動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でもレンダー処理に関わるデリバーページの「ページの作り」についてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
デリバーページの概要
デリバーページは、他のページで作成した動画作品をエクスポートする非常に重要なページです。
最適な形式で出力するための機能が装備されており、動画作品の「最終的な出力品質」や「ファイルサイズ」「互換性」と言った設定を行い、目的(用途)に合った完成品を得ることができます。
基本的な手順は以下になりますが、他にも他の一部のページで「クイックエクスポート」という機能も存在します。
- プリセットを選択する。
- レンダリングの設定を行う。
- レンダーキューに追加する。
- レンダリングを実行する。
- タイムラインで「イン点」「アウト点」を設定する。
- メニューの[ファイル] > [クイックエクスポート]を実行する。
UI
5つのエリア
実際のデリバーページにおけるデフォルトのワークスペースは以下のようになっており、5つのエリアで構成されています。
①レンダー設定
テープ出力ではない、デジタルファイルとして、出力する動画ファイルの設定を行う場所です。
右下にある「レンダーキューに追加」ボタンで、後述の「③レンダーキュー」に追加されます。
レンダー設定のエリアは、下図のように、大きく4つの役割に分かれています。
No | 役割 | 説明 |
① | プリセット | あらかじめ組まれているプリセットから1つを選択することで、設定内容を一部削減した内容が表示され、レンダリング設定に要する時間を削減できます。 「カスタム」は、全設定項目が表示されるため、一番自由度が高いプリセットです。 |
② | ファイル名/保存先 | レンダリングした出力ファイルの「ファイル名」と「保存先」を設定します。 |
③ | レンダー | 以下のいずれかを選択します。
|
④ | レンダー設定 | レンダリングの設定項目が並ぶ場所です。 「ビデオ」「オーディオ」「ファイル」の3つのパネルに分かれています。 表示される設定項目は、「③レンダー」でどちらを選ぶか?によって、変わってきます。 設定内容の詳細は、別記事で記載します。 |
また、オプションメニューでは、以下の項目があり、プリセットの保存/ロードを行うこともできます。
- ビデオ書き出しを追加
- “ユーザーのプリセット名” > プリセットを更新
- ユーザー作成のプリセットが存在する場合のみ表示されます。
- ユーザー作成のプリセットが存在する場合のみ表示されます。
- “ユーザーのプリセット名” > プリセットの書き出し
- ユーザー作成のプリセットが存在する場合のみ表示されます。
- ユーザー作成のプリセットが存在する場合のみ表示されます。
- “ユーザーのプリセット名” > プリセットを削除
- ユーザー作成のプリセットが存在する場合のみ表示されます。
- 新規プリセットとして保存
- プリセットの読み込み
- プリセットを消去
②ビューア
タイムラインの再生ヘッドの位置の映像をプレビューで確認できます。
ここに表示される映像が、動画ファイルとして出力されることになります。
トランスポートコントロールについては、他のページと同様で一般的な動作になります。
また、他のページと同様に、以下も対応しています。
- 全画面表示
- メニューの[ワークスペース] > [ビューアモード] > [シネマビューア]もしくは「Ctrl + F」を行ってください。
- 解除は、「Esc」キーもしくは、再度「Ctrl + F」を実行してください。
- メニューの[ワークスペース] > [ビューアモード] > [シネマビューア]もしくは「Ctrl + F」を行ってください。
- 表示倍率の変更
- タイムラインの切り替え
- タイムコードの切り替え
- プロキシの設定
さらに、オプションメニューでは、以下が可能です。
- タイムコードツールバーの表示/非表示
- 「イン点」「アウト点」「継続時間」が表示されます。
- 「イン点」「アウト点」「継続時間」が表示されます。
- マーカーオーバーレイの表示/非表示
- レンダリング中のビューア表示の更新の仕方
③レンダーキュー
レンダリングする対象のリストです。
レンダー設定で、「レンダーキューに追加」ボタンを押下すると、こちらに追加されます。
追加されたジョブを1つ以上選択し、右下にある「xをレンダー」ボタンを押下してください。
レンダーボタンは、現在の選択数に応じて、「x」部分がカウントアップし、全選択時は「すべて」となります。
