを表現するようなものです。ランダムに凹凸ができますので、岩肌などをイメージすると良いと思います。
辺をスライド
「辺をスライド」は、選択した辺・面を隣接する辺に沿ってスライドさせます。頂点を選択している際は、機能しません。「頂点スライド」も沿うものが頂点になっただけです。選択した頂点・辺・面に存在する頂点が、頂点から延びる辺に沿ってスライドさせます。頂点は1つ、辺は2つ、面は角の数だけの頂点が各々に移動するため、選択したものが辺・面の場合は形が変わる場合もあります。
収縮/膨張
「収縮/膨張」は、メッシュの縮小/拡大に関するツールで、2種類あります。
「収縮/膨張」では、選択したメッシュを法線方向に縮小/拡大します。「押す/引く」については、頂点、辺、面を選択してドラッグすると、選択しているメッシュの中心を基準として拡大/縮小することができます。
せん断
せん断は既存のメッシュをゆがますツールで、2種類あります。
「せん断」は、正方形を平行四辺形にするイメージです。表示されるバーをドラッグすることで、選択したメッシュに傾きをつけることができます。
「球状に変形」は、風船のように膨らますイメージです。メッシュを選択してドラッグすることで、球体に近づけることが可能です。
領域リップ
「領域リップ」は、頂点・辺を移動するツールです。面に対しては、対応していません。2種類のリップがあります。
「領域リップ」は、包装紙を破いたり、ふたを開けるようなイメージが良いと思います。「辺リップ」は、頂点・辺を引っ張りだすイメージです。
頂点 | 辺 | |
領域リップ | ||
辺リップ |
まとめ
今回は、3Dビューポートにおける「編集モードの基本操作」の中で、「モデリングツール」に絞って記載しました。
モデリングをする上では、これらを駆使して制作していくことなります。上記の内容を理解し、実際に操作することから始めてみましょう。