【DaVinci Resolve】Fusionページ~レイヤー合成:基本操作とグリーンバック~

動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。

今回は、その中でも3D編集やアニメーション作成などに関わるFusionページの「レイヤー合成」の方法をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっており、同社のFusion Studioのための内容としてはまとめていません。

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レイヤーの合成とは

「レイヤーベース」のコンポジットアプリケーションから「ノードベース」に移行するための手段です。

例えば、AdobeのAEから、Davinci ResolveでのFusionページに移行する場合です。

その際に必要な手順を実例をまとめていきます。

なお、ノード(エフェクト)の操作については、Fusionページ~ノードエディター:ノードの操作~(リンク)を参照してください。

2つのクリップを合成

ここでは、以下のように、オブジェクトを定義して説明をします。

オブジェクト説明
メディア_back合成される(背景側)メディア
メディア_fore合成する(前面側)メディア
透明度の情報(アルファチャンネル)が含まれていること。

ベースとなる手順は、以下になります。

  1. ノードエディターに、合成する2つのメディアを追加する
  2. 問題のあるエッジの修正する(必要な場合)
  3. Mergeノードの合成モードを設定する

手順1:メディアの追加

追加の処理自体は、メディアプールからノードエディターに、対象のメディアをD&Dすることで対応できます。

基本的に、後から追加したメディアが「メディア_fore」として扱われます。

なお、追加した後の状態によって、以下のパターンで区分けすることができます。

パターン操作
メディア同士を接続しないノードエディターの空白スペースにD&D操作を行ってください。
メディア同士を接続する
(後続のノードあり)
ノード同士を接続させた線の上にD&D操作を行ってください。
Mergeノードが自動作成され、メディア同士が接続されます。
メディア同士を接続する
(後続のノードなし)
ノードの出力端子(■)をD&D操作で接続してください。
Mergeノードが自動作成され、メディア同士が接続されます。
ドラッグした出力端子を持つメディアが「メディア_fore」として扱われます。

手順2:問題のあるエッジの修正

本手順は、基本的には実施しなくても問題ありません。

しかし、「合成の境界部分がきれいに処理されていない」「合成された画像の周囲に白い境界線が表示される」と言った場合があります。

このような場合は、以下の手順が必要になります。

  1. 「Mergeノード」を選択する。
  2. インスペクタで「減算/加算」の値を「0.0(減算)」に設定する。
どうして、エッジが不自然なのか?
きれいに処理されない要因として、「メディア_fore」となるクリップに対してプリマルチプライ(前乗算)がされていないことが挙げられます。
プリマルチプライが未処理の状態では、アルファチャンネルの情報が失われる可能性があるため、きれいに見えない原因となります。
合成時に生成されるMergeノードは、「メディア_fore」となるクリップに対し、プリマルチプライ処理が施されていることを前提としています。
そのため、アルファチャンネルを含む画像を「メディア_fore」とする際に、プリマルチプライ処理を行う必要があります。

手順3:Mergeノードの合成モードを設定

Mergeノードの設定項目をインスペクタで確認すると、「適用モード」という項目があります。

「適用モード」での各モードの説明は、エディットページ~編集方法:合成~(リンク)を参照ください。

この「適用モード」と「適用モード」に紐づく様々な設定(Blend等)を駆使して、合成結果を調整してください。

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グリーンバックの合成方法

ここでは、以下のように、オブジェクトを定義して説明をします。

オブジェクトノード名説明
背景MediaIn1緑の幕に重ねる背景画像
ベースMediaIn2緑の幕を利用していて、映像を重ねる際にベースとなる映像

ベースとなる手順は、以下になります。

  1. ノードエディターで、合成する3つのメディアの追加と接続を行う。
  2. デルタキーヤーを使用してグリーンバックキーを抜く。
  3. 光の跳ね返り(スピル)を除去する。

手順1:メディアの追加と接続

基本的には、[■2つのクリップを合成] > [手順1:メディアの追加]と同様です。

ただし、Mergeノードの入力端子のうち、合成できる画像を入力できる端子は2つのみです。

そのため、3つ以上の画像を合成するには、Mergeノードの出力を別と3つ目以降の画像の出力をマージすることになります。

なお、Mergeノードの入力端子において、緑が前景(前面)、黄色が後景(背面)になります。

前景/後景の交換は、ショートカットキー「Ctrl + T」を利用するか、Mergeノードに対して開くコンテキストメニューから「入力を交換」を選択することで利用可能です。

手順2:グリーンバックキーイング

グリーンバックの処理を行う場合は、DeltaKeyerノードを利用します。

以下の手順で行ってください。

  1. MediaIn2の出力にDeltaKeyerノードを追加する。

    • 置き換える場所を含むMediaInの出力とMergeノードの間に適用します。
    • DeltaKeyerノードは、「Shift + Space」による「Select Tool」で「DK」と入力するとすぐに見つけられます。
  2. イメージの背景から緑の箇所(置き換える場所の色)をサンプリングしてキーを抜く。

    • インスペクタのコントロールで、ピッカーを利用すると便利です。
    • マージの結果をビューアに表示すると、リアルタイムで合成結果を確認できます。
  3. DeltaKeyerノードで、アルファチャンネルを確認する。

    • 「ビューアツールバーのColorボタンをクリック」もしくは「ビューアをクリックして「c」ボタン押下」でRGBチャンネルとアルファチャンネルを切り替えることができます。
  4. ビューアで、Mergeノードの合成結果を確認する。

手順3について、補足です。

アルファチャンネルでは、黒(透明)/白(不透明)で表示されるのがベストです。

グレー(半透明)の箇所がある場合は、DeltaKeyerノードのインスペクタ内のパラメータを調整することで良い結果が得られることがあります。

タブ調整対象説明
キー Gain画面の色が強調され、透明感が増します。
簡単に調整できますが、前面映像の透明度に悪影響を与える可能性があります。
Balanceスクリーン以外の2つの色の間にある前面映像の色合いを調整します。
グリーンバックの場合は、フォアグラウンドを赤や青に近づけると良いです。
マットしきい値 黒と白の部分の濃度を調整できます。
前景(後景)をクリーン 白黒の境界を微調整できます。

手順3:光の跳ね返り(スピル)の除去

スピルとは、クロマキーを使った時の背景の色が抜かれていない箇所に反射してしまう現象です。

この調整にも、DeltaKeyerノードを利用し、以下のように対応します。

  1. DeltaKeyerノードでスピル補正を無効化にする。
  2. DeltaKeyerノードの後に、ColorCorrectionノードを接続する。

    • もしくは、もとのMediaInからMatteControlに直接接続し、MatteControlの出力をMergeノードに接続することでもできます。
  3. 手順2で接続したノードの設定値を調整する。

なお、手順1のスピル補正無効化の手順は以下になります。

  1. DeltaKeyerノードの設定をインスペクタで開く。
  2. 「マット」タブを選択する。
  3. 「置き換えモード」のドロップダウンメニューで「ソース」を選択する。

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まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「Fusionページ」のうち、「レイヤー合成」についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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