3DCGソフトの中でもフリーソフトで高機能なBlenderには、表面の材質を設定する「マテリアル」があります。
「マテリアル」では、シェーダーを使用して様々な表面を表現できます。
今回は、そんな「マテリアル」におけるシェーダーの設定(プリンシブルヘアーBSDF~ボリュームの散乱)について記載していきます。
なお、本内容は、V2.92時点のリリース物件に沿った内容となっています。
目次
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各シェーダーの設定値
以下では、マテリアルプロパティにおける「シェーダーにおける設定値」を記載します。
プリンシブルヘアーBSDF
プリンシブルヘアーBSDFでは「吸収係数」「メラニン濃度」「ダイレクトカラーリング」から色のパラメータ化の方法を選択できます。以下で示す設定項目の中には、特定の方法を選択した時のみ有効になる設定項目もあります。
項目 | 説明 |
カラー | RGB、HSV、16進数でサーフェスの色を設定します。 |
メラニン | ユーメラニン(褐色~黒色)の量を設定します。 |
メラニンの赤成分 | フェオメラニン(黄色~赤色)の量を設定します。 |
チント | メラニンを設定した髪を染めた時の色を設定する。 色を白に設定することで無効化します。 |
吸収係数 | 吸収係数 σを設定します。 |
粗さ | 素材の粗さ(反射の度合い)を設定します。 値が小さければ艶が強調され、大きければ艶消しに近づきます。 |
天使の輪の粗さ | 光り方の範囲を設定します。 値が小さければ毛の束の一部分に対し、大きければ毛の束の全体に対して輝きが得られます。 |
コート | 毛皮のコートの風味を表現します。 |
IOR | 屈折率を設定します。 |
オフセット | 毛のキューティクル(表面)での輝き方を調整します。 |
ランダムカラー | メラニン濃度をランダム要素で変化させます。 |
ランダムな粗さ | 粗さをランダム要素で変化させます。 |
ランダム | 乱数のソースを設定します。 |
プリンシブルボリューム
項目 | 説明 |
カラー | サーフェスの色を設定します。 |
カラー特性 | 色を付けるためのボリュームグリッドです。 ※煙のシミュレーションには “color” を使用します。 |
密度 | 密度を設定します。 |
密度特性 | 密度を定義するボリュームグリッドです。 ※通常は “density” です。 |
異方性 | 散乱方向を設定します。 |
吸収カラー | 吸収する色を設定します。 |
放射の強さ | 光の放射量を設定します。 |
放射色 | 放射する色を設定します。 |
黒体の強度 | 炎の黒体放出の強度を設定します。 |
黒体のチント | 黒体放射の色を設定します。 |
温度 | 黒体放射の温度をケルビンで設定します。 0度は273ケルビンです。27度で300ケルビンになります。 |
温度特性 | 温度を定義するボリュームグリッドです。 ※通常は “temperature” です。 |
屈折BSDF
項目 | 説明 |
カラー | サーフェスの色を設定します。 |
粗さ | 素材の粗さ(屈折の度合い)を設定します。 値が小さければ艶が強調され、大きければ艶消しに近づきます。 |
ノーマル | シェーディングに使用される法線を設定します。 |
スペキュラー
項目 | 説明 |
ベースカラー | サーフェスの色を設定します。 |
スペキュラー | 鏡面反射の量を設定します。 |
粗さ | 素材の粗さ(反射の度合い)を設定します。 値が小さければ艶が強調され、大きければ艶消しに近づきます。 |
放射カラー | 放出された光の色を設定します。 |
透過 | 透明度の度合いを設定します。 |
ノーマル | ベースレイヤーの法線を制御します。 |
クリアコート | 金属とは異なる鏡面反射をの量を設定します。 |
クリアコートの粗さ | クリアコートスペキュラーの反射の度合いを設定します。 値が小さければ艶が強調され、大きければ艶消しに近づきます。 |
クリアコート法線 | クリアコートの法線を制御します。 |
アンビエントオクルージョン(AO) | 環境光がさえぎられる量を設定する。 |
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SSS
項目 | 説明 |
カラー | サーフェスの色を設定します。 |
スケール | 散乱する半径の範囲を設定する。 |
半径 | 光が散乱する距離を設定します。 |
シャープ | 値が大きくなるほど、柔らかくなり、不要な黒ずみの防止にも役立ちます。 ※「三次式」のみで表示される。 |
テクスチャぼかし | テクスチャのぼかし具合を設定します。 |
ノーマル | シェーディングに使用される法線を設定します。 |
トーンBSDF
項目 | 説明 |
カラー | サーフェスの色を設定します。 |
サイズ | 反射角の設定をします。 ※設定範囲は、0°〜90°です。 |
スムーズ | 全反射から無反射へのスムーズな遷移が発生する角度を設定します。 |
ノーマル | シェーディングに使用される法線を設定します。 |
半透明BSDF
項目 | 説明 |
カラー | サーフェスの色を設定します。 |
ノーマル | シェーディングに使用される法線を設定します。 |
透過BSDF
項目 | 説明 |
カラー | サーフェスの色を設定します。 |
ベルベットBSDF
項目 | 説明 |
カラー | サーフェスの色を設定します。 |
シグマ | 正規分布(連続的な変数に関する確率分布)の分散を設定します。 |
Normal (ノーマル) | シェーディングに使用される法線を設定します。 |
ボリュームの吸収
項目 | 説明 |
カラー | サーフェスの色を設定します。 |
密度 | 吸収効果の密度を設定します。 |
ボリュームの散乱
項目 | 説明 |
カラー | サーフェスの色を設定します。 |
密度 | 吸収効果の密度を設定します。 |
異方性 | 異方性反射を表現できます。 |
まとめ
今回は、表面材質を決定づける「マテリアル」の「シェーダーの設定内容」について記載しました。
使い方次第で、様々な物質を表現できると思います。上記の内容を参考に、色々試してみて下さい。
参考URL
「マテリアル」自体の使い方については、以下を参考にしてください。
「プロパティ情報の前編」ついては、以下を参考にしてください。