【Blender】レンダリングに必要な「出力プロパティ」の設定内容

3DCGソフトの中でもフリーソフトで高機能なBlenderには、作成したオブジェクトを平面画像にする「レンダリング」があります。
今回は、レンダリングに必要な「出力プロパティ」について記載していきます。なお、本内容は、V2.93時点のリリース物件に沿った内容となっています。
スポンサーリンク

出力プロパティ

ここでは、出力プロパティの設定内容について説明していきます。

出力プロパティでは、レンダリングサイズ、フレームレート、ピクセルアスペクト比、出力場所、およびファイルタイプの設定を行います。1つの「フレーム」もしくは、複数の画像から成る「画像シーケンス」のレンダリングをすることが可能です。また、画像シーケンスをビデオシーケンサーに追加することで、動画にエンコードすることができます。

寸法

寸法では、「解像度」や「フレームレート」に関する以下の設定が存在します。

設定内容説明
解像度 Xレンダリング画像の横軸のピクセル数です。
解像度 Yレンダリング画像の縦軸のピクセル数です。
解像度 %解像度 X および 解像度 Yでレンダリングした画像を縮小/拡大させる割合です。
アスペクト X

水平アスペクト比です。

アナモルフィック(16:9)または非正方形ピクセルの出力用です。

アスペクト Y

垂直アスペクト比です。

アナモルフィック(16:9)または非正方形ピクセルの出力用です。

レンダー領域ユーザーが指定したレンダー領域を、フレームサイズ内にレンダリングします。
レンダー領域をクロップ

レンダリングされたフレームを、設定されたレンダー領域のサイズでトリミングします。

「レンダー領域」が有効な場合に設定できます。

開始フレームアニメーションの再生 / レンダリング範囲の先頭のフレームを設定します。
終了アニメーションの再生 / レンダリング範囲の最終フレームを設定します。
ステップレンダリング中 / 各フレームの再生中に、順方向にスキップするフレーム数です。
フレームレートアニメーションの場合の1秒間に表示されるフレーム数です。
タイムリマップ
> 旧

マッピング元のアニメーションのフレーム数です。

アニメーションの長さを再マップするために使用します。

タイムリマップ
> 新規

新しいアニメーションが続くフレーム数です。

アニメーションの長さを再マップするために使用します。

立体視

立体視できる3D画像としてレンダリングするための設定です。以下の設定が存在します。

有効にした場合、3Dビューポートのカメラ視点では赤と青のフィルターを使用して立体視する「アナグリフ方式」で表示されるようになります。

設定内容説明
ステレオ3D

単一のステレオカメラシステムです。

カメラパネルのステレオ設定で、調整します。

マルチビュー

複数のカメラシステムです。

各カメラを別々に調整します。 

ファイル接尾辞

このビューのレンダリング画像に追加する接尾辞です。

ステレオ3Dを選択した時に、表示されます。

カメラ接尾辞

使用するカメラを区別するための接尾辞です。

マルチビューを選択した時に、表示されます。

出力

出力では、アニメーションのレンダリングフレームの場所、および保存された画像の品質を設定するための以下の設定が存在します。

設定内容説明
出力パスレンダリング結果(アニメーションなど)の保存先を選択します。
保存 >
ファイル拡張子
レンダリングしたファイル名に、出力するファイルフォーマットの拡張子を追加します。
保存 >
結果をキャッシュ

レンダーのキャッシュをEXRファイルに保存します。

特に処理が重い時にパフォーマンスを改善します。

ファイルフォーマットレンダリングした画像を保存するファイルフォーマットです。
カラー

レンダリングした画像を保存する時のカラーフォーマットを選択します。

【BW】
8bitのグレースケールで保存されます。

【RGB】
赤、緑、青の3つのチャンネルで保存されます。

【RGBA】
赤、緑、青の3つのチャンネルに、アルファ(透過)の要素が加わって保存されます。
ただし、JPG / BMP のファイルフォーマットではサポート外です。