レンダリングしたファイルは削除されずにレンダーキューに残るため、再度同じ設定でレンダリングすることもできます。
設定変更などの操作では、以下を行うことができます。
- 「鉛筆」ボタンでレンダー設定を再編集
- ジョブ名をクリックで、ジョブ名の変更
- 「x」ボタンで削除
また、ジョブに対するコンテキストメニューでは、以下の項目があります。
- メディアストレージに表示
- レンダリングしたファイルをメディアストレージに表示します。
- レンダリングしたファイルをメディアストレージに表示します。
- ファイルロケーションを開く
- レンダリングしたファイルの保存先となるディレクトリーを開きます。
- レンダリングしたファイルの保存先となるディレクトリーを開きます。
- レンダーステータスを消去
- レンダー済かどうか?を示すステータスを消去します。
- レンダー済かどうか?を示すステータスを消去します。
なお、オプションメニューからは、以下のことが実施できます。
- すべてのプロジェクトを表示
- 他のプロジェクトのレンダーキューも確認できます。
- 他のプロジェクトのレンダーキューも確認できます。
- 更新
- リストを更新します。
- リストを更新します。
- ジョブの詳細を表示
- 「解像度」「ビデオコーデック」「フレームレート」「チャンネル数」「サンプリング周波数」「動画のトータル時間」が表示されます。
- 「解像度」「ビデオコーデック」「フレームレート」「チャンネル数」「サンプリング周波数」「動画のトータル時間」が表示されます。
- アップロード前にレビュー
- レンダリング後に「アップロード待機中」となり、レンダリング結果をアップロード前に確認できます。
- 確認後は、キュー内のジョブに対するコンテキストメニューでアップロード処理の「実行」「キャンセル」を行うことができます。
- レンダリング後に「アップロード待機中」となり、レンダリング結果をアップロード前に確認できます。
- レンダーした項目を消去
- レンダリング済のキューを削除します。
- レンダリング済のキューを削除します。
- すべて削除
- 全キューを削除します。
④サムネイルタイムライン
レンダリングする動画で使用されている素材のサムネイルが表示されます。
各サムネイルには、クリップに対する様々な情報が表示されています。
例えば、エフェクトを適用している場合は「fx」アイコンが表示されますが、マウスオーバーすると適用しているエフェクトが表示されます。
クリップを選択した場合は、「ビューア」や「タイムライン上の再生ヘッドの位置」が更新されます。
また、表示されるクリップに対して開くコンテキストメニューでは、以下が対応可能です。
- イン点の設定
- アウト点の設定
- クリップのレンダー
⑤タイムライン
再生ヘッドの位置の映像を確認し、レンダリング対象を「タイムライン全体」か「イン点・アウト点の区間」かで指定することができます。
また、以下のコントロールも存在しています。
- エディットページにもある「タイムライン表示オプション」(エディットページ~タイムライン~:リンク)
- ズームスライダー
- オーディオメーター
インターフェースツールバー
上記のレイアウトの一部は、ページ上部のインターフェースツールバーを利用することで、表示内容を変更することが可能です。
インターフェースツールバーに存在する各ボタンの説明は、左から以下のようになっています。
ボタン | 説明 |
レンダー設定 フル/ハーフ表示ボタン | 「レンダー設定」パネルをフル表示かハーフ表示かで選択できます。 ハーフ表示の場合は、タイムラインが横に広がります。 |
レンダー設定 | 出力する動画ファイルの設定を行います。 |
テープ | デリバーページがテープ出力モードに切り替わります。 使用するには、専用のデバイスが接続され、使える状態になっている必要があります。 そのため、本サイトでは、深く触れません。 |
クリップ | レンダリングする動画で使用されている素材のサムネイルが表示されます。 |
レンダーキュー | レンダリングする対象のリストが表示されます。 |
レンダーキュー フル/ハーフ表示ボタン | 「レンダーキュー」パネルをフル表示かハーフ表示かで選択できます。 ハーフ表示の場合は、タイムラインが横に広がります。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「デリバーページ」のうち、「ページの作り」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。