動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも色編集に関わるカラーページの「概要」と「インターフェースの上半分」についてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
カラーページの概要
メカラー補正用のページで、カラーコレクションやカラーグレーディングを行うことができます。
DaVinci Resolveは、色補正用のソフトウェアとして開発されたのが始まりで、その後、動画編集機能を搭載しています。
そのため、カラー編集に関する機能は非常に優秀で、多くの編集作業ができるようになっています。
Premiere Proなどを利用している人でも、カラー編集だけはDaVinci Resolveで行うという人もいます。
また、フラッシュバックジャパンのHP(リンク)を見ても、対応しているプラグインは「Magic Bullet Suite」などカラー補正を行うようなものが目立ちます。
カラーページにおけるデフォルトのワークスペースは、以下の7つのエリアで構成されています。
7つのエリアについては「DaVinci Resolveの各画面の役割と画面構成(リンク)」でも簡単にまとめていますが、以下のエリアに分かれています。
エリア | 説明 |
ギャラリー | 後述 |
ビューア | タイムラインの再生ヘッドの位置のフレームが表示されます。 |
ノードエディター | ノードを使用して、カラーグレーディングの編集を行うことができます。 |
クリップ/タイムライン | 後述 |
レフトパレット | カラーグレーディングの基本的な設定を行うことができます。 具体的には、カラーマッチ、カラーホイール、モーションエフェクトなどがあります。 |
センターパレット | より細かいカラーグレーディングの設定を行うことができます。 具体的には、カーブ、カラーワーパー、トラッカー、ブラーなどがあります。 解像度が1920×1080未満の場合は表示されず、設定内容はレフトパレットと統合されます。 |
情報 | 選択している素材に対応するキーフレームなどの情報が表示されます。 |
UIの表示/非表示
前述の通り、カラーページのデフォルトでは、7つのエリアで構成されています。
このレイアウトの一部は、ページ上部のインターフェースツールバーを利用することで、表示内容を変更することが可能です。
なお、インターフェースツールバーは、一部 V18.6で構成が変わっています。
インターフェースツールバーで変更できるそれぞれの表示内容については、以下に簡単にまとめます。(各ボタンの詳細は、後述します。)
ボタン | 説明 |
ギャラリー | 「スチル(用語集)」や「タイムライン」で使用している素材などが表示されます。 LUT、メディアプールと同じエリアを利用するため、共存できません。 |
LUT | LUTブラウザが表示されます。 ギャラリー、メディアプールと同じエリアを利用するため、共存できません。 |
メディアプール | メディアページで、メディアプールに読み込まれた素材が表示されます。 ギャラリー、LUTと同じエリアを利用するため、共存できません。 |
クリップ | エディットページで編集中のタイムラインをサムネイルタイムラインで表示します。 また、ボタン右にある「v」から表示するサムネイルをフィルタリングすることができます。 |
クイックエクスポート | プロジェクトの簡易的なエクスポート機能です。 V18.6で搭載されているのを確認しています。 メニューバーの[ファイル] > [クイックエクスポート]と同じです。 |
タイムライン | エディットページで編集中のタイムラインが、ミニタイムラインとして表示されます。 |
ノード | ノードを使用して、エフェクトを適用することができるノードエディターを表示します。 |
エフェクト | エフェクトパネルを表示します。 |
Lightbox | Lightboxを表示します。 独自の別画面になります。 |
カラーコントロール | Lightboxを表示時に、インターフェースツールバーに表示されるボタンです。 有効時は、「レフトパレット」「センターパレット」「情報」が表示されます。 |
インターフェース(上半分)
インターフェースツールバーで表示できるものを中心に、各インターフェースについて概要をまとめます。
ギャラリー
カラーグレーディングを効率的に行うためのツールで、主に「スチル」や「グレーディングのプリセット」の管理をすることができます。
グレーディングのバージョン管理ができるので、異なるグレーディング結果の比較を行うこともできます。
また、「グレーディングのプリセット」を管理できるので、有効活用することで、一貫性のあるグレーディング結果を得る手助けになります。
LUT
PCにインストールされているLUTが、カテゴリー別に表示されます。
デフォルト設定では「サムネイル表示」かつ「ライブビュー」が有効になっており、各LUTの適用例をサムネイル上で確認することができます。
また、サムネイルに対して「マウスオーバー」もしくは「スクラブ」をすることで、ビューアでも適用結果を確認することもできます。
なお、これらは、LUTのブラウザ右上にあるオプションメニューのボタン(三点リーダ)で、有効/無効を切り替えることができます。
