ライブなどでキーボードを弾く人にとって、演奏中の「音色の切り替え」や「曲ごとのプリセットの切り替え」は、演奏の質やスムーズな曲の入りには極めて重要な要素です。
V-STAGEシリーズ(V-STAGE 76 / V-STAGE 88)では、単に音が良いだけでなく、「今、その瞬間」に集中できるようにライブでの奏者に寄り添った設計がされています。
「トーン」「シーン」「シーン・チェイン」という階層構造が備わっており、これらを利用してワークフローを実現します。
本記事では、この「トーン」「シーン」「シーン・チェイン」について、まとめていきます。
トーン(パート)
「トーン」とは、V-STAGEにおいて、演奏に使う音の最小単位のことです。
1つ1つの楽器だと考えれば、良いと思います。
V-STAGEでは、同時に5つの「パート」を扱える
「トーン」は「パート」に設定することで、演奏する音色を決定します。
V-STAGEには、以下の5つの独立したパートが用意されており、これらのパートにセットされた音色を「個別」もしくは「同時」に鳴らすことができます。
| パート | 説明 |
| ORGAN | Virtual Tone Wheel音源による伝統的なオルガン・サウンド。 |
| Virtual Tone Wheel音源による伝統的なオルガン・サウンド。 | V-Pianoテクノロジーによるピアノ音色。 |
| ELECTRIC PIANO | 改良されたSuperNATURALで、往年の名機を再現したエレピ音色。 |
| SYNTHESIZER A SYNTHESIZER B | ZEN-Coreエンジンによる膨大なシンセ音源。 2種類のシンセパートを利用することができ、様々な組み合わせで厚みを出すこともできます。 |
なお、パート毎に設定可能なサウンド・エンジンが決まっています。
そのため、例えば「ACOUSTIC PIANO」のサウンド・エンジンで同時に2つ使うことはできません。
トーンを選択する
各パートの設定は、各サウンドのセクション(リンク)における「TONE SELECT」ノブの操作で選択します。
- ノブを回す場合
- 選択可能なトーンが順番に切り替わります。
- 選択されているものは、中央のカラーディスプレイに表示されるので、わかりやすいです。
- 選択可能なトーンが順番に切り替わります。
- ノブを押す場合
- 「TONE LIST」画面(別記事作成予定)が開き、カテゴリーごとに分類された一覧から探すことが可能です。
- 基本操作部(リンク)の「<」「>」「DEC」「INC」ボタンもしくは「SELECT」ノブで選択し、最後に「SELECT」ノブを押下してください。
- 「TONE LIST」画面(別記事作成予定)が開き、カテゴリーごとに分類された一覧から探すことが可能です。
- お気に入り登録したいトーンにカーソルを合わせる。
- 「SHIFT+TONE SELECT」を押下する。
- 再度押下すると、お気に入り解除されます。
パートの音をリアルタイムで操作
「LEVEL」ノブを初めとする全コントロールノブ、ボタンを使い、リアルタイムのパラメータ調整ができます。
これにより、使用環境の変化やトラブル発生時に対応するために、瞬時の微調整を行うことができます。
パートの有効/無効を切り替える
各パートの有効/無効は、各サウンドのセクション(リンク)における「ON/OFF」ボタンで実施が可能です。
複数のパートが有効になっている状態を「レイヤー」と言います。
これにより、例えば、ピアノとストリングスで、同じ音を同時に鳴らすことが可能になります。
スプリットの設定を行う
鍵盤を左右に分けた2つの鍵域に分けて、異なるパートを割り当てることができます。
手順は以下です。
- 鳴らしたいサウンド・セクションを有効にする。
- スプリットにしたいサウンド・セクションで、「LEFT」もしくは「RIGHT」ボタンを押下する。
- スプリットを解除したいときは、「LEFT」と「RIGHT」ボタンを同時に押下します。
- スプリットを解除したいときは、「LEFT」と「RIGHT」ボタンを同時に押下します。
なお、「基本操作部(リンク)」の「SPLIT POINT」ボタンを押下することで、全パートのスプリット設定の状況を確認できます。
点灯している鍵盤が音が鳴る鍵盤になり、複数のパートが点灯している鍵盤ではレイヤーでの演奏となります。
各パートの鍵盤に表示されている赤い線はスプリットポイントと言い、左右で分けるポイントです。
スプリットポイントは、以下の方法で変更できます。
| 個別/一括 | 手順 |
