動画編集ソフトのDaVinci Resolveでは、ページ毎に役割を設けて、やれることを分けています。
今回は、その中でも編集に関わるエディットページの「UIの概要」「インターフェースツールバー」「レイアウトのカスタマイズ」の使い方をチュートリアルとしてまとめていこうと思います。
なお、ここで紹介する内容は、DaVinci Resolve Studio 18 に基づいた内容になっています。
エディットページの概要
ノンリニア編集により、Premiere Pro のような他の動画編集ソフトと同様の操作感で編集ができます。
カットページでは対応できない少し高度なカット編集や、トラジションの設定などを行うことができます。
また、カットページとはシームレスに行き来することができます。
UI
エディットページのデフォルトでは、ビューアをひとまとめにすると「3つのエリア」で構成されています。(詳細はこちら)
しかし、インターフェースツールバーで切り替えることで、表示するインターフェースやレイアウトを変更することが可能です。
インターフェースツールバーで変更できるそれぞれの表示内容については、以下にまとめます。
ボタン | 説明 |
メディアプール | メディアページで、メディアプールに読み込まれた素材が表示されます。 |
エフェクト | エディットページで適用できるエフェクトのリストが表示されます。 |
編集インデックス | タイムライン上で有効になっているトラックのすべての編集イベントをリスト表示します。 |
サウンドライブラリ | DaVinci Resolveに登録されているサウンドエフェクトや音楽のデータベースを表示します。 |
ミキサー | DAWのように直感的な操作でサウンドミックスの作業ができるオーディオミキサーの表示します。 |
メタデータ | 「タイムラインエディター」や「メディアプール」で選択したクリップの情報を表示します。 |
インスペクタ | インスペクタパネルの表示します。選択した素材に対して「変形」「クロップ」などの設定を行うことができます。 |
メディアプール
エディットページでも、メディアプールには、プロジェクトに読み込んだ動画、画像、オーディオ、タイムラインのデータが含まれています。
これらは、他のページと同期されています。そのため、他のページでの編集内容はもちろん、「エディットページでの編集」や「他のページでの編集」を行った内容についても、すべてのページのメディアプールと同期されます。
基本的な操作方法は、「メディアページ」や「カットページ」のメディアプールと同じです。(参考リンク)
エフェクト
左右2つのエリアに分かれているエフェクトライブラリに表示される、利用可能なエフェクトのリストです。
左側は「ビンリスト」を表示し、右側は「ビンの内容」を表示するエリアとなっています。
以下では、各ビンの構成について、まとめていきます。
ツールボックス
DaVinci Resolveに標準搭載されている「トランジション」「タイトル」「ジェネレーター」「Fusionエフェクト」が含まれています。
項目 | 説明 |
ツールボックス | ツールボックス配下に存在する全エフェクトが表示されます。 |
ビデオトランジション | DaVinci Resolveに搭載されたすべてのビデオトランジションが表示されます。 |
オーディオトランジション | クロスフェードを作成する時に使用するオーディオトランジションが表示されます。 |
タイトル | テキストに関するエフェクトが表示されます。 |
ジェネレーター | 単色背景やトランジションなど、透明度を変更してテキストの背景に使うなど、様々な用途で利用できるジェネレーターが表示されます。 そのまま使うのではなく、少し手を加えて使うことになると思います。 |
エフェクト | 「調整クリップ」や「Fusionエフェクト」などの少し変わったエフェクトが表示されます。 |
OpenFX
サードパーティ製のOpenFXフィルター、トランジション、ジェネレーターを使用できます。
これらのエフェクトがPCにインストールされている場合、各エフェクトの種類やグループ別に管理・表示されます。
項目 | 説明 |
OpenFX | 「ResolveFX」および現在PCにインストールされている「サードパーティ製OpenFX」がすべて表示されます。 |
フィルター | DaVinci Resolveに標準搭載されている「ResolveFXフィルター」と、PCにインストールされている「サードパーティ製のOFXプラグイン」が含まれています。 |
トランジション | PCにインストールされている「サードパーティ製のOFXトランジション」が含まれています。 |
ジェネレーター | PCにインストールされている「サードパーティ製のOFXジェネレーター」が含まれています。 |
オーディオFX
表示されるものは、2つです。
- DaVinci Resolveの「FairlightFX」
- サードパーティ製の「VSTオーディオプラグイン」
なお、macOSに「Audio Unit (AU)」をインストールした場合は、エフェクトライブラリのOpenFXパネルに表示されます。
