【DaVinci Resolve】カットページ~UIの概要、メディアプ-ル、オーディオメーター、タイムライン~

動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。

今回は、その中でも編集に関わるカットページの「UIの概要」「メディアプ-ル」「オーディオメーター」「タイムライン」の概要をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。

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カットページの概要

DaVinci Resolve 16から搭載されたページで、DaVinci Resolve独自の操作感を有しています。

リニア編集によるカット編集から出力までの一連の作業を、高速に対応することに特化した環境です。

より短時間で映像編集ができるように、他のページから機能を厳選し、盛り込んだようなイメージが良いかと思います。

カットページにおけるデフォルトのワークスペースは、「メディアプール」「単一のビューア」「タイムライン領域」の3つのエリアで構成されています。

これらのエリアで、「クリップの読み込みと整理」「クリップの編集」「結果の書き出し」を行うことができます。

UI

前述の通り、カットページのデフォルトでは3つのエリアで構成されています。(詳細はこちら

しかし、インターフェースツールバーで切り替えることで、表示するものやレイアウトを変更することが可能です。

インターフェースツールバーで変更できるそれぞれの表示内容については、以下にまとめます。

ボタン説明
メディアプールメディアページで、メディアプールに読み込まれた素材が表示されます。
同期ビンマルチカム編集に役立つ機能の1つで、数ある素材の中で共通のタイムコードがあれば、自動で同期して表示されます。
トランジション適用できるトランジションのリストが表示されます。
タイトル適用できるタイトルのリストが表示されます。
エフェクト適用できるエフェクトのリストが表示されます。
クイックエクスポートファイルとして書き出すためのウィンドウが表示されます。
フルスクリーンビューアがフルスクリーンで表示されます。
インスペクタインスペクタパネルの表示/非表示を行います。選択した素材に対して「変形」「クロップ」などの設定を行うことができます。

メディアプール

メディアページでプロジェクトに取り込んだ全てのビデオ、オーディオ、グラフィックなどの素材が表示されます。

メディアページと同期され、ビンの利用も同様に行うことができます。

基本的な操作は、メディアページと変わりありません。

また、カットページでの編集内容も他のページと同期されます。

カットページでのメディアプールでは、右上に以下のようなボタンが備わっています。

表示形式は、以下の4つのいずれかを選択することができます。

表示形式説明
メタデータビューサムネイルとリストを併せた以下のように表示されます。

表示される内容は、メディアページのものと同様です。

サムネイルビュー「サムネイルアイコン」と「ファイル名」のセットで、各素材が表示されます。
サムネイルの上にマウスを持っていくことで、サムネイル上でスクラブして、内容を確認することも可能です。
表示される内容は、メディアページのものと同様です。
また「I」や「O」キーを使用して使用したいクリップのセクションをマークすることもできます。
フィルムストリップビューメディアプールの長さに合わせた一連のフレームのフィルムストリップとして表示します。
クリップに再生ヘッドを合わせて左右に移動するとクリップのイメージが再生されます。
また「I」や「O」キーを使用して使用したいクリップのセクションをマークすることもできます。
リストビュー素材のファイル名と併せて以下の情報(メタデータ)が表示されます。
ソート操作は、メディアページなどと同様です。
表示内容は、メディアページよりも限定されています。

「並べ替え」で並び順を変更することができる基準は、以下のようになっています。

  • TC(タイムコード)
  • カメラ
  • 日付&時刻
  • クリップ名
  • ビン
  • シーンショット
  • クリップカラー
  • 変更日
  • 読み込み日
  • オンライン状況

また、並び順の昇順/降順も選択できます。

検索フィールドには検索することも可能です。

オーディオメーター

ビューアで再生中の音声・動画のデータに含まれるオーディオデータの音量を、カラー表示でリアルタイムに確認することができます。カラーが示している意味は以下の通りです。

カラー説明
安全圏で、問題ないレベルであることを示しています。
黄色ピークになる値がおおよそ安全なレベルであることを示しています。
ピークになる値が高すぎることを示しています。
この状態は、音切れやノイズが発生するなどの不具合の原因になる(クリッピング)ので、基本的に避けるべき状態です。

また、メーター上部にあるスピーカーマークは、ミュート/ミュート解除を制御するボタンです。

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タイムライン

動画編集では、素材やエフェクトなどを配置・追加したり、トリミングなど作業を行います。タイムラインは、このような編集を実際に行うエリア(エディター)、もしくはそういった編集を簡単に組み合わせられる機能を指します。

動画編集ソフトによっては、「素材を配置したトラックのあつまり」を指すこともあります。このようなタイムラインは、1つのファイルとしてメディアプールにて他の素材と同様に管理することができます。タイムラインの内容を編集したい場合は、エディタで行う必要があります。

DaVinci Resolveの「カット」ページにおけるタイムラインのエディターは、上下の2つに分かれています。なお、どちらも表示倍率は固定となっています。

上のタイムラインエディター

プログラム全体を常に表示するタイムラインエディターです。

再生ヘッドは、ドラッグしてプレビューさせたい場所に移動させることが可能です。ドラッグ位置に同期して、下のタイムラインエディターもスクロールされます。

また、タイムラインエディター上に置かれている素材(クリップ)は、下のタイムラインエディターにD&Dして編集することも可能です。

下のタイムラインエディター内で行った編集内容は、上のタイムラインエディターにも同期されます。逆も同じで、上のタイムラインエディター内で行った編集は下のタイムラインエディターに反映されます。