| 個別 |
|
| 一括 |
手順1の状態で、「SELECT」ノブを回すと、個別にスプリットポイントを変更することもできます。 |
シーン
「シーン」とは、本体上半分で設定可能な「パートの設定」「エフェクト」などまとめて保存したものです。
V-STAGEを利用した際は、ライブ中などでの音の切り替えは、最終的にこの「シーン」として完成します。
シーンの保存
シーンは、1曲の中での1つ1つの場面(イントロ、メロ、サビなど)の音と考えると良いでしょう。
前述の「パートの設定」「エフェクト」の他、設定メニューの内容なども含む多くの情報がまとめられています。
保存されている情報の一例は、以下のようなものです。
- 各パートのON/OFF、音量、パンの設定。
- 選択されているトーンの詳細な設定。
- テンポや、スプリット、TOTAL EFFECTS(MFX、ディレイ、リバーブ)などのグローバル設定。
シーンの保存は、「WRITE」ボタンを押下してください。
「基本操作部(リンク)」のディスプレイに表示されている内容が、選択されているシーンに保存されます。
シーンの呼び出し(切り替え)
V-STAGEには、最大512個のシーンを保存可能です。
シーンは、「バンク(64個:AA~HH)」と「番号(8個:1~8)」の組み合わせた固有の番号で管理されています。
このシーンの切り替えは、以下の方法があります。
| 条件 | 手順 |
| 同じバンク内 |
|
| 異なるバンクかつバンク番号が分かっていない場合 |
|
| 異なるバンクかつバンク番号が分かっている場合 |
|
シーン・チェイン
「シーン・チェイン」とは、曲の中で扱う音(シーン)のセットの集まりです。
階層構造で言うと、「シーン・チェイン」が一番大きく、「シーン・チェイン」が「シーン」の集まりであり、「シーン」が「トーン」の集まりと言えます。
使い方の一例としては、1曲の中で作成したシーンを使う順に並べて保存することです。
演奏中に、「次にどのシーンに切り替えれば良いか分からなくなった」と言ったトラブルを回避できるでしょう。
シーン・チェインの保存
シーンは、1曲の中で扱うシーンの集まりです。
保存するには、「基本操作部(リンク)」で以下の手順を行ってください。
- 「CHAIN」ボタンを押下する。
- 「SELECT」ノブを押下する。
- 保存したい内容に編集する。
- 「WRITE」ボタンを押下する。
「基本操作部(リンク)」のディスプレイに表示されている内容が、選択されているシーン・チェインに保存されます。
シーン・チェインの呼び出し(切り替え)
V-STAGEには、最大128個のシーン・チェインを保存可能です。
保存されているシーン・チェインの呼び出しは、以下の手順を行ってください。
- 「CHAIN」ボタンを押下する。
- 以下のいずれかを実施する。
- 「SELECT」ノブを回す
- 「INC」ボタンを押下する
- 「DEC」ボタンを押下する
- 「SELECT」ノブを押下する。
- 「SELECT」ノブを回す
シーン・チェインの選択後は、以下のいずれかを利用してシーンを切り替えます。
- 「SELECT」ノブ
- 「1」~「8」ボタン
- 「DEC」「INC」ボタン
シーン・チェインの編集
保存されているシーン・チェインの編集は、以下の手順を行ってください。
- 「CHAIN」ボタンを押下する。
- 「SELECT」ノブを押下する。
- 表示された「CHAIN EDIT画面」で、変更するシーンを選択する。
- 「SELECT」ノブを押下する。
- 「SELECT」ノブを回し、変更したいシーンに編集する。
- 「SELECT」ノブを押下する。
他にも以下の操作ができるので、まとめます。
| 操作 | 手順 |
| シーンの追加 |
|
| シーンのコピー |
|
| シーンの切り取り |
|
| シーンの挿入 |
|
| シーンの入れ替え |
|
| シーンの削除 |
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商品情報
まとめ
「トーン」「シーン」「シーン・チェイン」は、Roland V-STAGEの音源管理の根幹に当たる内容です。
- 「トーン」を編集する
- 5つの「パート」に設定し、「シーン」として保存する。
- 演奏時に利用する順番で「シーン・チェイン」を構成する。
というワークフローで、演奏者が極力迷うことなく、演奏に集中できるように構成されています。
まずは、よく使う「トーン」(音色)を使って、「シーン」や「シーン・チェイン」を登録してみてください。