DTMをしていてDAWなどでお気に入りのVSTプラグインがある人にとっては、使いまわすことが可能になります。
エフェクトライブラリのお気に入り
お気に入りに追加したエフェクトが表示されます。
編集インデックス
タイムラインを編集すると、それらの変更はリアルタイムに反映される編集イベントのリストです。
なお、「クリップ」と「トランジション」は別のイベントとして表示されます。
現在のタイムラインで使用されている特定のエフェクトの探索や、特定のクリップに関する詳細を知りたい場合などに使うことになるでしょう。
また、再生ヘッドに触れているクリップやエフェクトは、編集インデックス上で、ハイライト表示されます。
そのため、どのクリップとイベントが関連しているか?が判断しやすく、想定外の問題が起きている時などでは便利なリストになっています。
編集インデックスの列
編集インデックスのリストで表示可能な列の情報をまとめます。
項目 | 説明 |
#(番号) | イベント番号です。 カラーページのサムネイルタイムラインに表示されるクリップ番号と一致しています。 |
リール | 対応クリップのリール名です。 |
マッチ | クリップの競合が生じているクリップにフラグが付けられ、クエスチョンマークが表示されます。 クリップの競合が解消されるとフラグも消えます。 |
V | ビデオトラックの番号です。 |
C | イベントの種類をアルファベットで表示します。 「C」は「カット」、「D」は「ディゾルブ」もしくは「トランジション」を指します。 |
長さ | トランジションの長さをフレーム数で表示します。 |
ソースのイン | 元のソースメディアに対するクリップのイン点を特定するタイムコードです。 |
ソースのアウト | 元のソースメディアに対するクリップのアウト点を特定するタイムコードです。 |
タイムライン上の長さ | タイムライン上でのクリップの長さです。 |
タイムライン上のイン | タイムライン上でのクリップのイン点を特定するタイムコードです。 |
タイムライン上のアウト | タイムライン上でのクリップのアウト点を特定するタイムコードです。 |
名前 | クリップの名前です。 |
コメント | 読み込んだEDLのコメントです。 |
ソース先頭 | クリップに使用するソースメディアの最初のフレームです。 |
ソース末尾 | クリップに使用するソースメディアの最後のフレームです。 |
ソースの長さ | 該当クリップのソースメディアの長さです。 |
コーデック | クリップのコーデックです。 |
ソースのFPS | クリップのフレームレートです。 |
解像度 | クリップのフレームサイズです。 |
カラー | 該当クリップに適用されたカラーフラグおよびマーカーです。 |
メモ | クリップ/タイムラインのマーカーに入力したメモです。 |
EDLクリップ名 | 読み込んだEDLの名称です。 |
マーカーキーワード | あるマーカー内で検索されたキーワードをすべてリストアップします。 |
編集インデックスの列のカスタマイズ
編集インデックスの列は、以下のようなカスタマイズが可能です。
- ドラッグして、順番を変更する。
- 列の境界線をドラックして、列の幅を変更する。
- 列に対して開くコンテキストメニューで列の表示/非表示を変更する
これらの変更を行ったレイアウトは、以下の手順で保存しておくことが可能です。
- 列名に対して開くコンテキストメニューで、「列レイアウトを作成」を選択する
- 表示されるダイアログで、保存する名称を入力する
- 「OK」ボタンを押下する
保存した列レイアウトは、列名に対して開くコンテキストメニューの上部に表示されます。
コンテキストメニューで保存した列レイアウトにマウスオーバーすると、「ロード」「更新」「削除」を行うことができます。
編集インデックスをフィルター
編集インデックスの右上にあるメニューボタン(三点リーダ)で、編集インデックスにフィルターをかけることができます。
フィルタリングできる方法は、以下です。
項目 | 説明 |
すべてを表示 | リストに含まれるすべての編集インデックスを表示します。 |
アクティブなトラックアイテムを表示 | タイムラインエディター上で、赤枠で選択しているトラックのみを表示します。 |
ビデオトラックアイテムを表示 | ビデオクリップのみを表示します。 |
オーディオトラックアイテムを表示 | オーディオクリップのみをリストに表示します。 |
フラグを表示 | フラグの付いたクリップをリストに表示します。 特定の色のフラグのみを表示することも可能です。 |
マーカーを表示 | マーカーの付いたすべてのクリップをリストに表示します。 特定の色のマーカーのみを表示することも可能です。 |
クリップカラーを表示 | クリップカラーを指定しているクリップのみをリストに表示します。 特定の色のクリップカラーのみを表示することも可能です。 |
スルー編集を表示 | スルー編集、またはカットの前後でタイムコードが連続している編集を含むクリップのみを表示します。 |
オフラインクリップを表示 | 素材の実ファイルとのリンクができていないクリップのみを表示します。 |
クリップ競合を表示 | クリップの競合(他のクリップとメタデータが重複している状態)が発生しているクリップのみを表示します。 |
