Blenderでは、色鉛筆のような感覚で使える「グリースペンシル」という機能があります。
その「グリースペンシル」においても、自動でエフェクト処理される「モディファイアー」が使用できます。
今回は、そんな「グリースペンシル」の「モディファイアー」の「生成」に属するもののうち、ラインアートを除く内容について記載していきます。なお、本内容は、V3.0.0時点のリリース物件に沿った内容となっています。
カテゴリー:生成
ここでは、「生成」のカテゴリーに属するモディファイアーのうちラインアートを除くものについて紹介します。
配列
ベースとなるオブジェクトのコピーの並びを作成します。オブジェクトを複雑に繰り返して配置する時に便利です。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
数 | コピーするアイテム数です。 |
マテリアルオーバーライド | 生成されたストロークで使用するマテリアルのインデックスです。 「0」に設定すると、元のマテリアルを維持します。 |
オフセット(倍率) | 「オフセット(倍率)」の有効/無効を設定します。 |
オフセット(倍率) > 係数 X | X軸に沿ったオブジェクトのバウンディングボックスのサイズに倍率を掛けたものに等しい平行移動をオフセットに追加します。 |
オフセット(倍率) > 係数 Y | Y軸に沿ったオブジェクトのバウンディングボックスのサイズに倍率を掛けたものに等しい平行移動をオフセットに追加します。 |
オフセット(倍率) > 係数 Z | Z軸に沿ったオブジェクトのバウンディングボックスのサイズに倍率を掛けたものに等しい平行移動をオフセットに追加します。 |
一定のオフセット | 「一定のオフセット」の有効/無効を設定します。 |
一定のオフセット > 係数 X | 複製されるオブジェクトのオフセット(X軸)に、一定の平行移動コンポーネントを追加します。 |
一定のオフセット > 係数 Y | 複製されるオブジェクトのオフセット(Y軸)に、一定の平行移動コンポーネントを追加します。 |
一定のオフセット > 係数 Z | 複製されるオブジェクトのオフセット(Z軸)に、一定の平行移動コンポーネントを追加します。 |
オフセット(OBJ) | 「オブジェクトのオフセット」の有効/無効を設定します。 |
オフセット(OBJ) > オフセット(OBJ) | 配列のオブジェクト間の距離と回転を決定するために、オブジェクト(現在のオブジェクトに対して)から取得した変換をオフセットに追加します。 |
ランダム化 > オフセット X | 配列のオフセット値(X軸)にランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > オフセット Y | 配列のオフセット値(Y軸)にランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > オフセット Z | 配列のオフセット値(Z軸)にランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > 回転 X | 配列の回転量(X軸)にランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > 回転 Y | 配列の回転量(Y軸)にランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > 回転 Z | 配列の回転量(Z軸)にランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > スケール X | 配列のスケール量(X軸)にランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > スケール Y | 配列のスケール量(Y軸)にランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > スケール Z | 配列のスケール量(Z軸)にランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > 均一スケール | 各軸に対する配列のスケール量を同じ値のランダム要素を加えます。 |
ランダム化 > シード | 疑似乱数の生成に使用されるシードの値です。 |
疑似乱数ジェネレーターは、再現性のある効果や安定した効果を得るための重要な機能です。同じ初期条件が与えられると、常にまったく同じ数列を生成します。
「影響」のパラメータの有無は、以下です。
項目 | レイヤー | マテリアル | 頂点グループ | カスタムカーブ |
有無 | ○ | ○ | × | × |
ビルド
フレーム範囲内でストロークを表示または非表示にして、アニメーションの線が描画または消去される効果を作成します。そのため、グリースペンシルで記載されたアイテムを「アニメーションで徐々に生成(表示)させる」なんてことが可能になります。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
モード | 同時にアニメーションが作用するストロークの本数を設定します。 【順次】 【並列】 |
時間を揃える | ストロークの出現・消失の開始時間を以下から選択します。 【開始を揃える】 【終了を揃える】 なお、本設定は、モードが「並列」の時に表示されます。 |
トランジション | ストロークを作成するアニメーションのタイプを決定します。 【伸長】 【収縮】 【フェード】 |
開始ディレイ | モディファイアーの効果を遅らせる設定です。 キーフレームに設定されている時間の経過後、何フレームの位置からモディファイヤが効果を発揮するかを指定します。 |
フレーム | モディファイアーが実行できるフレームの最大数です。 ただし、この時間が経過する前に別のグリースペンシルキーフレームが発生しない場合に限ります。 |
係数を使用 | 定義されたパーセンテージ係数を使用して、表示されるストロークの量を制御します。 |
カスタム範囲 | 指定したフレーム範囲内のストロークのみを変更します。 |
カスタム範囲 > 開始 | モディファイアーの開始フレームを設定します。 |
カスタム範囲 > 終了 | モディファイアーの終了フレームを設定します。 |
「影響」のパラメータの有無は、以下です。
項目 | レイヤー | マテリアル | 頂点グループ | カスタムカーブ |
