【DaVinci Resolve】エディットページ~編集方法:フラグ、マーカー、色分け(クリップ/トラック)~

動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。

今回は、その中でも編集に関わるエディットページの「フラグ」「マーカー」「色分け」の使い方をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。

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フラグ、マーカー、色分けの意義

フラグ、マーカー、色分けは、映像を作成する上で非常に便利なものです。

一例として、以下のようなことが出来ます。

  • 備忘録用のメモを追加する
  • 覚えておきたい/振り返りたいと言った位置の目印にする
  • フィルタリングの要素として使う

なお、追加できる対象は、タイムラインエディターだけでなく、ソースクリップも対象になっています。

フラグの使用

フラグはクリップ毎に追加でき、メモを残して置ける機能です。

1つのフラグ付きクリップ(クリップA)をタイムラインエディター上で複数使用している場合は、全てのクリップAに対して同じフラグが追加されている状態になります。

なお、フラグのカラーは、16種の中から任意で選択できます。

ここからは、フラグを使用した操作の例について記載します。

フラグの追加

フラグを追加する方法を以下にまとめます。

操作箇所追加対象説明
ツールバー単一クリップ
  1. クリップを選択する
  2. ツールバーで、フラグのボタンを押下する

手順2で、色を選択する場合は、フラグのボタンの右側にある「v」ボタンを押下し、表示されるリストから色を選択します。
なお、表示されるタイミングは、色が変わると同時です。

メニュークリップ
  1. クリップを1つ以上選択する
  2. [マーク] > [フラグを追加] > [現在の選択(G)]を選択する
  3. 追加する色を選択する

なお、選択するクリップは、ソースビューアでもタイムラインエディター上でも構いません。

フラグの情報を編集する

以以下の手順を行います。

  1. タイムラインエディター上で、追加したフラグをダブルクリックする。
  2. 表示された画面で、情報を編集する
  3. 「完了」ボタンを押下する

なお、手順2で表示される画面は以下になり、編集できる内容は「フラグのカラー」と「メモ」になります。

フラグの削除

削除する対象によって、以下のように操作が変わります。

削除対象操作
単一のフラグ
  1. メディアプールで、フラグを削除したいクリップを選択する。
  2. メニューの[マーク] > [フラグを削除]を選択する。

手順2は、タイムラインエディター上でフラグをダブルクリックして表示される画面で、「フラグを削除」ボタンを押下しても良いです。

すべてのフラグ
  1. フラグを削除したいクリップを1つまたは複数選択する
  2. ツールバーにあるフラグのボタンの右側にある「v」を押下する
  3. 選択肢から「すべてを削除」を選択する。

手順2は、メニューやメディアプールでクリップに対して開くコンテキストメニューを用いても実施できます。

フラグの表示/非表示(タイムラインエディター上)

タイムラインエディター上に表示されるフラグは、カラー毎に非表示にすることが可能です。

メニューの[表示] > [フラグを表示]から、非表示にしたいカラーを選択してください。

なお、非表示のフラグを表示させたい場合も、同じメニュー内で表示させたいカラーを選択することになります。

編集インデックスでのフラグによるフィルタリング

以下の手順を踏むことで、特定のカラーが付いたフラグのみを表示します。

  1. 編集インデックスのエリアの右上にあるメニューボタン(三点リーダ)をクリックする
  2. 「フラグを表示」を選択する
  3. 表示されたリストから、表示させたいカラーを選択する
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マーカーの使用

マーカーは再生ヘッドの位置に、メモを残して置ける機能です。

フラグよりも情報のカスタマイズ出来る量も多く、マーカー名やキーワードも設定できます。

ここからは、マーカーを使用した操作の例について記載します。

マーカーの作成

マーカーを作成する手順は、単純な新規追加の他にも「イン点」「アウト点」を利用した方法もあります。

追加できる対象は、「クリップ」と「タイムラインエディターのルーラー」上です。

付与されたマーカーは、スナップ機能:オンの際に、各クリップの配置場所を揃える基点にもなります。

作成方法を以下にまとめます。

クリップに追加(メディアプール)

