【Blender】作成した3Dオブジェクトを平面に落とす「レンダリング」の使い方

3DCGソフトの中でもフリーソフトで高機能なBlenderには、作成したオブジェクトを平面画像にする「レンダリング」があります。

「レンダリング」では、3つのレンダーエンジンを備えていて、それぞれに特徴があります。

今回は、そんな「レンダリング」を Blender で行う手順について記載していきます。なお、本内容は、V2.93時点のリリース物件に沿った内容となっています。

スポンサーリンク

基礎知識

ここでは、レンダリングを行う際の基礎知識について記載します。

レンダリング時の設定で使う場所

使用する場所は、「プロパティエリア」の「レンダープロパティ」と「出力プロパティ」になります。多くの設定が存在しますが、設定内容については別記事にまとめます。参考URL欄を参照ください。

レンダープロパティ出力プロパティ

レンダーエンジン

Blenderでは、3つのレンダーエンジンを使用することができます。レンダープロパティ内の「レンダーエンジン」で設定できます。

これらは、それぞれが独自の設定を持ち、処理速度を追求したものや品質を追求したものなどで違いがあります。それぞれの特徴を把握・理解してその時々の要求に合ったものを選択すると良いでしょう。

レンダー
エンジン
説明設定項目
Eevee
イーブイー

デフォルト設定となっているレンダーエンジンです。

最大の特徴は、レンダリング速度です。レイトレーシングの技法ではなく、ラスタライズという技法を用います。これにより、物理ベースでリアルタイムな処理を行うことができます。そのため、3Dビューポートの中で編集操作を行いながら、レンダリングの結果を確認することもできます。

設定・機能では、光の屈折やマテリアルの表現などの多くが備わっています。これらの設定は、概ねCycles(後述)と同じような内容になっています。そのため、大きな設定変更を加えることなく「編集中はEeveeを利用してプレビューを確認し、最終的なレンダリングは Cycles を使用する」ということも可能です。

なお、近年のラスタライズの品質は改善されているので、レンダリング結果の品質が特別劣ってしまうということはありません。

Workbench
ワークベンチ

3Dビューポート上でのモデリングやアニメーションのプレビューを行うために最適化されています。そのため、設定項目も最低限のものになっています。決して、最終的なレンダリングを行うためのものではありません。

非常に高速ではあるのですが、品質は3つの中で最も低いものになっています。

Cycles
サイクル

物理ベースのパストレーサーです。

物理的に正しく意図した表現が正確に出力されるため、リアルな仕上げになります。しかし、その反面ではノイズが乗りやすい性質を含んでいます。また、リアルな仕上げを行うゆえ、レンダリングに要する時間も多くなる傾向があります。

設定は、概ねEeveeと同じような内容になっています。

なお、GPUアクセラレーションによるレンダリングを行い合い場合は、[編集] > [プリファレンス] > [システム] > [Cyclesレンダーデバイス] で使用する GPU を有効にする必要があります。

レンダリング手順

基本的なレンダリング時の手順は以下になります。

①レンダーエンジンの選択

先述の通り、Blenderには3つのレンダーエンジンが搭載されています。その中から、最も自身の要求にあったレンダーエンジンを選択します。

レンダーエンジンの切り替えは、以下で行います。

②出力される画像サイズの設定

レンダリングを行った結果として得られる画像のサイズを設定していきます。サイズの設定値は、解像度(ピクセル)となります。

また、以下を押すことで、一般的な画像サイズ(解像度)が表示されます。ここで希望するサイズを選択しても、解像度は設定した値に変更されます。

③出力される画像ファイルの設定

保存する画像の「保存先」「ファイルフォーマット(拡張子)」「白黒/カラー」などの設定を以下で行います。

④レンダリングの実行

レンダリングを実行するには、ヘッダーメニューの [レンダー] > [画像をレンダリング] を選択します。ショートカットキーは、「F12」です。(動画の場合は「アニメーションレンダリング」、音声だけの場合は「音声をレンダリング」を使用すると良いです。)

 

⑤レンダリング結果の保存

レンダリングが終わったら、別ウィンドウが開きます。開いたウィンドウのヘッダーメニュー:[画像] > [保存]を実行します。ショートカットキーでは、「Alt + S」です。他にも「名前を付けて保存」「コピーを保存」などがあります。

選択すると、以下の保存用ダイアログが表示されます。このダイアログの右側のカラムには、手順③で設定している内容がデフォルトの設定として表示されています。このダイアログで設定を確認し、保存を実施してください。(以下では「画像を別名保存」ボタンを押下します。)

まとめ

今回は、作成したオブジェクトを平面画像にする「レンダリング」について記載しました。

作成したオブジェクトを画像として出力する最終段階の手順であり、仕上げに関わる内容です。上記の内容を参考に、ぜひ試してみて下さい。

参考URL

「レンダーエンジン:Eevee」の設定を見たい場合は、以下を参照ください。

【Blender】レンダーエンジンの1つ「Eevee」の設定内容

「レンダーエンジン:Cycles」の設定(「簡略化」まで)を見たい場合は、以下を参照ください。

【Blender】レンダーエンジンの1つ「Cycles」の設定内容①

「レンダーエンジン:Cycles」の設定(「モーションブラー」以降)を見たい場合は、以下を参照ください。

【Blender】レンダーエンジンの1つ「Cycles」の設定内容②

「レンダーエンジン:Workbench」の設定を見たい場合は、以下を参照ください。

【Blender】レンダーエンジンの1つ「Workbench」の設定内容

「出力プロパティ」の設定を見たい場合は、以下を参照ください。

【Blender】レンダリングに必要な「出力プロパティ」の設定内容
スポンサーリンク