本記事では、V-STAGEの「MFX(Tone FattenerからPhonograph)に関する設定」を徹底解説します。
Rolandのフラッグシップ・ステージ・キーボードである「V-STAGEシリーズ(V-STAGE 76 / V-STAGE 88)」。
V-STAGEの様々なところで登場するのが、「MFX」です。
「MFX」を理解すると音作りの幅が格段に上がりますので、「自分専用」にするためのマニュアルとしてご活用ください。
MFXの種類とパラメータ
V-STAGEに搭載されている全MFXについて、パラメータを紹介していきます。
なお、本エフェクトの中には、「SPD-SX PRO」「SH-4d」といった他のROLAND製品にも搭載されているものがあります。
Tone Fattener
特殊な歪みをかけて、倍音を加えることで、音に厚みを加えるエフェクトです。
「原音」に「Odd Overtone Generator」「Even Overtone Generator」を通した音を加える構成となっています。
| パラメータ | 説明 |
| Odd Level | 奇数次倍音の量を調整します。 |
| Even Level | 偶数次倍音の量を調整します。 |
| Level | 出力される音量を調整します。 |
RD EPAmpSim
RDシリーズのSuperNATURAL E.Piano向けに開発されたアンプシミュレーターのエフェクトです。
| パラメータ | 説明 |
| Bass Treble | 各帯域の増幅量/減衰量を調整します。 |
| Tremolo Switch | トレモロの有効(オン)/無効(オフ)を切り替えます。 |
| Tremolo Type | 適用するトレモロの種類を選択します。
|
| Tremolo Sync | ONのとき、エフェクトの変化する周期がテンポに同期します。 |
| Tremolo Rate(Hz) | エフェクトに適用する周期を、周波数で調整します。 |
| Tremolo Rate(note) | エフェクトに適用する周期を、音符で調整します。 「Sync」が有効な場合に、利用できます。 選択肢は、こちら(リンク)を参照ください。 |
| Tremolo Depth | トレモロ効果の深さを調整します。 |
| Tremolo Shape | トレモロの波形を選択します。 |
| Amp Switch | スピーカーと歪みの有効(オン)/無効(オフ)を切り替えます。 |
| Speaker Type | スピーカーの種類を選択します。 ただし、LINEのときはスピーカーを通しません。 |
| OD Drive | 歪み具合を調整します。 音量も変化するので、注意が必要です。 |
| Level | 出力される音量を調整します。 |
Saturator
歪み(倍音)を加えますが、「音色を劇的に変える」ではなく「音の質感や密度を向上させる」エフェクトです。
「Pre Filter」「Overdrive」「3つのPost Filter」の直列接続で構成されています。
| パラメータ | 説明 |
| DrvPre Type | 歪みの処理前のフィルターの種類を選択します。
|
| DrvPre Frequency | 歪みの処理前のフィルターの作用する周波数を調整します。 |
| DrvPre Gain | 歪みの処理前の増幅/減衰させる量を調整します。 「DrvPre Type」で、LSV/HSVタイプを選んだ時に有効です。 |
| Drive | 歪みの強さを調整します。 |
| DrvPost1 Type DrvPost2 Type DrvPost3 Type | 歪みの処理後の各フィルターの種類を選択します。 |
| DrvPost1 Frequency DrvPost2 Frequency DrvPost3 Frequency | 歪みの処理後の各フィルターに作用する周波数を調整します。 |
| DrvPost1 Gain DrvPost2 Gain DrvPost3 Gain | 歪みの処理後の増幅/減衰させる量を調整します。 「DrvPost Type」で、LSV/HSVタイプを選んだ時に有効です。 |
| DrvPost3 Q | フィルターに作用する周波数帯の幅を調整します。 |
| Makeup Sense | 歪みをかけた時の、音の上限を調整します。 |
| DrvPost Gain | 歪みの処理後の増幅量/減衰量を調整します。 |
| Drive Balance | 原音(D)とエフェクトを適用した音(W)の音量バランスを調整します。 |
| Level | 出力される音量を調整します。 |
Warm Saturator
前述のサチュレーターよりも、より温かみのあるサチュレーションが得られるエフェクトです。
「Low/HighのEQ」を「Saturator(「Pre Filter」「Overdrive」「3つのPost Filter」の直列接続)」の前に直列接続した構成となっています。
