動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも3D編集やアニメーション作成などに関わるFusionページの「ビューア」「タイムルーラー」「トランスポート」「ツールバー」のUIについて、チュートリアルとしてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっており、同社のFusion Studioのための内容としてはまとめていません。
ビューア
ビューアには、ノードエディターに設定されているノードの出力を確認することができます。
表示できる出力は表示しているビューア数に基づき、表示するノードは任意に選択できます。
ビューアツールバー
ビューアの上部には、表示内容を自由に設定できるコントロール(以下、参照)が存在します。
それぞれのコントロールについて、以下にまとめます。
No | 項目 | 説明 |
① | ズームメニュー | ビューアに表示する映像の表示倍率を変更します。 「Fit」「25%」「50%」「100%」「200%」「400%」から選択できます。 |
② | A/Bバッファ | ビューアのA/Bバッファーを使用して、1つのビューアに2つのノードの出力を設定できます。 これにより、左右のビューアを使用した場合、最大4つのノード表示を同時に扱えることになります。 また、バッファスプリットワイプ(分割ワイプ)にした時の境界線は、スライドさせるだけでなく、回転させることもできます。 なお、A/B/分割ワイプは、順に「,(カンマ)」「.(ピリオド)」「/(スラッシュ)」のショートカットキーで対応することができます。 |
③ | サブビューの種類 | アイコンクリックにより、「v」のプルダウンメニューで設定したビューをサブビューとして表示(もしくは非表示)することができます。 メニュー内にある「反転(Shift + V)」を選択すると、メインビューとサブビューの表示内容が切り替わります。 |
④ | ノード名 | 現在表示しているノードの名前が表示されます。 |
⑤ | 対象領域 | ここでいう「対象領域」は、レンダリング時の対象範囲となります。 アイコンクリックにより、「v」のプルダウンメニューで設定した「対象領域」を表示(もしくは非表示)することができます。 プルダウンメニューでは、デフォルトの「自動」の他、自身で範囲指定する「設定」、設定された領域を固定する「ロック」、領域をリセットする「リセット」が選べます。 |
⑥ | カラーコントロール | アイコンクリックにより、「v」のプルダウンメニューで設定したカラーチャンネルで表示(もしくは非表示)することができます。 |
⑦ | ビューアLUT | アイコンクリックにより、「v」のプルダウンメニューで設定したLUTを適用して表示(もしくは非表示)することができます。 プルダウンメニューでサブメニュー(2階層目)がない項目については、「編集」でカスタマイズすることができます。 |
⑧ | ビューア | 表示させるビューアの画面数を1画面と2画面で切り替えることができます。 |
上記①~⑧の他、⑨として「オプションメニュー」があります。
この内容について、以下にまとめます。
項目 | 説明 |
ピクセルにスナップ | イメージ内のピクセルの正確な境界線を確認できます。 イメージが特定のしきい値を超えて配置されている場合、明るい黒のグリッドが表示されます。 |
コントロールを表示 | 選択中のノードに紐づく「オンスクリーンコントロール」の表示/非表示を切り替えます。 |
領域 | ビューアの「対象領域」に関する設定を提供します。 上記⑤の対象領域で行える操作と重なります。 |
スムースリサイズ | より滑らかなバイリニア補間リサイズ法を使用したイメージのズームインを行うようになります。 ただし、補間がないため、使うタイミングには注意が必要です。 |
正方形ピクセルを表示 | 正方形ではないピクセルのフォーマットを使用する場合、アスペクト補正を施します。 |
チェッカーアンダーレイ | 透明のエリアを簡単に確認することができます。 透明なエリアの下にチェッカーボードが表示されます。 |
ノーマライズしたカラーレンジ | 通常の表示不可能な輝度を認識できるようにします。 具体的には、カラーチャンネル内の最も明るいピクセルを1.0(白)に、最も暗いピクセルを0.0(黒)になるように調整されます。 |
ゲイン/ガンマ | ゲインおよびガンマを調整できるように、ビューア上にスライダーの表示します。 |
360°ビュー | サブメニューから選択したフォーマットに基づき、球形イメージを表示します。 |
ステレオ | サブメニューから選択したフォーマットに基づき、立体視(ステレオスコピー)映像を表示します。 |
タイムルーラー
ビューアエリア下にあるタイムルーラーの範囲は、コンポジション全体の時間を表しています。
ライムルーラー上でのUTや操作についてまとめます。
レンダー範囲
黄色い線で囲まれた範囲は「レンダー範囲」と呼ばれます。
Fusionページに表示されるフレームの範囲となり、Fusionページ上の再生範囲、ディスクキャッシュ、プレビューの範囲となります。
レンダー範囲の変更は、一例として以下の方法があります。
- 設定したい範囲になるように「Ctrl + ドラッグ」を行う。
- 設定されている黄色い線を直接ドラッグする。
- トランスポートコントロール左側にあるフィールドで直接入力する。(後述)
再生ヘッド
タイムルーラー上では、赤線で再生ヘッドが表示されます。
また、以下の方法で再生ヘッドを操作することが可能です。
操作 | 説明 |
タイムルーラー内をクリック | クリックした場所に移動します。 |
タイムルーラー内でドラッグ | ドラッグした場所を追跡するように移動します。 |
「[」を押下する | 1フレーム前に移動する。 |
「]」を押下する | 1フレーム後ろに移動する。 |
「Option + [」を押下する | 「1つ前のキーフレーム」もしくは「レンダー範囲のイン点」にジャンプします。 |
「Option + ]」を押下する | 「1つ後ろのキーフレーム」もしくは「レンダー範囲のアウト点」にジャンプします。 |
