テスト管理を効率的に!オールインワンのテスト管理ツール:CATの紹介

昨今のリモートワークの需要などの影響で「顔合わせていればリアルタイムに情報を取れるのに、どうしても時差が生じる。」「業務も効率よく進めにくい。」そんなことはないですか?開発工程の中で、テスト工程が切羽詰まっている状態で行うことが少なくありません。以下に効率的に楽に進められるかは大変重要なことです。

今回話題とするのは、テスト管理ツールです。数あるテスト管理ツールの中でも、テストで必要なものは全て入っているような統合型のテスト管理ツール:CAT(COMPUTER AIDED TEST)について紹介していきます。CATでは、リアルタイムに自動かつ正確に状況の管理と把握をすることができます。

この手のツールは、知っているのと知らないのとでは効率も全く変わってくるツールです。実際に使用してみた経験から記載している部分もあるので、ぜひ参考にしてみて下さい。

スポンサーリンク

CATとは

CATは、株式会社SHIFTが開発したテスト工程における管理業務を一手に担うソフトウェアす。テスト管理、障害管理、進捗管理など隅々まで行うことができ、効率化に役立ちます。

また、同じ管理者が複数のプロジェクトを管理することも可能です。終了したプロジェクトも保存されますし、表示されないようにすることも可能です。複数テーマを担う部の単位などで導入すると、リーダーによる管理・状況の把握が非常に効率よくできると思います。テーマを異動したときの導入教育などのコストも削減できるでしょう。

解決できる悩み

私は、今まで経験していた中で、解消できた悩みが以下です。

  • 日々の集計
  • テスト仕様書のファイルの排他操作・破損
  • 設計側と評価側でのやり取りの多さ
  • 異動時の導入教育のコスト

テスト管理ツールなどを使用していない場合は、大抵EXCELを使用しているのではないでしょうか?

日々の集計では、「計算式が正しくなく誤差が発生」、実施人数が多いほど「人手による計算ミスの発生」「個々の認識の違いによる間違った集計方法を実施」などの理由が重なってくるのではないでしょうか?

ファイルの破損の面ではどうでしょう?テスト仕様書などのドキュメントをNAS(ネットワーク経由にアクセスできるHDD)やクラウド上に置いて、複数人が同時に更新をしていくと意図しない動作をするかもしれません。保存したとたんに、編集したはずが上書き保存などで無に返ったり、最悪ファイル自体が壊れることもあります。

設計側と評価側でのやりとりでは、欲しい情報がある度に情報の「要求」と「返答」を繰り返さなくてはなりません。1回程度で済むなら良いですが、そんなはずもなく何度も何度も定期的にやりとりすることが常です。しかもそう言った情報はある程度決まってきます。

また、部署やテーマをまたがる異動の際に常に使用する「ツール」や「ドキュメントのフォーマット」が異なっていたらどうでしょう。覚えるだけでも多くの時間を費やしてしまうかもしれませんね。

これらに対する対応の時間は積み重なれば相当なものになってくるでしょう。今回紹介するCATはこれらの悩みから解放してくれるようなツールになっています。

テスト工程で何ができるのか

「テスト仕様書作成(実装以降)」「テスト実行」「進捗管理」「分析」が可能です。

テスト仕様書作成

あらかじめ決まったフォーマットのEXCELでテスト仕様書を作成すれば、インポートすることでテスト項目の登録が可能です。1つのテスト仕様書において20シートまで作成可能で、除外したいシートをインポートさせないこともできます。もちろんゼロから直接CAT上でテスト項目を作成することも可能なので、EXCELインポート後も編集は可能です。操作もEXCELと同じ感覚で行うことができます。セル(便宜的にセルと言います。)のコピー、「ALT+ENTER」による改行、「Ctrl+クリック」の複数選択など、問題なくできるので使い勝手が良いです。

また、セルの列ごとには、プルダウンメニューを割り当てることもできます。自由記入欄だけにならず、入力内容を指定できるのは管理者としても嬉しいですね。

テスト実行

登録されているテスト項目はテスト仕様書として扱えるため、実行結果も記載可能です。結果は「未実行」「OK」「NG」「保留」「修正済」「対象外」からをクリックで選ぶことができます。テスト仕様書上で障害票を記載して、該当の項目と紐づけることも可能です。テスト項目からは何件の障害票(課題)が関わっているかをバッジで把握することができます。これらは、テスト実行と障害の対策確認時の手間を軽減してくれます。また、課題一覧を見ることで、紐づいているテスト項目が障害票ごとに確認することもできます。障害が直った時に確認すべき項目も一目瞭然です。また、変更履歴も自動で保存してくれるので、誰が何を変更したか?も判断が付きます。

