【DaVinci Resolve】ResolveFX~リバイバル③~

動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、サードパーティーのエフェクトに頼らなくても良いように、多くのエフェクトが内蔵されています。

今回は、その中でもエフェクトの「ResolveFX」の「フリッカー除去」から「色収差の除去」について、まとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 19 に基づいた内容になっています。

ResolveFXの一覧は、「ResolveFX~概要とエフェクト一覧~(リンク)」を参照ください。
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フリッカー除去(Studioバージョンのみ)

映像内のフリッカー(ディスプレイのちらつき、明暗の細かい変動)を抑制するエフェクトです。

スローモーション、タイムラプスなどの映像の修正、照明などのちらつきを修正したい場合に適していると思います。

エディットページでは、[表示].> [ビューアオーバーレイ] > [OpenFXオーバーレイ]を有効にしておくと、配置するパッチが表示されます。

設定値は以下があります。

基本設定

本設定は、特定のセクションの配下にはないので、便宜上「基本設定」で括っています。

フリッカー除去のベースとなる設定は以下になります。

設定項目説明
フリッカー除去の設定以下から除去の方法を選択します。

  • タイムラプス
    • 時間的な要因のフリッカーを効果的に除去できるプリセットです。
  • 蛍光灯
    • 空間(光)的な要因のフリッカーを効果的に除去できるプリセットです。
  • アドバンスコントロール
    • 上記2つのプリセットでうまくいかなかった場合に選択すると効果的です。
    • 「時間的ノイズ除去」をカスタマイズして除去することができます。

時間的ノイズ除去コントロール

映像の複数のフレームを分析することで、ノイズのみを分離するため設定群です。

「フリッカー除去の設定」が、「アドバンスコントロール」の時に表示されます。

設定項目説明
前後のフレーム数分析対象とするフレームの数です。
現在のフレームの前後にあるフレーム数を指定します。
動き推定イメージ内の動きを検出する方法を以下から選択します。

  • 速度優先
  • 画質優先
  • なし

「なし」の場合は、時間的ノイズ除去を適用しないのではなく、イメージ全体に適用されるようになります。

動きの範囲 除去されるノイズの動きの速度を選択できます。
輝度のしきい値 輝度に対して適用する時間的ノイズ除去の量を調整します。
クロマのしきい値 クロマに対して適用する「時間的ノイズ除去」の量を設定します。
Gang Luma Chroma 輝度のしきい値とクロマのしきい値のパラメーターは連動させることができます。
動きのしきい値 動きがあると判断するしきい値を調整します。

速度最適化オプション

速度と品質に関わる内容の設定群です。

設定項目説明
低ディテールフリッカー除去の分析で使用するディテールの量を減らします。
意図しない除去もされているような場合は、無効にしてください。
「フリッカー除去の設定」が、「タイムラプス」の時は、無効になります。
分析領域の制限 フリッカー除去の適用範囲をオンスクリーンコントロール(四角形)で限定します。

フリッカー除去後に元のディテールを復元

意図せず除去されてしまう領域が存在する場合、ディテール部を除去せずに維持するための設定群です。

設定項目説明
復元するディテール スライダーにより、ディテール部を維持する度合を調整します。
復元したディテールを表示維持(復元)する対象として検出しているディテール部を確認することができます。
これにより、復元状況を確認しながら、「復元するディテール」で調整することが可能です。

出力

ビューアに表示する内容を設定する項目です。

設定項目説明
出力適用結果を確認する際に表示する内容を以下から選択できます。

  • 検出フリッカー
    • 検出されたフリッカーが存在している箇所が、ハイライト表示されます。
  • 拡大フリッカー
    • 「検出フリッカー」マスクを強調表示して、「フリッカー除去」プラグインの処理を見やすくすることができます。
  • 除去結果
    • エフェクトが適用された最終的な出力イメージが表示されます。
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フレームリプレイサー(Studioバージョンのみ)

特定のフレームを、その前後のフレームで置き換えるエフェクトです。

乱れが生じていたり、損傷しているような映像の一部のフレームを修正したい場合に適していると思います。

エディットページでは、[表示].> [ビューアオーバーレイ] > [OpenFXオーバーレイ]を有効にしておくと、配置するパッチが表示されます。

設定値は以下があります。

基本設定

本設定は、特定のセクションの配下にはないので、便宜上「基本設定」で括っています。

フレームリプレイサーのベースとなる設定は以下になります。

設定項目説明
このフレームを置き換え再生ヘッドの位置のフレームを「置き換えたいクリップ」として選択します。
本設定を有効にすると同時に、キーフレームが打たれます。
また、再生ヘッドを移動すると、チェックボックスのチェックも消えます。
置き換え方法新しいフレームを作成する方法を以下から選択できます。

