【DaVinci Resolve】初めに知っておきたい基礎知識~プロジェクト設定 Part.1~

動画編集ソフトの場合、作りたい動画に合わせて様々な設定が必要になってきます。

それを行うのが、DaVinci Resolveでは「プロジェクト設定」に当たります。

今回は、DaVinci Resolveにおける「プロジェクト設定」のうち、「プリセット」「マスター設定」についてまとめていこうと思います。

なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。

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概要

「プロジェクト設定」は、プロジェクト固有の設定を、プロジェクト毎に扱っています。

「プロジェクト設定」のウィンドウを開くは、以下の2通りの方法があります。

  • 対象のプロジェクトを開き、右下の「プロジェクト設定」を押下する。
  • プロジェクトマネージャーで対象のプロジェクトを右クリックし、「プロジェクト設定」を選択する。

また、ウィンドウの右上にある「・・・(メニュー)」から「現在の設定をデフォルトプリセットに設定」を押下して、規定値として設定することができます。

プロジェクト設定

プリセット

プロジェクト設定内のほぼ全てのパラメータと設定をひとまとめにしたプリセットの「保存」と「呼び出し」が可能です。

プリセットリストには以下の「3つのデフォルト項目」が存在している他、および「ユーザー独自」の設定を扱えます。

項目説明
現在のプロジェクト現在の設定されているプロジェクト設定です。
システム構成新規作成したプロジェクトに適用されるデフォルトのプロジェクト設定です。
この設定自体を直接変更することはできません。
ゲストデフォルト構成この設定は、マルチユーザーをサポートしていた以前のバージョンのDaVinci Resolveから引き継がれたものです。
現在ログインしているユーザーが作成するすべての新規プロジェクトのデフォルト設定です。

以下では、ユーザー独自のプリセットを扱う際の手順について記載します。

新規プリセットを作成する

  1. 「プリセット」パネルのプリセットリストの中から、ベースにしたいプリセットを選択する。
  2. 「別名で保存」をクリックする。
  3. 作成する新しいプリセットの名前を入力して、「OK」をクリックします。
  4. 手順3で保存されたしたプリセットを選択します。
  5. 必要に応じて、各パネルで設定内容を変更する。
  6. プリセットパネルに戻って、「保存」ボタンをクリックする。

    • これにより、プリセットへの変更内容が適用されます。

プリセットの設定をプロジェクトに読み込む

  1. 「プリセット」パネルのプリセットリストの中から、読み込みたいプリセットリストの項目をクリックする。
  2. 「ロード」をクリックする。

    • 置き換え確認に関するダイアログが表示された場合は、「はい」をクリックする。

カスタムプリセットを削除する

  1. 「プリセット」パネルのプリセットリストの中から、削除したいアイテムをクリックして選択する。
  2. 「削除」をクリックする。
  3. 表示された確認ダイアログで、「はい」をクリックする。

マスター設定

このパネルはプロジェクトの基本となる最も重要な設定になっています。そのため、プロジェクトの開始前にこれらの設定を済ませておくのが良いと思います。

タイムラインフォーマット

現在のプロジェクトの構成およびイメージ処理に関連する設定になります。

項目説明
タイムライン解像度編集中に主に使うことに鳴るタイムラインでの動画の解像度の設定です。
初めに設定した解像度に縛られてしまい、「解像度の変更するために、プロジェクトを初めから作り直す」ようなことはありません。
また、解像度の変更はどのタイミングでも変更可能なため、編集環境によって変更したりすることが可能です。
なお、プルダウンリストに存在しない解像度を設定したい場合は、「解像度 “X軸” x “Y軸” に設定」で直接解像度を設定することが可能です。
ピクセルアスペクト比以下から、ピクセルアスペクト比(PAR)を選択することができます。

  • 正方形
  • 16:9アナモルフィック
  • 4:3 SD
  • シネマスコープ
タイムラインフレームレートプロジェクトで使用するフレームレートを指定します。
メディアプールにすでにファイルが存在する場合、この設定は変更できません。そのため、メディアを読み込む前に行うようにしてください。
ドロップフレームタイムラインを使用現在のプロジェクトのドロップフレームタイムコードを有効または無効にします。
インターレース処理を有効化有効の場合は、すべての操作を内部的に分離されたフィールドを使用して処理するようになります。
そのため、この機能を無効にすることで、レンダリングにかかる時間を削減できます。
クリップのサイズを調整せずにカラーやコントラストのみを調整する場合は、フィールド処理を有効にする必要はありません。
再生フレームレート編集中にディスプレイで再生した時のフレームレートです。
再生速度に直接かかわる部分で、「フレームレート:29.97fps」の動画を「再生フレームレート:16fps」で扱った場合の再生速度は、ほぼ50%の速度になります。
基本的に、後述の「ビデオフォーマット」の設定に連動しています。

ビデオモニタリング

接続したビデオ出力インターフェースから出力する信号に関する設定ができます。

項目説明
ビデオフォーマット接続したビデオ出力インターフェースから出力するビデオフォーマットを選択できます。
なお、設定するビデオフォーマットは、「フレームサイズ」と「フレームレート」を組み合わせたものになっています。
4:4:4 SDIを使用 SDI接続経由で4:4:4クロマサンプリングをサポートするモニターへの出力を有効にします。
3Gb SDI Level Aを使用 単一の3[Gb/s]SDI接続でイメージデータをモニタリングする出力を有効にします。
SDIでデュアル出力を使用 デュアルSDI 3Dモニタリングが有効になっている場合、フル解像度で別々に出力されます。
SDIコンフィギュレーションSDI(シリアルデジタルインターフェース)のリンク設定を以下から選択できます。