速度エフェクトを含むクリップを表示 | タイムライン上の速度エフェクトを含むクリップのみを表示します。 |
合成エフェクトを含むクリップを表示 | 「合成モード」または「不透明度」のパラメーターが、デフォルト設定(合成モード:ノーマル、不透明度:100)ではないクリップのみを表示します。 |
変形エフェクトを含むクリップを表示 | 「変形」の設定が変更されているクリップのみを表示します。 |
フィルターを含むクリップを表示 | 「ResolveFX」または「OFXフィルター」を使用しているクリップのみを表示します。 「すべて」「ビデオフィルター」「オーディオフィルター」から選択できます。 |
スチルおよびフリーズフレームを表示 | スチルクリップ、またはフリーズフレームが適用されているクリップのみを表示します。 |
複合クリップおよびネスト化タイムラインを表示 | 複合クリップとネスト化タイムラインのみを表示します。 |
VFX Connect クリップを表示 | Fusion Connectクリップのみを表示します。 |
編集インデックスの書き出し
編集インデックスは、以下の手順でエクスポートすることで、他のユーザーや環境と共有できます。
- メディアプールを開く
- 現在開いているタイムラインに対し、コンテキストメニューを開く
- [タイムライン] > [書き出し] > [編集インデックス]を選択する。
- 開いたウィンドウで、保存先を指定する。
- 「.csv」もしくは「.txt」の拡張子を利用できます。
- 「保存」ボタンを押下する。
ミキサー
ミキサーは、トラック毎に「トラックレベル」「パン(定位)」「ミュート/ソロ」「ピークメーター」などを備えており、DAWなどと同じ感覚で利用できる内容になっています。
全体の音量調整にも使える「Bus」トラックも存在しています。Busが何を表示するか?は、Farilightページでのオーディオ編集の設定が反映されます。
また、右上にあるメニューボタン(三点リーダ)で「メーター」を選択することで、オーディオメーターに表示を切り替えることができます。
全体の音量のみを表示したいと言った場合に最適です。
詳細は、こちら(リンク)を参照ください。
メタデータ
メタデータは、メディアページと同様です。(参考リンク)
「メディアプール」「タイムライン」で選択したクリップのメタデータが表示されます。
複数選択の場合は、最後に選択したクリップの情報が表示されます。
インスペクタ
基本的には、メディアページのインスペクタと同様です。
詳細は、以下を参照ください。
要レイアウトのカスタマイズ
エディットページのUIのカスタマイズ方法を記載します。
なお、メニューの[ワークスペース] > [レイアウトをリセット] をすることで、いつでもデフォルト設定に戻すことができます。
項目 | 説明 |
ページの各エリアのサイズを変更する | 各エリアの境界は、ドラッグすることでサイズを変更することができます。 |
タイムライン、ビューアのエリア(横幅)を広げる | インターフェースツールバーの「メディアプール」の左にあるボタンを押すことで、「メディアプール」「エフェクト」「編集インデックス」の高さを変更することができます。 これにより、短くなったエリアの場所には、タイムラインの幅が拡張されます。 また、「メディアプール」「エフェクト」「編集インデックス」「サウンドライブラリ」を全て表示させないようにした場合は、ビューアの幅も同様に広がります。 インターフェースツールバーの右側にある「ミキサー」「メタデータ」「インスペクタ」についても、同様のことが言えます。 |
各ビデオ/オーディオトラックの高さを変更する | 「各ビデオトラック」「各オーディオトラック」「ビデオトラックとオーディオトラック」のそれぞれの境界を上下にドラッグしてサイズを変更することができます。 |
デュアルスクリーンモードを使用する | デュアルモニター専用のレイアウトが使用できます。 この機能の有効・無効の切り替えは、[ワークスペース] > [デュアルスクリーン] > [オン] を選択します。 基本的に、各ディスプレイに表示される内容については、以下のようになっています。 【プライマリーモニター】 編集に必要なメインのエリアが表示されます。
【セカンダリーモニター】
なお、どちらのディスプレイをプライマリーモニター(もしくはセカンダリーモニター)にするか?の設定については、[ワークスペース] > [プライマリーディスプレイ] > [ディスプレイ1(もしくはディスプレイ2)] を選択すること設定することが可能です。 |
商品情報
公式HPでは、無料版もダウンロードできます。
無料版は、試用期間のようなものではなく、永続的に無料で使い続けることができます。
また、無料版とは言え、プライベートで利用する場合は十分すぎる機能を有しています。
まとめ
今回は、DaVinci Resolveの「エディットページ」のうち、「UIの概要」「インターフェースツールバー」「レイアウトのカスタマイズ」についてまとめてみました。
DaVinci Resolveを使用する際のヒントになれば幸いです。