【DaVinci Resolve】エディットページ～タイムライン～

2023年6月3日
2023年9月23日
DaVinci Resolve
DaVinci Resolve, 動画編集
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動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。

今回は、その中でも編集に関わるエディットページの「タイムライン」の使い方をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。

1 本ページを読むうえで（用語の設定）
2 タイムラインの扱いについて
- 2.1 タイムライン（ファイル）の切り替え
3 タイムラインのインターフェース
4 商品情報
5 まとめ

本ページを読むうえで（用語の設定）

タイムラインは、以下の2通りの意味を指します。

「素材の配置」や「動画の構成」に関する編集作業を実際に行う場所

メディアプールで管理可能なタイムラインのファイル
本ページでは、明示的に前者を「タイムラインエディター」、後者を「タイムライン（ファイル）」と記載しています。

誤認のないよう、ご注意ください。

タイムラインの扱いについて

タイムライン（ファイル）の切り替え

タイムライン（ファイル）は他のクリップと同様にメディアプールで管理できます。

複数のタイムライン（ファイル）が存在している場合、いずれか1つしかタイムラインエディターでは開けません。

そのため、エディットページ内の操作のみで、タイムライン（ファイル）の切り替える方法を以下に記載します。

いずれか、行いやすい方法で実施してください。

メディアプールで任意のタイムラインをダブルクリックする。
タイムラインエディターをタブ表示にする。
- 詳細は後述しますが、ツールバーの「タイムライン表示オプション」で、「スタック表示」を有効にします。
タイムラインビューアのビューア上部にある「タイトル」を使用する
- 詳細は、こちらの「ビューアのコントロール」を参照ください。

タイムラインのインターフェース

タイムラインを構成するインターフェースについて、以下にまとめます。

タイムラインエディター

大まかに分けると、以下のように構成されています。

No	名称	説明
①	タイムラインルーラー	タイムラインで編集プログラムの長さが分かる目盛りです。このルーラー上には、タイムコードの他、「再生へッド」「マーカー」「イン点／アウト点」が表示されます。
②	再生ヘッド	タイムラインビューアに表示される映像の位置（再生位置）を示す垂直の線です。タイムラインビューアや各ページのジョグバーにある再生ヘッドの位置と同期して動きます。
③	タイムコードフィールド	再生ヘッドの位置に相当するタイムコード値を表示します。
④	ビデオトラック	ビデオトラックを配置できるエリアです。各トラックには、ヘッダーエリア（後述）が存在します。「各ビデオトラック」および「オーディオトラック」との境界は、ドラッグすることで自由にサイズ調整を行うことができます。
⑤	オーディオトラック	オーディオファイルを配置できるエリアです。各トラックには、ヘッダーエリア（後述）が存在します。「各オーディオトラック」および「ビデオトラック」との境界は、ドラッグすることで自由にサイズ調整を行うことができます。
⑥	トラックヘッダー	トラックヘッダーには、「ビデオ」「オーディオ」のそれぞれに応じたコントロールが備わっています。また、「タイムラインヘッダー」として、紹介しているサイトも存在します。（公式マニュアルでも混在していることがあります。）

トラックヘッダーの内容は、以下にまとめておきます。

No	名称	説明
ⅰ）	トラックカラー	各トラックの色は、16色から選択することができます。この色は、トラックヘッダーに対して開くコンテキストメニューで、「トラックカラーを変更」から設定できます。
ⅱ）	トラック番号と配置先コントロール	各トラックには、「トラック番号」が割り当てられています。このトラック番号は、下のトラックになるほど小さい番号になります。なお、新規でトラックを追加した場合は、トラック番号の再割り振りがされます。トラック番号は、トラックの選択が有効か無効かによって、以下の表示パターンがあります。これを「配置先コントロール」と言っています。選択状態選択状態にする動作トラック番号の表示【有効状態】操作：トラック番号を1回クリックする表示：トラック番号が、オレンジ色の枠で囲まれます。【無効状態】操作：有効状態のトラック番号を1回クリックする表示：濃い目のグレーで塗られます。
ⅲ）	トラック名	各トラックの名称で、任意の名称変更ができます。もちろん、このトラック名は、他のページと同期しています。
ⅳ）	ビデオトラックを無効化トラックをミュート／ソロ	順に、「トラックを使用しない状態にする」「オーディオをミュートする」「そのオーディオのみを流す」という動作になります。「ビデオトラックを無効化」が有効の場合は、アイコンに斜線が入ります。「トラックをミュート」「ソロ」が有効の時は、それぞれのアイコンが点灯します。
ⅴ）	トラックをロック	トラックをロックすると、クリップの置き換えや移動などができません。ただし、ロックしたトラック上のクリップに対し、カラーページでグレーディングすることは可能です。有効の場合は鍵のアイコンが閉まり、無効の場合は鍵のアイコンが開いた状態になります。
ⅵ）	自動トラック選択ボタン	「再生ヘッドが重なるクリップ」もしくは「タイムラインのイン点/アウト点で指定された範囲のクリップ」を対象に行う処理（操作）を行った場合、処理の対象とするかどうか？を決定します。「該当のトラック上のすべてのクリップ」が、有効の場合は対象となり、無効の場合は対象外となります。例えば、「イン点/アウト点で指定された範囲」に対して削除操作をした場合でも、無効のトラックのクリップは削除処理の対象外になります。なお、手動でクリップを選択した場合は、手動操作が優先されます。
ⅶ）	オーディオチャンネル形式インジケーター	「モノ」「ステレオ」「5. 1」「適応」に応じたチャンネル数が表示され、各トラックのチャンネル構成が分かります。
ⅷ）	クリップ数	各トラック上のクリップ数です。