  • シングルリンク
  • デュアルリンク
  • クアッドリンク
データレベル外部ディスプレイで設定したデータレンジと一致するように、以下から設定します。

【ビデオ】
Rec.709ビデオフォーマットに設定した放送用ディスプレイを使用する場合に使用します。

【フル】
フルレンジでの表示に対応しているディスプレイで、作業中にフル10-bitデータレンジをモニタリングしたい場合に使用します。

なお、外部ディスプレイを接続しているビデオインターフェースを介して出力されるデータレベルのみに影響します。

サブブラックとスーパーホワイトを維持有効時は、クリップするようなデータレベルの範囲外にある「サブブラック(アンダーシュート)」と「スーパーホワイト(オーバーシュート)」を映像に出力します。
ビデオビット深度 ディスプレイに適したビット深度を選択します。
モニタースケーリング まれに見られる高周波の影響を最小限にします。

【ベーシック】
大型スクリーンにプロジェクターで表示するような映像のエッジが滑らかになります。

【バイリニア】
監視対象の画像にさまざまな影響を与えるため、表示デバイスによっては本当に適した設定なのか確認が必要です。

4:2:2 SDI出力にRec.601マトリックスを使用 この設定は、熟知していて意図的に設定変更したい場合を除き、設定不要です。
Enable HDR metadata
(Studioバージョンのみ)
有効時は、HDR信号をHDMI2.0aで送信し、正常なデコードに必要なメタデータが送信されます。
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最適化メディア&レンダーキャッシュ

パフォーマンス向上させるために生成する「最適化メディアの解像度」と「コーデック」を設定します。

項目説明
プロキシメディアの解像度以下から、どの解像度でプロキシメディアを生成するか?を選択します。

  • オリジナル
  • 1/2
  • 1/4
  • 1/8
  • 1/16
  • 自動選択

※分数は、オリジナルを基準とした値です。また、自動選択は、タイムライン設定に基づいて自動的に選択するかを選択できます。

プロキシメディアのフォーマット
プロキシメディアファイルが書き込まれるフォーマットを指定します。
最適化メディアの解像度
以下から、どの解像度でプロキシメディアを生成するか?を選択します。

  • オリジナル
  • 1/2
  • 1/4
  • 1/8
  • 1/16
  • 自動選択

※分数は、オリジナルを基準とした値です。また、自動選択は、タイムライン設定に基づいて自動的に選択するかを選択できます。

最適化メディアのフォーマット
最適化されたメディアファイルを書き込むフォーマットを設定します。
レンダーキャッシュのフォーマット
レンダーキャッシュファイルを書き込むフォーマットを設定します。
次の秒数後にバックグラウンドキャッシュを開始
自動バックグラウンドキャッシュを何秒後に開始するかを指定します。

なお、以下で有効にした内容に応じて、使用した効果を強制的にキャッシュします。また、キャッシュには、シーケンスのキャッシュを含みます。

【ユーザーモードでトランジションを自動キャッシュ】
トランジションエフェクトをリアルタイムで再生できない場合にキャッシュされます。

【ユーザーモードで合成を自動キャッシュ】
合成モードや不透明エフェクトをリアルタイムで再生できない場合にキャッシュされます。

【ユーザーモードでFusionエフェクトを自動キャッシュ】
Fusionページでエフェクトをつけたクリップをリアルタイムで再生できない場合にキャッシュされます。

作業フォルダー

作業フォルダーとして、書き込むフォルダーを設定します。

項目説明
プロキシの生成場所
作成したすべてのプロキシメディアファイルが保存される場所です。
キャッシュファイルの場所
作成したすべてのレンダーキャッシュが保存される場所です。
ギャラリースチルの場所
すべてのスチルがDPXフォーマットで保存される場所です。

フレーム補間

項目説明
リタイム処理
「異なるフレームレートが混在」「早送り/スローモーションなどの効果」などによる速度変更が適用されている場合のデフォルトの処理を以下から選択します。

【ニアレスト】
ファストモーションではフレームが落とされ、スローモーションではフレームが複製されます。
プロセッサー効率が最も良く、品質が低い方法です。

【フレームブレンド】
スロー/ファストモーションでは、複製された隣同士のフレームはディゾルブされます。
プロセッサー効率が良く、自然な効果が得られます。

【オプティカルフロー】
プロセッサー効率が最も悪く、品質が最も良い処理方法です。
次の動きを予測し、オリジナルのソースフレームから新しいフレームを生成することで、スロー/ファストモーションエフェクトを作成できます。
最も効果を発揮するのは、等速かつ直線的な動きです。
逆に、予想しにくい動きをする場合では、不向きな処理方法になります。

動き推定モード
動き推定を必要とする「オプティカルフロー」やカラーページでの「スタビライズ」「時間的ノイズ除去」を扱う場合、以下から出力の品質を設定できます。

  • 標準(速度優先)
  • 標準(画質優先)
  • 高品質(速度優先)
  • 高品質(画質優先)
動きの範囲
「オプティカルフロー」を使用している場合は、動きの規模を以下から設定できます。




※エディットページのインスペクタでは、この設定をクリップごとに変更できます。

商品情報

公式HPでは、無料版もダウンロードできます。

無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。

また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。

動画編集に関するプロフェッショナルな編集、カラー、エフェクト、オーディオが1台で可能なポストプロダクション。ライセンス版とUSB版を選べます。

まとめ

今回は、DaVinci Resolveの「プロジェクト設定」のうち、「プリセット」「マスター設定」についてまとめてみました。

DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。

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