なお、以下に記載がない設定については、上記の「Saturator」を参照ください。
| パラメータ | 説明 |
| EQ Low Frequency | 音の増幅/減衰を行う際に基準となる周波数を調整します。 増幅/減衰の対象は、基準周波数より低い音となります。 |
| EQ Low Gain | 増幅/減衰させる量を調整します。 |
| EQ High Slope | 高域を減衰させる変化の仕方(減衰特性、1オクターブあたりの減衰量)を設定します。 値が大きい(-12dBに近い)ほど、ゆるやかな傾きになります。 |
| EQ High Frequency | 高域を減衰させる際に基準となる周波数を調整します。 減衰の対象は、基準周波数より高い音となります。 |
HMS Distortion
往年のロータリースピーカーの真空管アンプ部分をモデリングした歪み系のエフェクトです。
「Tube Model Distortion」のみで構成されています。
| パラメータ | 説明 |
| Distortion | 歪みの強さを調整します。 |
| Level | 出力される音量を調整します。 |
LOFI Compress
音量の幅(ダイナミックレンジ)を狭くし、かつ音を劣化させることで、音質を粗くするエフェクトです。
「Compressor」「Lo-Fi」「2-Band EQ」の直列接続で構成されています。
| パラメータ | 説明 |
| Pre Filter Type | Lo-Fiを通る前のフィルターの種類を選択します。 「1」は、Compressorがオフになります。 |
| LoFi Type | Lo-Fi回路の種類を選択します。 値が大きいほど音質が粗くなります。 |
| Post Filter Type | Lo-Fiを通ったあとのフィルターの種類を選択します。
|
| Post Filter Cutoff | 「Post Filter」の基準周波数を調整します。 |
| Low Gain High Gain | 各帯域の増幅量/減衰量を調整します。 |
| Balance | 原音(D)とエフェクトを適用した音(W)の音量バランスを調整します。 |
| Level | 出力される音量を調整します。 |
Bit Crusher
音の解像度を意図的に下げることで、デジタル的な歪みやザラつきを生成するエフェクトです。
「Bit Crusher」「2-Band EQ」の直列接続で構成されています。
| パラメータ | 説明 |
| Sample Rate | サンプリング周波数を調整します。 |
| Bit Down | 劣化させるビット数を調整します。 |
| Filter | フィルターの効き具合を調整します。 |
| Low Gain High Gain | 各帯域の増幅量/減衰量を調整します。 |
| Level | 出力される音量を調整します。 |
Phonograph
レコードプレイヤーでレコード盤を鳴らすときに発生する「独特のさまざまな雑音」や「古いターンテーブルの回転ムラ」などを再現するエフェクトです。
「Phonograph」をかけた音と原音をMIXさせる構成になっています。
| パラメータ | 説明 |
| Signal Dist | 音の歪み具合を調整します。 |
| Frequency Range | 再生システムの周波数特性を調整します。 値が小さいほど、古いシステムの雰囲気になります。 |
| Disc Type | ターンテーブルの回転速度を設定します。 |
| Scratch Noise Lev | 再生するディスク(レコード盤)の「傷」に起因する雑音の音量を調整します。 |
| Dust Noise Lev | 再生するディスク(レコード盤)の「埃」に起因する雑音の音量を調整します。 |
| Hiss Noise Lev | ヒスノイズ(「サーッ」という連続した雑音)の音量を調整します。 |
| Total Noise Lev | 全雑音のマスターとなる音量を調整します。 |
| Wow | 再生するディスク(レコード盤)の長周期の回転ムラの度合いを調整します。 |
| Flutter | 再生するディスク(レコード盤)の短周期の回転ムラの度合いを調整します。 |
| Random | 再生するディスク(レコード盤)の不定周期の回転ムラの度合いを調整します。 |
| Total W/F | 全回転ムラのマスターとなる音量を調整します。 |
| Balance | 原音(D)とエフェクトを適用した音(W)の音量バランスを調整します。 |
| Level | 出力される音量を調整します。 |
商品情報
まとめ
本記事では、V-STAGEの「MFX(Tone FattenerからPhonograph)に関する設定」について、まとめました。
この内容は、V-STAGEのポテンシャルを引き出すための基本部分になる内容です。
V-STAGEを使いこなすための第一歩として、参考にしてみてください。