下のタイムラインエディター

「上のタイムラインエディターを拡大したもの」と考えてもらって問題ありません。

上のタイムラインエディターと同様に編集作業が行え、下のタイムラインエディターで行った編集内容は上のタイムラインエディターに同期されます。

実際に操作をするのは、こちらで行うことが多いでしょう。

トラック

以下の画像のように、タイムラインは、複数のトラックの集まりでできていると言えます。

各トラックは、それぞれ1つの「映像のクリップ」もしくは「オーディオのクリップ」でできています。

トラック1について

メインとなるトラックとして位置づけられており、プライマリービデオ+オーディオで「Aロール」と呼ばれます。

トラック1でのクリップの「追加」「削除」「挿入」「トリム」「再配置」の操作は、タイムラインエディター全体に影響を及ぼし、クリップ位置がずれたりします。

トラック2以降について

トラック2以降は「Bロール」と呼ばれ、トラック1のサブトラックのイメージです。

例えば、副音声やサブ画面など、トラック1に組み合わせるために使用するようなトラックです。

そのため、トラック2以降のクリップの「追加」「削除」「挿入」「トリム」「再配置」の操作は、タイムライン全体に影響を及ぼすことはありません。編集したトラックのみに適用されます。

また、トラックの順番が上になるほど、最前面に表示されるようになります。これにより、クリップが重なっているような箇所は、上のトラックほど優先的に描画されるようになります。

オーディオトラックについて

上のタイムラインエディターにD&Dすることで、オーディオトラックのみを追加することもできます。オーディオトラックの場合は、トラック名は「A1」「A2」のようになります。

ツール

タイムラインエディターで利用できるツール群を説明します。

再生ヘッドの動作モード

再生ヘッドの動作は、上のタイムラインエディターの左側の上段にあるモード変更のボタン(上図参照)で選択することができます。

動作モード説明
固定再生ヘッド
(左側)
再生ヘッドの位置は、タイムラインの中央に固定されます。
タイムラインを再生もしくはスクロールする際は、再生ヘッドは移動せず、タイムラインのみが左右にずれるようになります。
フリー再生ヘッド
(右側)
再生ヘッドの位置は、自由に移動することができます。
タイムラインを再生もしくはスクロールする際は、再生ヘッドはタイムライン上を左右に動くようになります。
ドラッグした際は、再生ヘッドとタイムラインが共に左右にずれるようになります。再生ヘッドは、以下の2通りの操作が可能です。

  • ルーラーをクリックして、再生ヘッドをフレーム刻みでジャンプさせる。
  • 「再生ヘッドの上ハンドル」「再生ヘッド」のいずれかをドラッグする。

ビデオのみ、オーディオのみの編集

上のタイムラインエディターの左側の下段にあるボタンにより、オーディオまたはビデオのどちらか一方のみを使用することができます。

編集対象説明
ビデオのみ
(左側)
左側の「ビデオのみ」アイコンを選択すると、ビデオのみの編集を行うことができます。
解除するには、再度「ビデオのみ」アイコンを押下します。
オーディオのみ
(右側)
右側の「オーディオのみ」アイコンを選択すると、オーディオのみの編集を行うことができます。
解除するには、再度「オーディオのみ」アイコンを押下します。

タイムラインコントロール

下のタイムラインエディターの左上にある4つボタンは、左から「スナップ」「オーディオトリム」「マーカーの追加」「トラックを追加」のボタンとなっています。

ボタン説明
スナップタイムライン上でクリップをドラッグする際に、「クリップのイン点/アウト点」「マーカー」「再生ヘッド」のいずれかと位置を揃える機能です。
細かくずらしたいような時は、再度ボタンを押して、無効にしてください。
オーディオトリムタイムラインでトリムしているオーディオ/ビデオクリップの波形が、トリム中に拡大して表示されます。
有効時は、オーディオをより正確に確認できるので、単語やビートなどの間の特定の編集点を簡単に選択できます。
マーカーを追加上下のタイムラインエディターにマーカーを配置することができます。
また、このマーカーは色を変えることもできます。そのため、複数のマーカーの意図に応じて色で区別することもできます。
基本的なマーカーの使い方を以下にまとめておきます。【マーカーを追加】
追加したい箇所に再生ヘッドを移動し、マーカーボタンを押下する。【マーカー間で再生ヘッドをジャンプ】
「Shift + 上下キー」を押下する。【マーカー名、メモ(テキスト)、キーワード、カラーを編集】
追加されたマーカーをダブルクリックする。
もしくは、再生ヘッドをマーカーの位置に合わせ、キーボードの「M」を押下します。
表示されたダイアログで、設定内容を編集し、「完了」ボタンを押下する。

【マーカーの位置を移動】
マーカーをルーラー上でドラッグする。

【マーカーを削除】
削除したいマーカーを選択し、キーボードの「Delete」を押下する。

なお、追加されたマーカーの情報は、マーカーの位置に再生ヘッドがある時、ビューアの左上に表示されます。

トラックを追加新しく映像用の「ビデオトラック」が追加されます。

トラックコントロール

下のタイムラインエディターの左端の領域(トラックヘッダー)にある3つボタンは、左から「トラックをロック」「トラックをミュート」「トラックを無効化」のボタンとなっています。

コントロール説明
トラックをロック編集作業中に、編集不要なトラックが誤って変更されないようにする機能です。
有効にしておくと、トラックが編集不可になります。
トラックをミュートトラックの音声のみをオフにできます。
音声のみなので、映像は再生されます。
トラックを無効化トラックの映像のみをオフにできます。
トラックの無効化といっても、オフになるのは映像のみで音声は再生されるので、注意が必要です。

商品情報

公式HPでは、無料版もダウンロードできます。

無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。

また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。

動画編集に関するプロフェッショナルな編集、カラー、エフェクト、オーディオが1台で可能なポストプロダクション。ライセンス版とUSB版を選べます。

まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「カットページ」のうち、「UIの概要」「メディアプ-ル」「オーディオメーター」「タイムライン」の概要についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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