【DaVinci Resolve】エディットページ~編集方法:スリーポイント編集とフォーポイント編集の種類~

動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。

今回は、その中でも編集に関わるエディットページの「スリーポイント編集とフォーポイント編集」の方法をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。

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スリーポイント編集の種類

タイムラインエディターで実施できる「スリーポイント編集」の内容について、まとめます。

上書き

タイムラインエディター上で置き換えるソースクリップの範囲にあるメディアを削除してから、ソースクリップを追加する編集方法です。

本編集内容は「ソースクリップ分の長さの内容を上書きすること」に相当するので、タイムラインエディター上での後続のクリップの位置は変わりません。

以下の手順を行うことで、「上書き編集」ができます。

  1. タイムラインエディター上で、クリップを挿入したい位置(イン点)に再生ヘッドを移動する。
  2. ソースクリップを配置したいトラックに、配置先コントロールを設定する。
  3. 挿入したいクリップをメディアプールで1つ選択する。
  4. ソースビューアで開きます。

    • 「イン点」「アウト点」を設定することで、挿入する範囲を設定できます。
  5. ツールバーの「クリップを上書き」ボタンをクリックする。

手順5については、他にも以下の操作で対応可能です。

  • メニューの[編集] > [上書き]を選択する。
  • 「F10」キーを押下する。
  • 選択したクリップをタイムラインビューアにドラッグして表示される「編集オーバーレイ」を利用する。

挿入

タイムラインエディター上でソースクリップを追加する際に、追加する位置より後続のクリップを右に動かす(リップル)編集方法です。

リップルする長さは、追加するソースクリップの長さになります。

以下の手順を行うことで、「挿入編集」ができます。

  1. タイムラインエディター上で、クリップを挿入したい位置(イン点)に再生ヘッドを移動する。
  2. ソースクリップを配置したいトラックに、配置先コントロールを設定する。
  3. メディアプールで挿入したいクリップを1つ(もしくは複数)を選択する。

    • 選択前にクリップに「イン点」「アウト点」を設定しておくことで、挿入する範囲を設定できます。
  4. メディアプールで選択したクリップの1つを対象にコンテキストメニューを開く
  5. 「選択したクリップをタイムラインに挿入」を選択する。

手順4、5の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • ツールバーの「クリップを挿入」ボタンをクリックする。
  • メニューの[編集] > [挿入]を選択する。
  • 「F9」キーを押下する。
  • 選択したクリップをタイムラインビューアにドラッグして表示される「編集オーバーレイ」を利用する。

置き換え

基本的な動きは、ソースビューアの再生ヘッドの位置にあるフレームを、タイムラインの再生ヘッドの位置にあるフレームに合うように、クリップを置き換える編集方法です。

なお、置き換え編集では、タイムラインエディター上で後続のクリップはリップルされません。

置き換えの方法にはいくつかのパターンがあるので、以下でまとめます。

タイムラインエディター上の既存のクリップを置き換え

タイムラインエディター上で既存のクリップがある時は、ソースビューアのクリップに自動的に置き換える編集方法です。

置き換え編集の対象となるクリップは、以下の条件を満たすクリップです。

  • 配置先コントロールが有効のトラックに存在すること
  • 再生ヘッドが触れていること

なお、この方法での置き換え編集は、タイムラインに編集するソースクリップの長さがタイムラインエディター上の既存のクリップの長さに基づいて決まります。

実際の置き換え手順の例は、以下です。

  1. タイムラインエディターの再生ヘッドを、置き換えたいクリップに触れるように移動する。
  2. 置き換えたいクリップが存在するトラックの配置先コントロールを有効にする。
  3. ソースクリップをソースビューアで開く。
  4. 手順1で設定した再生ヘッドの位置に合わせたいソースクリップのフレームにソースビューアの再生ヘッドを移動する。
  5. ツールバーの「クリップを置き換え」ボタンをクリックする。

手順5の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • ツールバーの「クリップを挿入」ボタンをクリックする。
  • メニューの[編集] > [置き換え]を選択する。
  • 「F11」キーを押下する。
  • 選択したクリップをタイムラインビューアにドラッグして表示される「編集オーバーレイ」を利用する。
「イン点」「アウト点」の設定が不要なこの方法は、短時間での編集が可能です。
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タイムラインエディター上の空のトラックを置き換え

置き換え編集を利用することで、タイムラインの空のトラックにクリップを置くように編集する編集方法です。

ソースビューアの再生ヘッドの位置のフレームがタイムラインエディターの再生ヘッドの位置に合わせて配置され、その位置に基づいてクリップのイン点とアウト点も反映されます。