もちろん上記の他にも、以下のような操作を行うことができます。
やりたいこと | 実施方法 |
任意のカテゴリーに属するLUTのみを表示 |
|
現在のノードにLUTを適用する |
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特定のノードにLUTを適用する |
|
お気に入り登録 | 以下の2パターンで実施できます。 なお、登録されたLUTは、左側のツリーエリアの「お気に入り」カテゴリーで表示されるようになります。
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LUTの検索 |
なお、検索結果は、Enterなどを押さなくてもリアルタイムに表示が更新されます。 |
ビュー表示の切り替え |
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並び替え (サムネイルビュー) |
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並び替え (リストビュー) |
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ビューの表示サイズの変更 (サムネイルビュー) |
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一覧のサムネイル画像を実際のクリップにする |
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一覧サムネイル画像をデフォルトに戻す |
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メディアプール
ノードエディターにD&Dして扱えるクリップが表示されます。
クリップをD&Dすることで、以下のような用途で使うことができます。
- 外部マットとして利用
- グレードに混ぜる合成レイヤーとして利用
なお、外部マットは、クリップやエフェクトに対して、以下のような「補助的な情報」を適用するために使用されるものです。
- アルファマスク(透明度や不透明度)
- 適用先に適用される「エフェクト」や「調整」の範囲を制御
クリップ/タイムライン
Cutページ/Editページで編集中のタイムラインが表示されます。
表示方法として、以下の2種類が存在します。
各々のタイムラインでは、異なる情報表示と操作が可能です。
名称 | 場所 | 対応するインターフェースツールバー |
サムネイルタイムライン | 下図の上部 | クリップ |
ミニタイムライン | 下図の下部 | タイムライン |
サムネイルタイムライン
Cutページ/Editページで編集中のタイムラインで配置されているクリップが、各クリップのイン点(始点)の順にすべて表示されます。
この時、同じクリップを複数回使用していた場合は、各々が1つのクリップとして扱われます。
そのため、クリップAを2回使った場合は、クリップAが2つ表示されることになります。
クリップを選択すると、選択したクリップのイン点(始点)の位置に再生ヘッドが移動します。
また、サムネイルの上下には、「トラック番号」「コーデックもしくはファイルフォーマット」「エフェクトの適用有無」など各クリップの様々な情報が表示されます。
なお、サムネイル下の情報は、ダブルクリックすることで表示内容が切り替わります。
ミニタイムライン
Editページのタイムラインの縮小版(ビデオトラックのみ)のようなものです。
時間軸とともに、各クリップの構成(スーパーインポーズ:クリップの多段構成 など)といったタイムラインの構造が確認できます。
ミニタイムラインでは、以下のような操作が実施できます。
操作 | 説明 |
マーカーの情報も確認可能 | ダブルクリックで編集することができます。 |
スクラブ再生が可能 | 再生ヘッドの位置のフレームをビューアに表示することができます。 |
トラックの有効/無効を切り替え可能 | 左端にあるトラック番号をクリックすることできます。 |
ノードエディター
ノードと呼ばれる1つ以上の機能を組み合わせて、カラーグレーディングを行うエディターです。
組み合わせる順番やノードの種類に応じて、さまざまなカラーグレーディングを適用することが可能です。
エフェクト
利用可能なエフェクトの一覧が表示されています。
基本的には、ノードエディターにD&Dして適用させることになります。
Lightbox
全クリップを通して、「クリップやスチールの比較」「グレーディングの適用状態の管理」といった作業を得意とするツールです。
サムネイルタイムラインでも同じことができないこともないですが、サムネイルタイムラインはタイムライン上の位置の確認をしたり、ミニタイムラインと組み合わせて使うことに有意性があると思います。
詳細は、「カラーページ~タイムラインとLightbox~(リンク)」を参照ください。
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「カラーページ」のうち、「概要」「インターフェースの上半分」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。