ツールバー

タイムラインの上のツールバーには18個のコントロールがあります。

それぞれの役割について、以下でまとめていきます。

No	名称	説明
①	タイムライン表示オプション	タイムライン表示オプションは、以下のように、大きく4つのカテゴリから成っています。それぞれのコントロールについては、後述します。
②	選択モード	タイムラインエディターでのクリップに対する「移動」「リサイズ」などの各種基本作業が実施できます。
③	トリム編集モード	トリムツールを使った「スリップ」「スライド」「リップル」「ロール」の編集が実行できます。
④	ダイナミックトリムモード	このモードは「選択」「トリム編集」「ブレード編集」のモードと併用して使用します。有効時には、以下の手順で、映像を再生しながら、トリムしていきます。トリムしたい「クリップの端」を選択する。選択した箇所が、赤色になることを確認します。「L」キーを押下する。動画が再生され、トリムが始まります。「K」キーを押下する。動画の再生が停止され、トリムが終わります。なお、再生中は、タイムラインビューアでトリムしているクリップの前後に存在するクリップの映像が表示されます。また、「ダイナミックトリムモードのボタンに対してコンテキストメニューを開く」もしくは「「S」キー押下する」の操作により、トリムの方法を「スリップ」「スライド」から選択することができます。
⑤	ブレード編集モード	クリックすると、タイムラインエディターに存在するクリップを分割することができます。
⑥	クリップを挿入	選択したトラックの「再生ヘッドの位置」もしくは「編集点（イン点／アウト点の区間）」に、メディアプールで選択しているクリップを挿入します。
⑦	クリップを上書き	選択したトラックの「再生ヘッドの位置」もしくは「編集点（イン点／アウト点の区間）」に触れているクリップに対し、メディアプールで選択しているクリップを上書きします。
⑧	クリップを置き換え	選択したトラックに、メディアプールで選択しているクリップを上書きします。編集点（イン点／アウト点の区間）がある場合は、区間内に再生ヘッドがある時、再生ヘッドの位置からアウト点の区間が置き換わります。編集点（イン点／アウト点の区間）がない場合は、再生ヘッドが触れているクリップの「再生ヘッド以降の領域」が置き換わります。
⑨	スナップ	スナップ機能の有効/無効を切り替えます。
⑩	リンク選択	関連している「オーディオ」と「ビデオ」のクリップに対するリンクの有効/無効を切り替えます。リンクしている場合は、「オーディオ」と「ビデオ」のどちらかのクリップをドラッグする時、一緒に移動します。例えば、ビデオクリップをV1からV2に移動すると、リンク状態のオーディオクリップはA1からA2に移動します。
⑪	ポジションロック	すべてのトラックに対してポジションロックをかけ、クリップが意図せずにずれてしまうことを防ぎます。個別にトラックヘッダーでロックすることもできますが、一括でロックしたい場合に便利です。
⑫	クリップのフラグ付け / フラグカラー	選択したクリップに、クリップの識別に役立つ「フラグ」を追加します。「ｖ」からカラーを選択することもできます。
⑬	マーカーの追加 / マーカーカラー	再生ヘッドの位置に、メモなどに役立つ「マーカー」を追加します。「ｖ」からカラーを選択することもできます。なお、以下のどちらかを実行することで、追加したマーカーの情報を編集することができます。マーカーをダブルクリックするマーカーに再生ヘッドを合わせ、「M」キーを押下する
⑭	全体を表示	自動でズームレベルが変更し、開いているタイムライン全体を表示します。また、「Shift + Z」で全体表示させることもできますが、その場合は「カスタムズーム」が適用されます。
⑮	細部ズーム	タイムラインエディター上の再生ヘッドの位置付近を、フレームレベルで拡大表示します。
⑯	カスタムズーム	⑰ズームスライダーで設定されたズームレベルで拡大表示します。また、「Shift + Z」で全体表示させた場合は、子のズームが設定されます。再度「Shift + Z」を入力した場合は、「Shift + Z」を押下する前のズーム率に切り替わります。
⑰	ズームスライダー	⑯カスタムズームで表示するズームレベルを設定します。また、「Ctrl + ＋（プラス）」でズームイン、「Ctrl + －（マイナス）」でズームアウトします。
⑱	オーディオモニタリングコントロール	以下のような4つのUIで、音量を調整します。【スピーカーマーク】音量のオン/オフ（ミュート）を設定します。ミュート時は、スピーカーマークに「×」が付きます。【スライダー】音量を調整します。【「DIM」ボタン】モニタリングの出力音量を一時的に下げることができます。有効時は、ボタンが点灯する他、スライダーが黄色表示になります。【メーター】視覚的に音量を把握することができます。