別テイクで録音したオーディオデータのタイミングを合わせたりする際に、便利です。

具体的な手順は以下です。

  1. タイムラインエディターの再生ヘッドを、追加するクリップと合わせたいタイミングの位置に移動する。
  2. 新しく追加するクリップを配置予定のトラック(空トラックを想定)の配置先コントロールを有効にする。
  3. ソースクリップをソースビューアで開く。
  4. 手順1で設定した再生ヘッドの位置に合わせたいソースクリップのフレームにソースビューアの再生ヘッドを移動する。

    • 「イン点」「アウト点」を設定すると、追加するクリップの範囲を設定することが可能です。
  5. ツールバーの「クリップを置き換え」ボタンをクリックする。

手順5の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • ツールバーの「クリップを挿入」ボタンをクリックする。
  • メニューの[編集] > [置き換え]を選択する。
  • 「F11」キーを押下する。
  • 選択したクリップをタイムラインビューアにドラッグして表示される「編集オーバーレイ」を利用する。

エフェクトを維持したまま、クリップで置き換え編集

置き換え先のクリップに適用しているエフェクト類の効果を、置き換え後のクリップに適用させる編集方法です。

置き換え元と置き換え先の双方が、すでにタイムラインエディター上にあるクリップであることが大前提の内容です。

タイムラインエディター上に存在するクリップAを、同じくタイムラインエディター上に存在するクリップBと置き換えようとして場合、単にD&Dしてしまうと不都合が生じることがあります。

それは、置き換え先で、何らかのエフェクトなどを適用していた場合です。

単にD&Dによる置き換えをしようとすると、元々適用していたエフェクト類も上書きされてしまうことになります。

以下の手順を踏むことで、エフェクト類は上書きされず維持したまま、ビデオ・オーディオのクリップのみを置き換えることが可能です。

  1. タイムラインエディター上に存在していて置き換えもとにしたいクリップを1つ(もしくは複数)選択する。
  2. 「Ctrl + ドラッグ」を行う
  3. 置き換えたい場所に、ドロップする。

最上位トラックに配置

再生ヘッドの位置またはイン点とアウト点の範囲を基準として、以下の位置にソースクリップが追加される編集方法です。

トラック追加場所
ビデオ全ビデオトラックの最上段
オーディオ全オーディオトラックの最下段
必要に応じて、新しいトラックが作成されます。

この編集方法は、既存のクリップを背景にして、追加したクリップを重ねるような映像を作りたい時に便利です。

手順は、以下になります。

  1. タイムラインエディター上で、配置したい位置(イン点)に再生ヘッドを移動する
  2. 配置したいソースクリップを選択する。
  3. メニューの[編集] > [最上位トラックに配置]を選択する

手順1は、タイムラインエディター上で「イン点」「アウト点」を設定しても良いです。この場合は、「イン点」と「アウト点」の区間に配置されることになります。

手順2で、ソースクリップに「イン点」「アウト点」を設定すると、その区間のみが配置されます。

手順3の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • 「F12」キーを押下する。
  • 選択したクリップをタイムラインビューアにドラッグして表示される「編集オーバーレイ」を利用する。

タイムラインの末尾に追加

ソースクリップをトラックの末尾に追加する編集方法です。

手順は、以下になります。

  1. 追加したいソースクリップを選択する。
  2. 追加予定のトラックの配置先コントロールを有効にする。
  3. メニューの[編集] > [タイムラインの末尾に追加]を選択する。

手順1で、ソースクリップに「イン点」「アウト点」を設定すると、その区間のみが配置されます。

手順3の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • 「Shift + F12」キーを押下する。
  • 選択したクリップをタイムラインビューアにドラッグして表示される「編集オーバーレイ」を利用する。

タイムコードを基にタイムラインに挿入

メディアプールからタイムラインエディター上に直接クリップを上書きで追加する編集方法です。

以下の手順で、「ソースクリップのタイムコード」と「タイムラインエディター上でのタイムコード値」を一致させることができます。

  1. 追加したいトラックの配置先コントロールを有効にする。
  2. メディアプール上で、挿入したいクリップを選択する。(複数選択可)
  3. 選択したクリップのいずれかを右クリックし、コンテキストメニューを開く。
  4. コンテキストメニューで「選択したクリップをタイムコードを基にタイムラインに挿入」を選択する。