スクロールバー
タイムルーラー下にあるスクロールバーでは、両端にマウスオーバーすると、「●」が表示されます。
この「●」をドラッグすることで、タイムルーラーの表示範囲を調整することができます。
また、タイムルーラー上で、通常のマウス操作による拡大/縮小を行っても表示範囲の調整ができます。
トランスポートコントロール
ビューアエリア下には、「トランスポート:1つ」と「タイムフィールド:2つ」を有しています。
それぞれに対して、以下で説明します。
①レンダー範囲フィールド
レンダー範囲の始点と終点を表示するフィールドです。
直接設定値を入力するか、タイムルーラーの「黄色い線」をドラッグすることで設定できます。
②オーディオボタン
クリップに紐づくオーディオの再生を無効にできます。(再生していないので、ミュートではない。)
また、コンテキストメニューを開くことで、訊きたいオーディオファイルを選択することができます。
③トランスポート
ボタンにより、「再生」「逆再生」「停止」「ループ」「巻戻し」「早送り」を行うことができます。
また、これらのボタンに対して開くコンテキストメニューが開きます。
まずは、共通項目とは異なるメニュー内容からです。
右クリックの対象 | 動作 |
再生、逆再生 | コンテキストメニューから指定したフレーム分を移動する再生が可能になります。 |
ループ | ループの方法を以下から選択できます。 【ループ】 【ピンポン】 |
次に、上記以外のトランスポートコントロールを対象に開くコンテキストメニューについては、Fusionページでのビューア表示に関する以下の項目を有しています。
Fusionページに置いて、ビューアに表示する処理の高速化に役立つ設定になります。
項目 | 説明 |
高品質 | 最終的なレンダリング結果と同じ品質で表示されます。 無効にした場合は、表示処理が早くなる傾向があります。 |
モーションブラー | モーションブラーの有効/無効を切り替えることができるグローバル設定です。 無効にした場合は、表示処理が早くなる傾向があります。 |
プロキシ | 有効時は、ビューア表示される映像の解像度が低下します。 |
自動プロキシ | 有効時は、パラメータを調整している時に限定して、ビューア表示される映像の解像度が低下します。 |
再生ループ | 上記の[ループ] > [ループ]に準じます。 |
ピンポンループ | 上記の[ループ] > [ピンポン]に準じます。 |
④現在のタイムフィールド
再生ヘッドの位置をのフレームが表示されるフィールドです。
直接設定値を入力することで、再生ヘッドを移動させることもできます。
ノードツールバー
ノードエディターで、使用頻度が高いであろう一般的なノードがボタンとして表示されています。
また、このツールバーのボタンは、カスタマイズすることも可能なので、ユーザーの好きなノードセットを設定して置くことも可能です。
ボタンについて
上図を基に、グループ毎に付随するボタン(ノード)を以下にまとめますが、各ノードの効果は別記事でまとめる予定です。
グループ | ボタン |
①Generator/Title/Paintノード |
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②カラー/ブラーノード |
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③合成/変形ノード |
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④Maskノード |
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⑤パーティクルシステムノード |
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⑥3Dノード |
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ツールバーのカスタマイズ
ツールバー上で開くコンテキストメニューを利用し、カスタマイズを行うことができます。
カスタマイズは、以下の流れになります。
- ツールバーを新規で作成する
- カスタマイズを行う
- 必要に応じて、作成済みのツールバーを切り替える。
これらを実施する方法を、もう少し細かく以下にまとめます。
なお、以下で行った操作に対し、「元に戻す」といった操作は適用されません。
実施内容 | 手順 |
ツールバーの新規作成 |
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ボタンを追加/並び替え |
追加時のD&D元は、ライブラリからでもノードエディターからでも可能です。 |
境界線を追加 |
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ボタン/境界線を削除 |
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境界線間をまとめて削除 |
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ツールバーの名称変更 |
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ツールバーの削除 |
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変更を防止 |
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ツールバーの切り替え |
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商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「Fusionページ」のうち、「ビューア」「タイムルーラー」「トランスポート」「ツールバー」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。