  1. メディアプール上のマーカーを追加したいクリップをソースビューアで開く。
  2. ソースビューア上で、再生ヘッドを追加したい箇所に合わす。
  3. 「M」キーを押下する

手順3の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • ジョグバーに対して開くコンテキストメニューから「マーカーを追加」を選択する。
  • メニューの[マーク] > [マーカーを追加]で、設定したいカラーを選択する。

また、「Ctrl + M」を押下すると、追加の段階で各種情報のカスタマイズを行うことができます。

クリップに追加(タイムラインエディター)

  1. タイムラインエディター上で、マーカーを追加したいクリップを選択する(複数可)
  2. タイムラインエディター上で、再生ヘッドを追加したい箇所に合わす。
  3. 「M」キーを押下する

手順3の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • ツールバー上にある「マーカー」ボタンを利用しても対応可能です。
  • メニューの[マーク] > [マーカーを追加]で、設定したいカラーを選択する。

また、メディアプール同様、「Ctrl + M」を押下すると、追加の段階で各種情報のカスタマイズを行うことができます。

タイムライエディター上のルーラーに追加

  1. タイムラインエディター上で、再生ヘッドを追加したい箇所に合わす。
  2. 「M」キーを押下する

手順2の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • ツールバー上にある「マーカー」ボタンを押下する。
  • ルーラーに対して開くコンテキストメニューで、「マーカーを追加」を選択する。
  • メニューの[マーク] > [マーカーを追加]で、設定したいカラーを選択する。

また、メディアプール同様、「Ctrl + M」を押下すると、追加の段階で各種情報のカスタマイズを行うことができます。

【番外】範囲マーカーの作成

範囲マーカーは、「イン点」「アウト点」は1組しか設定できないために、複数保存しておきたい場合に便利です。

基本的な手順は、クリップやタイムラインエディター上で設定済みの「イン点」「アウト点」を基にマーカーを作成することです。

詳細は、エディットページ~編集方法:タイムライン、トラック、ビューア、イン点/アウト点の基本操作~(リンク)の「イン点/アウト点と「範囲マーカー」の切り替え」の

箇所を参照ください。

なお、「イン点」「アウト点」を利用しなくても可能な方法もあります。

既存のマーカーに対して、以下のいずれかの方法で範囲マーカーを作ることができます。

  • 「Alt」キーを押下しながら、既存のマーカーをドラッグする。
  • 既存のマーカーに対してダブルクリックして開いた編集画面で「長さ」を変更する

    • この場合は、既存のマーカーの位置が「イン点」として扱われます。
    • 「イン点」を変更したい場合は、編集画面で「時間」を変更してください。

既存のマーカーの位置を変更

配置されたマーカーの位置をずらしたい時は、「削除」「追加」を行わなくても、以下のいずれかの方法で対応できます。

  • 既存のマーカーをドラッグする。

    • 「Ctrl」キーを使用して、複数の同時移動が可能です。
  • 既存のマーカーに対してダブルクリックして開いた編集画面で「時間(イン点の場合)」「長さ(アウト点の場合)」を変更する。

なお、マーカーは、リップル動作の有効/無効を切り替えることができます。

切り替えには、メニューの[タイムライン] > [タイムラインマーカーをリップル]を選択して下さい。

有効時は、リップルを伴う編集が行われてリップル動作の対象となった場合に、自動でマーカーの位置も変更されるようになります。

マーカーの削除

マーカーを削除する方法には、以下のような方法があります。

方法手順
マウスを使用①
  1. 削除したいマーカーを選択する
  2. 「Delete」キーを押下する
マウスを使用②
  1. 削除したいマーカーの位置に再生ヘッドを合わせる
  2. 「Alt + M」を押下する
クリップのすべてのマーカーを削除
  1. 削除したいマーカーが設定されているクリップを選択する
  2. ツールバーの「マーカー」ボタン右隣の「v」を押下する
  3. 「すべて消去」を選択する
タイムラインのルーラーにあるすべてのマーカーを削除
  1. クリップを選択を解除する
  2. ツールバーの「マーカー」ボタン右隣の「v」を押下する
  3. 「すべて消去」を選択する
タイムラインエディター上にあるすべてのマーカーを削除
  1. クリップを選択を解除する
  2. メニューの[マーク] > [すべてのマーカーを削除] > [すべて]を選択する
    • カラーを選択すると、選択したカラーのマーカーのみが削除されます。