進捗管理

入力された内容は、CAT内の関連するデータを即座に反映します。そのため、テスト実行者・管理者を初めとする関係者は、本当の意味でリアルタイムで新鮮な情報を得ることができます。これは非常に重要なことです。

チーム内で適切にルールを決めておけば、優先度・種別・ステータスなどの設定項目を変更してフローを回すことでその障害票の状況を管理できます。コメントを記載することで、メモや補足を記載することも可能でしょう。

テスト結果も「最終更新者」「最終更新日」と共にエクスポート可能なので、そのままテスト結果報告に利用することも可能です。

また、テスト実行の欄で「課題一覧で、紐づいているテスト項目が障害票ごとに確認することもできる。」と言いましたが、これはブロッキングバグの確認にも役立ちます。より緊急度の高い障害がどれか即座に判断できるようになっています。フィルター機能や特定のカラムに対するグループ化の機能もあるので、可視性も高いです。

分析

分析では、プロジェクトのテスト全体の進捗状況が「グラフ」と「数値の表」でリアルタイムの情報を得ることができます。グラフでは、信頼度成長曲線も表示されるので、単にテスト項目を消化できているかだけでなく、テストが着実に収束に向かっているか?ということも確認することができます。そのため、現在の状況が遅れているか?進んでいるかと言った予実績の状況を一目で確認することができます。また、「テスト仕様書ごと」「テスト環境ごと」「メンバーごと」に、どの程度予定通り評価を進めることができているか?を詳細に確認することもできます。

スポンサーリンク

その他の機能

外部ツールとの連携(ノーマルライセンスのみ)

本ツールは、外部ツールとの連携も可能で、JIRA、Redmine、Backlogなどの障害票管理ツールと組み合わせることが可能です。そのため、現環境をそのまま流用し、プラスアルファのツールとして活用し始めることが可能です。これは、ツール移行のコストなどを削減することにもつながります。今後TFSなどと連携されるようになれば、より活用の場が広がると思います。(なってほしいです。)

スケジュール管理(ノーマルライセンスのみ)

スケジュール管理もできます。ガントチャートを用いてできるので、本ツールでできることはテスト工程に留まらず、設計段階の上流工程にも役立てることができます。

進捗状況のメール配信

決めた時間に、その時の進捗をメールで配信することが可能です。該当のプロジェクトに関連付けされているユーザーの中でも配信相手を指定することが可能です。また、その配信内容もカスタマイズ可能です。ショートコードを用いるなど、簡単にカスタマイズすることができます。

ソースコードの変更履歴(ダウンロード版のみ)

テスト管理ツールではありますが、設計にも利点があります。リポジトリと連携することでソースコードの変更履歴を確認することもできます。障害対策時のソースコードのレビューも本ツールの中でできるでしょう。

REST API対応

バージョン4.16.1より、REST APIに対応しています。リファレンスは、こちらから参照ください。

補足情報

サポートOS

クライアント環境

  • Windows 7 Professional SP1
  • Windows 7 Ultimate SP1
  • Windows 8.1
  • Windows 8.1 Pro
  • Windows 8.1 Enterprise
  • Windows 10 Pro
  • Windows 10 Enterprise

※いずれも、32bit / 64bitの双方に対応しています。

ブラウザ

  • Google Chrome(推奨)
  • Microsoft Internet Explorer 11

※詳細は、公式HPをご覧ください。

販売形態

月額制のサブスクリプションで販売しています。種類は2種類あり、小規模チーム向けの「スターターライセンス」と中・大規模チーム向けの「ノーマルライセンス」です。ノーマルライセンスは、ユーザー数で価格も変わってきます。また、ツールもブラウザで使用するクラウド版の他に、ダウンロード版も存在します。ただし、「スターターライセンス」から「ノーマルライセンス」への移行はできないようです。

「ノーマルライセンス」と「スターターライセンス」の主な機能差異は、以下です。

  • 外部課題管理ツールとの連携(ノーマルライセンスのみ)
  • スケジュール管理機能(ノーマルライセンスのみ)
  • 同時に管理できるプロジェクトに上限あり(スターターライセンスは、最大5個)

クラウド版とダウンロード版の機能差異は、以下です。

  • プラグインの利用可能(ダウンロード版のみ)

2020年5月時点で、Git連携とSubversion連携のプラグインが存在します。プラグインの詳細はこちらを参照ください。

スポンサーリンク

まとめ

今回は、テストに管理しては、オールインワンのテスト管理ツール:CATについて、取り上げました。CATはあくまでも一例で、世の中には様々な管理ツールが存在します。その中でも、テストを行う上で管理者・実施者にとって必要なものは全て入っているような作りになっています。今後のアップデートも楽しみなツールです。

本記事が、皆さまの参考になっていただければ幸いです。

スポンサーリンク