手順2において、クリップに「イン点」「アウト点」が設定されている場合は、その区間のみ追加対象です。設定されていない場合は、クリップ全体が追加対象になります。

選択した複数のクリップのタイムコードが重なっている場合、編集は行われません。
上書きでの追加動作になるため、後続のクリップの位置は変わりません。

ハンドルつきでタイムラインへ挿入

クリップの先頭および末尾から、あらかじめ設定した長さを引いたクリップをタイムラインエディター上に追加します。

また、本編集では、リップル動作が適用されるため、後続のクリップの位置は後ろにずれます。

クリップから引かれる長さは、[環境設定] > [ユーザー] > [編集] > [ハンドルのデフォルト値]で設定します。

手順は、以下になります。

  1. 追加したいトラックの配置先コントロールを有効にする。
  2. タイムラインエディター上で、追加したい位置に再生ヘッドを移動する。
  3. メディアプール上で、挿入したいクリップを選択する。(複数選択可)
  4. 選択したクリップのいずれかを右クリックし、コンテキストメニューを開く。
  5. コンテキストメニューで「選択したクリップをハンドル付きでタイムラインに挿入」を選択する。

なお、以下のケースでは、ハンドルは追加されないので、注意が必要です。

  • 手順3で選択するクリップに、「イン点」「アウト点」が設定されている場合。
  • クリップから引かれる長さの設定値が、手順3で選択したクリップより長い場合。
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フォーポイント編集の種類

タイムラインエディターで実施できる「フォーポイント編集」の内容について、まとめます。

リップル上書き

基本的な動きは、特定のクリップや範囲を上書きし、上書きによって生じたクリップの長さの差に応じて後続のクリップの位置をずらす編集方法です。

そのため、上書き前後の長さが同じでない限り、タイムラインエディターで作成する映像全体の長さは変わります。

リップル上書きコマンドは2つの方法があるので、以下で説明していきます。

タイムラインエディター上の特定のクリップ全体をリップル上書き

配置先コントロールを設定しているトラック上で、再生ヘッドが重なっているクリップを、新しいソースクリップで上書きできます。

自身でタイムラインエディター上に「イン点」「アウト点」を設定していない場合、DaVinci Resolveでは、上書きされるクリップの始点・終点を「イン点」「アウト点」として扱います。

手順は、以下です。

タイムラインエディター上で「イン点」「アウト点」が存在する場合、あらかじめ「Alt + X」を押下しておきましょう。
  1. タイムラインエディター上で、置き換えたいクリップに重なるように再生ヘッドを動かす。
  2. 置き換えたいクリップが存在するトラックの配置先コントロールを有効にする。
  3. メディアプール上で、挿入したいクリップを選択する。
  4. メニューの[編集] > [リップル上書き]を選択する。

手順3で、ソースクリップに「イン点」「アウト点」を設定すると、その区間のみが上書きされます。

手順4の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • 「Shift + F10」キーを押下する。
  • 選択したクリップをタイムラインビューアにドラッグして表示される「編集オーバーレイ」を利用する。

タイムラインエディター上で設定した「イン点」「アウト点」の区間をリップル上書き

自身でタイムラインエディター上で「イン点」「アウト点」により設定した区間を、新しいソースクリップで上書きできます。

手順は、以下です。

  1. タイムラインエディター上で、上書きしたい区間の始点・終点に「イン点」「アウト点」を設定する。
  2. メディアプール上で、挿入したいソースクリップを選択する。
  3. メニューの[編集] > [リップル上書き]を選択する。

手順2で、ソースクリップに「イン点」「アウト点」を設定すると、その区間のみが上書きされます。

手順3の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • 「Shift + F10」キーを押下する。
  • 選択したクリップをタイムラインビューアにドラッグして表示される「編集オーバーレイ」を利用する。

フィット トゥ フィル

ソースクリップ上とタイムラインエディター上の双方で設定したイン点とアウト点を基に、配置するクリップの長さを自動調整(リタイム)する編集方法です。

そのため、後続のクリップの位置は変わりません。

また、元々のクリップからの調整次第で映像の速度が変わる特徴があります。

調整内容速度変化
長くする映像が遅くなる
短くする映像が早くなる

手順は以下になります。

  1. タイムラインエディター上で、配置したい範囲に「イン点」「アウト点」を設定する
  2. 配置したいクリップが存在するトラックの配置先コントロールを有効にする。
  3. メディアプール上で、配置したいソースクリップを選択する。
  4. 配置するソースクリップ上で、配置したい範囲に「イン点」「アウト点」を設定する
  5. メニューの[編集] > [フィット トゥ フィル]を選択する。

手順1は、配置先にあるクリップもしくはギャップの位置に再生ヘッドを移動することで、代用できます。

手順5の代わりに、以下の操作で対応可能です。

  • 「Shift + F11」キーを押下する。
  • 選択したクリップをタイムラインビューアにドラッグして表示される「編集オーバーレイ」を利用する。

商品情報

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まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「エディットページ」のうち、「スリーポイント編集とフォーポイント編集の種類」についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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