マーカーの情報の確認

確認方法は、以下の3つの方法があります。

方法手順
ビューア上で確認
  1. 2つあるビューアの右上にあるメニューボタン(三点リーダ)を押下する。
  2. 「マーカーオーバーレイを表示」を有効にする。
  3. マーカーに再生ヘッドが重ねる。
  4. ビューアの左上に表示される内容を確認する。
マーカーを直接確認①
  1. マーカーにポインターを合わせる
  2. 表示されたマーカーのツールチップを確認する
マーカーを直接確認②
  1. マーカーをダブルクリックする
  2. 表示されたマーカーの編集画面を確認する
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マーカーの「情報」と「キーワード」の編集

マーカーに付帯する情報は、以下の手順で編集することができます。

  1. 情報を編集したいマーカーをダブルクリックする。
  2. 開いた編集画面で、内容を変更する。
  3. 「完了」ボタンを押下する。

手順2で表示される編集画面の各UIの説明は、以下を参照ください。

項目説明
時間マーカーが配置されている位置です。
クリップまたはタイムラインのタイムコードが基準になっています。
長さ範囲マーカーとして扱いたい場合のマーカー間の長さです。
名前マーカーの名前です。
メモ任意の情報を残しておける場所です。
カラーマーカーの色を設定します。
キーワードメタデータエディターと同じ仕組みで、各種検索に便利なキーワードを付けられる場所です。
なお、入力フィールドにテキストを入力すると、既存キーワードの一覧からヒットするものがあれば表示してくれます。
マーカーを削除マーカーを削除します。
完了マーカー編集ダイアログを閉じます。

マーカーの表示/非表示

基本的には、メニューの[表示] > [フラグを表示]から、表示/非表示にしたいカラーを選択してください。

選択したカラーの表示/非表示が切り替わります。

この時の対象は、メディアビューアの「ジョグバー」とタイムラインエディター上の「クリップ」と「ルーラー」の3つです。

【番外】メディアプールでのマーカー操作

マーカーが付与されているソースクリップがメディアプールにある場合、リストビューではマーカーが付与されているソースクリップのアイコンが「>」に変わります。

このクリップ名の左側のアイコンの「>」を押下することで、マーカーの情報を表示することができます。

この方法で表示される各マーカーをD&Dすることで、以下のような動作結果が得られます。

D&D先動作結果
メディアプール内「開始タイムコード」と「終了タイムコード」に基づいたサブクリップを作成できます。
タイムラインエディター上「開始タイムコード」と「終了タイムコード」に基づいたクリップを配置できます。

【番外】タイムラインエディター上でのマーカー操作

タイムラインエディター上では、マーカーの位置に再生ヘッドを移動させることができます。

操作は、以下を参考にしてください。

操作動作結果
「Shift + 上矢印キー」を押下タイムラインエディター上に存在するマーカーのうち、1つ左にあるマーカーに再生ヘッドを移動します。
「Shift + 下矢印キー」を押下タイムラインエディター上に存在するマーカーのうち、1つ右にあるマーカーに再生ヘッドを移動します。
再生ヘッドを移動する際の「ソースクリップ」と「ルーラー」のマーカーは区別されません。