有無 | ○ | × | × | × |
ドット点線
元のストロークからドットで表現されるストロークを作成します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
オフセット | 点線のセグメントの生成開始前に各ストロークをずらします。 |
セグメント | ドットダッシュパターンの個々のストロークを構成します。 リストの横の「+」「ー」のボタンは、セグメントの「追加」「削除」を行うものです。 |
点線 | このセグメントに含める元のストロークからの連続するポイントの数です。 |
ギャップ | このセグメントの次にスキップするポイントの数です。 |
半径 | 元のポイントの半径を新しいポイントに適用する係数です。 |
不透明度 | 元のポイントの不透明度を新しいポイントに適用する係数です。 |
マテリアルインデックス | 生成されたセグメントに割り振るインデックスです。 既存のマテリアルを使用する場合は「-1」を使用します。 |
「影響」のパラメータの有無は、以下です。
項目 | レイヤー | マテリアル | 頂点グループ | カスタムカーブ |
有無 | ○ | ○ | × | × |
長さ
ストロークを伸縮させることができます。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
モード | 長さの決め方を以下の2種類から選択します。 【絶対】 【相対】 |
開始 | 各ストロークの始端にストロークの長さと相対的な長さを追加します。 負の値はストロークを縮小します。 |
終了 | 各ストロークの終端にストロークの長さと相対的な長さを追加します。 ストロークの開始に長さを追加しました。負の値はストロークを縮小します。 |
使用する長さ | 延長部分の掲載に、ストロークのどの部分を使用するかを定義します。 |
曲率 | 有効にした場合、ストロークの曲率に従います。 |
曲率 > 点密度 | 追加したポイントの総数に対する開始/終了への乗数です。 |
曲率 > セグメントの影響 | 各セグメントの長さが、最終的に算出される曲率にどの程度影響するかを決定するための係数です。 係数が大きいほど、小さなセグメントが全体の曲率に与える影響が少なくなります。 |
曲率 > 角度でフィルタリング | 外挿形状を決定する時、この角度よりも大きい角度で隣接するストローク上の点を無視します。 |
曲率 > 反転 | 曲率の影響を反転します。 |
「影響」のパラメータの有無は、以下です。
項目 | レイヤー | マテリアル | 頂点グループ | カスタムカーブ |
有無 | ○ | ○ | × | × |
ミラー
特定の軸もしくはオブジェクトを中心に、グリースペンシルを反転して複製します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
座標軸 | 線対称でミラーリングするための軸を、「X」「Y」「Z」から選択します。なお、複数の軸を選択することも可能です。 |
オブジェクト | 点対称でミラーリングするためのオブジェクトを設定します。 |
「影響」のパラメータの有無は、以下です。
項目 | レイヤー | マテリアル | 頂点グループ | カスタムカーブ |
有無 | ○ | ○ | × | × |
マルチストローク
元のストロークの周りに複数の平行なストロークを生成します。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
コピーの数 | ストロークを複製させる数を設定します。 |
距離 | 複製するストロークと複製元のストロークとの距離を設定します。 |
オフセット | 重複するストロークのオフセット位置を制御します。 「-1」に近づけば内側に、「1」に近づけば外側にずれます。 |
フェード | 複製されたストロークの「不透明度」「太さ」を使用してフェードアウトします。 |
フェード > 中心 | フェーディングの初期位置を制御します。 |
フェード > 幅 | ストロークの太さに対するフェードの影響度合いです。 |
フェード > 不透明度 | ストロークの不透明度に対するフェードの影響度合いです。 |
「影響」のパラメータの有無は、以下です。
項目 | レイヤー | マテリアル | 頂点グループ | カスタムカーブ |
有無 | ○ | ○ | × | × |
簡略化
線の形状を維持しながら、ストローク内のポイントの数を減らすことができます。アニメーションなどのパフォーマンス(FPS)の向上に役立ります。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
モード | 簡略化の方法を以下から選択します。 【固定】 【適応】 【サンプル】 【マージ】 |
反復 | 簡略化を適用する回数です。 「モード」が「固定」の際に表示されます。 |
係数 | RDPアルゴリズムによって適用される再帰的な単純化の量です。 「モード」が「適応」の際に表示されます。 |
長さ | 再作成されたストローク上のポイント間の距離です。 値が小さいほど、ストロークを再作成するためにより多くのポイントが必要になります。 「モード」が「サンプル」の際に表示されます。 |
距離 | ポイントをマージするための距離のしきい値を設定します。 「モード」が「マージ」の際に表示されます。 |
「影響」のパラメータの有無は、以下です。
項目 | レイヤー | マテリアル | 頂点グループ | カスタムカーブ |
有無 | ○ | ○ | × | × |
細分化
グリースペンシルの異なるポイント間に、新たにポイントを挿入します。これにより、ストロークを細分割することができます。
設定内容は以下です。
設定内容 | 説明 |
細分化タイプ | 細分化の方法を以下の2つから選択します。 【カトマルクラーク】 【シンプル】 |
細分化 | 細分化する数です。 |
「影響」のパラメータの有無は、以下です。
項目 | レイヤー | マテリアル | 頂点グループ | カスタムカーブ |
有無 | ○ | ○ | × | × |
まとめ
今回は、「グリースペンシル」の「モディファイアー」の「生成」に属するもののうち、ラインアートを除く内容について記載しました。
手書きによる表現の幅が広がったり、効率的なモデリングが可能になる機能です。上記の内容を参考に、色々試してみて下さい。