  • 前から
    • 選択したフレームを、直前のフレームと置き換え(≒コピー)します。
  • 後から
    • 選択したフレームを、直後のフレームと置き換え(≒コピー)します。
  • 前後をブレンド
    • 選択したフレームを、前後のフレームをブレンドしたものに置き換えます。
  • オプティカルフロー
    • 選択したフレームを、前後のフレームのブレンドしたものに置き換えます。
    • この時、DaVinciResolveのオプティカルフロー技術を用います。

自動ダート除去(Studioバージョンのみ)

映像内の汚れや小さな欠陥を自動的に検出し、修正するエフェクトです。

フィルム撮影などの昔の映像をクリアにしたい場合などに適していると思います。

設定値は以下があります。

基本設定

本設定は、特定のセクションの配下にはないので、便宜上「基本設定」で括っています。

ダート除去のベースとなる設定は以下になります。

設定項目説明
動き推定の種類イメージ内の動きを検出する方法を以下から選択します。

  • なし
  • 速度優先
  • 通常
  • 画質優先

「なし」の場合は、時間的ノイズ除去を適用しないのではなく、イメージ全体に適用されるようになります。

前後のフレーム分析対象とするフレームの数です。
現在のフレームの前後にあるフレーム数を指定します。
除去の強度 検出されたダートやアーチファクトを除去する度合を調整します。
ダートのしきい値ダートと判断する大きさを調整します。
設定した値未満のダートを除去対象から外すことになります。
除去マスクを表示 エフェクト適用前後の差を確認することができます。

微調整

意図せず除去されてしまう領域が存在する場合、微調整を行うための設定群です。

設定項目説明
動きのしきい値 除去対象とする動きのあるピクセルのしきい値を調整できます。
エッジを無視 オブジェクトの輪郭の除去対象から外す度合を調整できます。

色収差の除去(Studioバージョンのみ)

レンズの特性によって発生する色収差(エッジにおける色のにじみやズレ)を修正するエフェクトです。

高解像度・高コントラストの映像においてエッジで発生する色のにじみを修正し、映像のシャープさと色の正確なものにしたい場合に適していると思います。

エディットページでは、[表示].> [ビューアオーバーレイ] > [OpenFXオーバーレイ]を有効にしておくと、配置するパッチが表示されます。

設定値は以下があります。

アドバンスオプション

レンズの位置を調整するための設定です。

「推定フリンジを表示」を有効にした時に、本設定も有効になります。

設定項目説明
レンズの中心 レンズの中心を「X軸」「Y軸」を調整することできます。
強力な補正 補正の度合を強くした設定に変更します。

推定オプション

見えにくいフリンジを強調表示して調整しやすくするための設定群です。

「推定フリンジを表示」を有効にした時に、本設定も有効になります。

「X/Xのバランス」の設定は、「推定フリンジ」を有効にした色に紐づく設定が有効になります。
設定項目説明
赤/シアンのバランス 赤/シアンのバランスを調整してフリンジに対処します。
緑/紫のバランス 緑/紫のバランスを調整してフリンジに対処します。
青/黄のバランス 青/黄のバランスを調整してフリンジに対処します。
明るさ 有効になっているカラーのフリンジを拡大します。

収差の補正

各フリンジを調整するための設定群です。

以下の設定の説明における「X/X」には、「赤/シアン」「緑/紫」「青/黄」のいずれかが入ります。
設定項目説明
X/Xのスケール 補正対象とする範囲を調整します。
X/Xのエッジ レンズの中心より離れた場所でカーブさせる度合いを調整します。
推定フリンジを表示 フリンジと類似するイメージ特徴の位置を表示します。

商品情報

公式HPでは、無料版もダウンロードできます。

無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。

また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。

動画編集に関するプロフェッショナルな編集、カラー、エフェクト、オーディオが1台で可能なポストプロダクション。ライセンス版とUSB版を選べます。

まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「ResolveFX」のうち、「フリッカー除去」から「色収差の除去」についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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