二因子間網羅の組み合わせを作成する手法:All-Pairs(オールペア)法・直交表(※)。その手法で組み合わせを作成する際に手助けとなるツールがあります。
本記事では、そのツールについて説明していきます。業務内容に特化した内容になりますが、興味ある方はご覧ください。
※それぞれどのような内容なのかについては、リンク先の記事をご覧ください。
Pict と Pict Master
Pict
組み合わせを作成する際に使用できるツールは、Pictというものになります。Microsoftがフリーで提供する自動でテストケース作成ツールです。All-Pairs法に基づいて、テストケースを作成します。どうやら、Microsoft社内でのテストでも実際に利用されているようです。Pictについては、CUI(コマンドプロンプト)上で使用するものになります。
Pict Master
上記のPict をGUI(EXCEL)を使用して誰でも使いやすく、そして高機能したものです。また、最新バージョンのPict Masterでは、All-Pairs法(Pairwise法) と 直交表 のどちらでも使えるものになっています。テスト対象に合わせて作成方式を選択でき、使用機会も増えています。
※Pict をインストールしていることが大前提とした動作になります。
※大雑把に言うと、直交表は テンプレートを使用して組み合わせを作成する方法になりますが、Pict Masterが内蔵しているテンプレート数は約300種類あります。
※Pictの他、別の組合せテスト用テストケース作成ツール「CIT-BACH」というものも対応しているようです。「CIT-BACH」は、ペアワイズテストから5-wayテストまでをサポート.また,全数テストも可能とのことです。「CIT-BACH」のダウンロードは、こちら
環境構築 ~インストール方法~
①Pictのダウンロード
こちらからダウンロードしたいバージョンのexeファイルをダウンロードしてください。
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1.Google Chromeを使用し、こちらを開く。
2.「Code」をクリックし、「Download ZIP」を押下する
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※Chromeを使用しないと、「Code」をクリックしても「Download ZIP」が表示されないことがあります。
②Pict.exe の配置
手順①でダウンロードしたPict.exeを「C:¥Program Files (x86)\PICT」に配置します。
「PICT」フォルダーは、自身で作成して下さい。
③Pict Master のダウンロード
こちらから、最新版をダウンロードしてください。
④Pict Master のインストール
手順③でダウンロードしたZipファイルを解凍してください。
解凍されたフォルダ内にある以下のファイル群を、手順②で作成した「PICT」フォルダ内にコピーしてください。
- cit.jar
- nkf.exe
- oalib
- oalibmix
⑤Pict Master の起動
解凍されたフォルダ内にある「PictMaster64.xlsm」をダブルクリックしてください。こちらがPict Masterの本体になります。
基本的な使い方
①PictMaster64.xlsm を起動する
②「環境設定」ボタンを押下し、作成方法(All-Pairs法/直交法)を選択します。
③組み合わせを作成したいパラメータとそれぞれの値を入力します。
パラメータ:「パラメータ」欄
値:「値の並び」欄(それぞれの値は「,」で区切ってください。)
④「実行」ボタンを押下する
基本的には、これだけで入力した値の組み合わせが出力されます。出力結果は、別ウィンドウのEXCELにて表示され、ファイル保存することで結果を保存できます。
※連続で「実行」ボタンを押しても、2回目以降はエラーになります。別途結果を得たい場合は、出力(表示)されている結果を一度閉じてください。
まとめ
今回は、組み合わせを作成する際に手助けとなるツール:Pict Masterを紹介しました。本記事では、基本的な概要説明/環境構築/使用方法にとどめましたが、制約を設けることや網羅する因子数の変更などもできます。興味のある方は、一度試してみると面白いと思います。