【番外】編集インデックスを使用したマーカー操作

編集インデックスでは、タイムライン上のマーカーのみをリスト表示できます。

ここでは、以下の様な操作が可能です。

できること操作
表示内容のフィルタリング
  1. 右上のメニューボタン(三点リーダ)をクリックする。
  2. 表示したいカラーを選択する。
再生ヘッドの移動
  1. 移動させたいマーカーをダブルクリックする。
マーカーの一覧をエクスポート
  1. 右上のメニューボタン(三点リーダ)をクリックする。
  2. 書き出したいカラーのみを表示させる。
  3. メディアプールでメニューの[タイムライン] > [書き出し] > [編集インデックス]を選択してください。
  4. 「保存先」「ファイル名」「フォーマット」を設定する
  5. 「保存」をクリックする。
「マーカーの一覧をエクスポート」において「EDL」で書き出したい場合は、手順3で[タイムライン] > [書き出し] > [タイムラインマーカーからEDL]を選択してください。

【番外】ビューアの描画注釈

タイムラインビューアにて「ビューアモードのドロップダウンメニュー」(リンク)にある「注釈モード」でストローク等の入力をしていた場合、マーカーとして管理されます。

そのため、メディアプールや編集インデックスでも、マーカーとして表示されます。

注釈モードでは、タイムラインビューアの左上に以下のような「注釈」ツールバーが表示されます。

番号名称説明
描画ツール自由な手書きを行うことができます。
「v」を押下することで、線の太さを3種類から選択できます。
矢印ツール直線(矢じりあり)を描けます。
「線」ツールで太さを選択しても矢印の太さは一定です。
ラインツール直線(矢じりなし)を描けます。
四角形ツール矩形(四角形)を描けます。
カラーのドロップダウン手書き、図形を描く際の線の色を選択できます。

なお、作成された注釈は、マウス操作により「選択」「移動」などを行うことができます。

削除する際は、削除したい注釈を選択後に「Delete」キーもしくは「BackSapce」キーを押下してください。

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タイムラインエディター上の色分け

大きく、クリップとトラックに分けて、まとめます。

クリップ

クリップのカラーはタイムラインエディター上にあるクリップごとに割り当てられます。

そのため、同じソース(素材)をメディアプールから選んで配置していたとしても、タイムラインエディター上では、別々のカラーを割り当てることができます。

デフォルトカラー

デフォルトでは、クリップの色は以下のようにクリップの種類によって決まっています。

クリップの種類カラー
ビデオクリップスチールブルー
オーディオクリップライトグリーン
ジェネレーターライトパープル
テキストベージュ
エフェクト付きクリップ暗めの色(ベース色は上記に基づく)

カラーのカスタマイズ

16色のうち1色をクリップに割り当てられます。

各クリップに割り当てられるのは1色のみです。

以下の手順で実施可能です。

  1. タイムラインエディター上で、カラーを変更したいクリップに対してコンテキストメニューを開く。
  2. コンテキストメニューから、クリップカラーを選択する。
  3. 変更したいカラーを選択する。

その他、メディアページのメタデータエディターの「ショット&シーン」で設定したり、カラーページでのクリップに対するコンテキストメニューからでも変更することができます。

メディアページの場合は、ソースクリップ(素材)を配置した時のデフォルトカラーを変更することになります。

トラック

トラックに設定したカラーは、「トラックヘッダーの左側の色」と「クリップのカラー」が割り当てられます。

デフォルトカラー

デフォルトでは、トラックの色は以下のように決まっています。

トラックの種類カラー
ビデオトラックスチールブルー
オーディオトラックライトグリーン

カラーのカスタマイズ

クリップ同様、トラックのカラーも、16色のうち1色を割り当てられます。

以下の手順で、変更が可能です。

  1. トラックヘッダーで、コンテキストメニューを開く
  2. コンテキストメニューの「トラックカラーを変更」から変更後の色を選択する。

なお、トラックカラーを割り当てるとクリップのカラーも変更されます。

しかし、上述のクリップカラーのカスタマイズを行っている場合は、クリップに対して行ったカラーカスタマイズが優先されます。

設定を初期化したい場合は、「トラックカラーを変更」で、「デフォルトカラー」を選択してください。

商品情報

公式HPでは、無料版もダウンロードできます。

無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。

また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。

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まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「エディットページ」のうち、「フラグ」「マーカー」「色分け」についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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