色温度 チャンネル毎のbit深度です。
圧縮

圧縮の度合いを設定します。

「0」で、「非圧縮」かつ「高速」なファイル出力になります。 「100」で「最大圧縮」かつ「低速」なファイル出力になります。

連番画像 >
上書き
レンダリング中、既存のファイルがあった場合、上書きします。
連番画像 >
場所の確保
場所確保用の空のファイルをレンダリング時に作成します。

メタデータ

メタデータをレンダリング出力に書き込むためのオプションが含まれています。ただし、サポートされているのは、一部の画像形式(PNG / JPEG / OpenEXR)です。

設定内容説明
メタデータ入力

適用するメタデータをどこから持ってくるかを設定します。

【シーン】
現在のシーンのメタデータを使用します。

【シーケンサーストリップ】
シーケンサー内のストリップのメタデータを使用します。

内容 > 日付メタデータ内に、現在の日付を組み込みます。
内容 > 時間 メタデータ内に、フレームタイムコードを組み込みます。形式は、HH:MM:SS.FF.です。
内容 > レンダリング時間 レンダリング時間を組み込みます。
内容 > フレーム フレーム番号を組み込みます。
内容 > フレーム範囲レンダリングフレームの範囲を組み込みます。
内容 > メモリー ピークのメモリ消費量を組み込みます。
内容 > ホスト名レンダリングを行ったマシン名を組み込みます。
内容 > カメラ アクティブカメラの名前を組み込みます。
内容 > レンズアクティブカメラのレンズ名を組み込みます。
内容 > シーン アクティブシーン名を組み込みます。
内容 > マーカー 最後のマーカー名を組み込みます。
内容 > ファイル名 blendファイルのファイル名を組み込みます。
メモ

自由に記載できるメモ欄です。

レンダーノードの識別子やジョブ番号など、好きな情報をスクリプトで記述できます。

画像に焼き付けレンダリング画像にテキストとしてメタデータを組み込みます。
画像に焼き付け
> フォントサイズ
スタンプ文字列のレンダリング時に使用するフォントサイズです。
画像に焼き付け
> テキスト
スタンプテキストに使う色です。
画像に焼き付け
> 背景
スタンプテキストの背景色を「任意の色」もしくは「透明」から設定します。
画像に焼き付け
> ラベルを含む
スタンプラベルを表示します。

ポストプロセッシング

ポストプロセッシングは、レンダリング後に画像を処理するために使用される以下の設定を行うことができます。

設定内容説明
パイプライン >
コンポジティング

有効にすると、レンダリング結果をコンポジティング(合成)パイプラインで処理します。

実際のフローは、合成ノード設定からの出力をレンダリングしてから、すべての画像に複合ノードツリーを適用し、複合出力ノードに入力された画像を表示します。

パイプライン >
シーケンサー

3Dシーンのアクティブなカメラからのビューではなく、ビデオシーケンスエディタの出力をレンダリングします。

シーケンスにシーンストリップが含まれている場合、これらもパイプラインの一部としてレンダリングされます。

合成も有効になっている場合、シーンストリップは合成ツールの出力になります。

ディザー

マッハバンドを防ぐため、レンダリング画像に追加するノイズのディザー量です。

段階状の変化が現れるグラデーションの領域で見られるバンディングに対して適応される、ピクセルのぼかし具合とも言えます。

参考URL

Blenderで実際にレンダリングする方法は、以下を参照ください。

【Blender】作成した3Dオブジェクトを平面に落とす「レンダリング」の使い方

「レンダーエンジン:Eevee」の設定を見たい場合は、以下を参照ください。

【Blender】レンダーエンジンの1つ「Eevee」の設定内容

「レンダーエンジン:Cycles」の設定(「簡略化」まで)を見たい場合は、以下を参照ください。

【Blender】レンダーエンジンの1つ「Cycles」の設定内容①

「レンダーエンジン:Cycles」の設定(「モーションブラー」以降)を見たい場合は、以下を参照ください。

【Blender】レンダーエンジンの1つ「Cycles」の設定内容②

「レンダーエンジン:Workbench」の設定を見たい場合は、以下を参照ください。

【Blender】レンダーエンジンの1つ「Workbench」の設定内容
スポンサーリンク