動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも3D編集やアニメーション作成などに関わるFusionページの「ビューア」の使い方をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。
ボリュームが多いので、前編/後編に分けてまとめています。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっており、同社のFusion Studioのための内容としてはまとめていません。
本題の前に
ビューアでは、ノードエディターでのノードの出力映像の他、サブビューやオンスクリーンコントロールなどが利用できます。
本記事は、ビューアで可能な操作や設定値の説明など、詳細な内容について記載しています。
そのため、UIの概略や本記事に載っていない情報は、「Fusionページ~UIの概要:ビューア、タイムルーラー、トランスポート、ツールバー~(リンク)」「Fusionページ~ビューア:前編~(リンク)」も参照ください。
ガイド
編集のサポートに役立つ「ビューアに表示される補助線(オーバーレイ)」です。
編集のサポート用なので、レンダリングした最終的な結果には反映されないものです。
表示/非表示
以下のいずれかの方法で対応できます。
- ビューアに対して開くコンテキストメニューの[ガイド] > [ガイドを表示]を選択する。
- 「Ctrl + G」を押下する。
フレームアスペクト比の変更
ビューアに対して開くコンテキストメニューから変更可能です。
[ガイド] > [フレームアスペクト]のサブメニューで変更したいアスペクトを選択します。
なお、指定したアスペクトの範囲外の領域は少し暗く表示されます。
初期値となっている「Default」は、ビューアに表示している解像度と同じアスペクト比が適用されます。
ガイドの種類
ガイドには、4種類あります。
ビューアに対して開くコンテキストメニューの[ガイド]で、各々に対して有効/無効を切り替えることができます。
種類 | 説明 |
モニターセーフ | 一般的なモニターおよびテレビ画面で表示可能なアクションセーフエリアを示します。 基本的に、セーフタイトルの内側に表示されます。 |
セーフタイトル | すべてのモニターおよびテレビ画面で表示可能なタイトルセーフエリアを示します。 基本的に、モニターセーフの内側に表示されます。 |
センター | ビューの「中心点」と「X軸およびY軸の十字線」を表示します。 |
フィルム | メニューの[Fusion] > [Fusion Settings] > [フレームフォーマット] で設定したフィルムガイドを表示します。
|
オプション(コンテキストメニュー)
コンテキストメニューのみに存在するオプション設定です。
設定内容は、以下になります。
項目 | 説明 |
アルファオーバーレイ | 通常のカラーチャンネルに重ねて、アルファチャンネルを表示します。 |
オーバーレイカラー | アルファオーバーレイを有効にすると、設定可能になります。 アルファチャンネルに覆われた領域を表示する「色」と「不透明度」を設定します。 |
アクティブノードを表示 | ビューアは常にノードエディターで選択されているノードを表示するようになります。 |
ラベルを表示 | ビューアのオンスクリーンコントロールに付随するテキストを表示します。 |
クアッドビュー(コンテキストメニュー)
ビューの中に4枚のビューを表示させることができます。
クアッドビューを用いると、3D/2Dの双方で以下のようなメリットがあります。
ビュー | メリット |
3D | 「前」「左」「上」「下」などの異なる方向から見た空間を表示できる。 |
2D | 「イメージチャンネル」「サブビュー」を表示できる。 |
表示/非表示
以下のいずれかの方法で対応できます。
- ビューアに対して開くコンテキストメニューの[ビュー] > [クアッドビュー]を選択する。
- 「Shift + Q」を押下する。
なお、ビューアに対して開くコンテキストメニューの[ビュー] > [クアッドレイアウト]で、何を表示するか?を選択できます。
2Dでのクアッドビューの利用
以下の操作を行うことが可能です。
操作 | 手順 |
表示するビューの切り替え |
|
サブビューを表示 |
|
ビューア表示をロック(コンテキストメニュー)
以下の方法で、ビューアを編集できないようにロックさせることが可能です。
- ビューアに対して開くコンテキストメニューの「表示をロック」を選択する。
- 「Ctrl + L」を押下する。
ビューアの設定
ビューアの表示内容は、個別に保存し、後からロードすることが可能です。
以下に方法をまとめます。
操作 | 手順 |
設定を保存 |
|
設定をロード |
|
デフォルトに保存 |
|
デフォルトをロード |
|
3Dビューア
ノードで3Dに関するものを利用した時に、利用されるビューアです。
3Dビューアでは立体視されるため、通常の2Dで可能な「パン」等の操作に加え、「立体的な回転」も可能になります。
回転をするには、「Alt + ドラッグ」もしくは「マウスの『中ボタン + 右ボタン』によるドラッグ」で対応できます。
また、ビューアに対して開くコンテキストメニューには、「3Dオプション」のメニューが表示されます。
このメニューから、「ライティング」「シャドウ」「ワイヤーフレーム」「グリッド」「法線」などの表示/非表示を行うことができます。
視点をカメラにコピー
3Dビューアでは「カメラ」を利用できますが、カメラを通した映像を「現在表示している視点に合わす」ことが可能です。
手順は、以下になります。
- ビューアの表示を、視点にしたい位置に動かす。
- カメラを追加する。
- ビューアに対して開くコンテキストメニューの[カメラ] > [視点をコピー]でコピー先のカメラを選択する。
【参考】Flipbookプレビュー
ノードツリーを構成内容が複雑になるほど表示に伴る処理が遅くなりますが、「RAMプレビュー」を用いると処理速度の改善に役立ちます。
DaVinci Resolveでは、「Flipbookプレビュー」というものがあります。
「Flipbookプレビュー」を用いると、様々な品質レベルのRAMプレビューを作成することができ、プレビューの速度を改善することができます。
作成方法
以下の手順で、「Flipbookプレビュー」を作成することができます。
- ノードエディター上の対象とするノードをビューア上に「Alt + ドラッグ」する。
- 表示された「レンダー」ウィンドウで、各種設定を行う。(後述)
- 「レンダー開始」を押下する。
レンダー結果は、ドラッグしたビューアに表示されます。
また、レンダー後のビューアに対するコンテキストメニューでは、Flipbook用のメニューが表示されるようになります。
削除方法
以下の手順で、「Flipbookプレビュー」を削除することができます。
- Flipbookプレビューが適用されているビューアに対してコンテキストメニューを開く。
- 開いたコンテキストメニューで「プレビューを削除」を選択する。
「レンダー」ウィンドウの設定項目
「作成方法」の手順2にあった「レンダー」ウィンドウの設定項目を以下にまとめます。
設定項目 | 説明 |
設定 | ベースとなる品質を指定します。 【高質】 【MB】 【選別】 |
レンダリングの対象 (Shoot On) | レンダリングするフレーム間隔を指定します。 |
サイズ | レンダリングする際の解像度を指定します。 この解像度は、RAMが少ない場合にどこ解像度まで下げるか?を指定する設定です。 |
レンダリングの ネットワークグループ | DaVinci ResolveのFusionページでは設定できない項目です。 別ソフトのFusion Studioでのみ利用可能です。 |
フレーム範囲 (Frame Range) | デフォルト設定は、現在のレンダー範囲(タイムルーラー上のイン点/アウト点の区間)です。 直接数値を変更することで、レンダリングするフレーム数を変更できます。 |
コンフィギュレーション (Configurations) | 有用なプレビューコンフィギュレーションを作成したい場合に利用します。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「Fusionページ」のうち、「ビューア」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。