タイムライン表示オプションのコントロールについては、以下を参照ください。

項目	コントロール	説明
タイムライン表示オプション	スタック表示	タイムラインエディターに表示するタイムライン（ファイル）をタブ表示で表示します。有効時では、一例で以下の様な操作が可能です。タブをクリック表示するタイムライン（ファイル）を選択します。タブをドラッグ表示されているタブの順番を変更します。タブの右側にある「＋」を押下タイムライン（ファイル）を追加します。タブに対してコンテキストメニューを開く「名称変更」や「複製」を行うことが可能です。タブ表示エリアの一番右のアイコンをクリック上下にタイムライン（ファイル）を表示します。（スタック表示）
	字幕トラック	タイムエディター内に、字幕トラックを表示します。なお、字幕トラックを非表示にしても字幕の表示は無効になりません。無効にするには現在表示されている字幕トラックを無効にしなければなりません。
	オーディオ波形	オーディオ波形の表示します。
ビデオ表示オプション	フィルムストリップビュー	タイムラインエディターに表示するクリップ上に、フレームをクリップ全体に表示します。
	サムネイルビュー	タイムラインエディターに表示するクリップ上に、フレームをクリップの両端にのみ表示します。先頭にはクリップの開始時のフレームを表示し、終端にはクリップの終了時のフレームを表示します。
	シンプルビュー	タイムラインエディターに表示するクリップ上に、フレームを表示させません。
オーディオ表示オプション	非整流波形	オーディオ波形がクリップの中央に、上下に広がるように表示されます。
	波形をフル表示	通常、オーディオクリップ名を表示する領域を確保していますが、この領域を確保せずにクリップ全体で波形を表示します。フル表示にした場合でも、クリップ名は表示されます。
	波形の境界線	波形の境界線を黒線で表示するようにして、可視性を高めます。
トラックの高さ	ビデオ	ビデオトラックの高さを調整します。
	オーディオ	オーディオトラックの高さを調整します。

その他の便利機能

タイムラインの機能や動作は様々な方法でカスタマイズできます。

機能	説明
マウスポインター周辺をズーム	[表示] > [マウスポインター周辺をズーム] を選択することで、ポインタを中心にズームイン／ズームアウトができるようになります。
生ヘッドの位置のクリップを選択	選択しているクリップを「Ctrl + UP」「Ctrl + DOWN」「Ctrl + LEFT」「Ctrl + RIGHT」で変更することが可能です。
再生ヘッドの影を表示	[環境設定] > [ユーザー] > [ユーザーインターフェース設定] > [Show playhead shadow]を有効にすることで、再生ヘッドの前後に影を表示できます。また、影の幅は、[環境設定] > [ユーザー] > [編集] > [一般設定] > [再生ヘッドの影の長さ]で変更することが可能です。
オーディオスクラブの/無効化	メニューにある[タイムライン] > [オーディオスクラブ]の無効にすることで、スクラブ時のオーディオ再生を無効にすることが可能です。
ポストロールを再生	メニューにある[タイムライン] > [ポストロールを再生]を有効にすることで、タイムライン全体の再生を終えた後に再生を一定時間継続します。
複製フレーム検出	重複するクリップのフレームの範囲に、クリップで色が付くようになります。 [表示] > [複製フレームを表示] を選択することで利用可能です。
タイムラインの比較	以下の手順で、タイムラインの内容を比較することができます。比較する2つのタイムラインのうち、1つ目のタイムラインを開く。メディアプールで2つ目のタイムラインに対してコンテキストメニューを開くコンテキストメニューで「現在のタイムラインと比較」を選択する。なお、差分は、「差のインデックス」ボタンを押下することで、リスト表示させることもできます。比較結果は、ウィンドウの右下にある「閉じる」ボタンで閉じることができます。